2015
10.27

再び手にする友情ハーモニー。『ピッチ・パーフェクト2』感想。

pitch_perfect2
Pitch Perfect 2 / 2015年 アメリカ / エリザベス・バンクス

あらすじ
包み隠さずさらけ出そう!(股間以外)



全米アカペラ大会で優勝した女性アカペラグループ「バーデン・ベラーズ」だったが、あれから3年経った今、スキャンダルのため大会出場禁止処分に。国際大会には出場することになったものの、メンバーたちはバラバラだしドイツの強力なライバルは登場だしで大ピンチ。果たしてベラーズは栄光を取り戻せるのか。ガールズ・アカペラムービー『ピッチ・パーフェクト』の続編。

前作の感想はこちら。
足掻いて手にする極上ハーモニー。『ピッチ・パーフェクト』感想。

前作でどん底からの復活を果たしたアカペラグループ、バーデン・ベラーズ。あれから3年後の話ですね。舞台はスケールアップして今度は世界大会、新しいメンバーも増えて順風満帆……かと思いきや、またもや冒頭からやらかすし、首の皮一枚の綱渡り状態に逆戻りという体たらく。前作の立役者であるベッカは就活(というかインターン)に夢中だし、部長のオーブリーは卒業しちゃったのでいまひとつメンバーもまとまりがない。3回留年してまでベラーズに青春を捧げるイタい共同部長クレアも頭を抱える始末。でもやるときゃやるよ!と言うのが痛快ですね。前作が楽しかった人なら否応なしに楽しめるであろう、期待を裏切らない出来です。

ただこれは、逆に言えば期待以上とは言いがたいってことなんですけど。やってることは前作と実質変わらないためちょっと新鮮味には欠けます。焦点の当たるメンバーにかなり偏りがあるのも気になるし。もちろん歌のシーンは素晴らしいしトータルでは楽しいから、これは贅沢な文句ではありますけどね。シリーズものとして安定した面白さであるとは言えるでしょう。

ベッカ役のアナ・ケンドリック、エイミー役のレベル・ウィルソン、クロエ役のブリタニー・スノウ他前作でも活躍したメンバーたちには安定感があるし、新メンバーのエミリーを演じるヘイリー・スタインフェルドもなかなか魅力的。今作の監督であるエリザベス・バンクスって、あの実況コンビの女性の方なんですね。相方の毒舌を若干たしなめ気味なのはそのためか?

華やかなステージ、聴かせまくる歌声、様々なパフォーマンスでノリノリです。個人的にはベラーズのライバルとなるDSMことダス・サンド・マシーンのステージがかなり良くてそっちの方が気になっちゃいましたが。

↓以下、ネタバレ含む。








いやあまさかね、ファット・エイミーのご開帳から始まるとは思わなかったですね。前作のオープニングゲロと違って画で見せられないぶん話題の拡散具合で表してたのは面白いですが(オバマまで!)、ちょっとくどかったかも。この冒頭に限らず前作と対になるシーンが多いです。前作でも非常に楽しかったリフ・オフが今回も出てきて良いのですが、アカペラ好きの謎の富豪が開催してそれにメイングループが皆来てるってのはさすがに出来すぎな気も。ベッカが一人ベラーズ以外の行動に励んで浮いてしまうのも同じだし、歌や振り付けの練習シーンもあまりないし(なぜか強制キャンプでアスレチックはやりますが)。

また、フォーカスが当たる人物がベッカとクロエとファット・エイミー、新メンバーのエミリーあたりなので、どうしても一人二人ほとんど目立たない人が出てしまったり、エキセントリックな言動が特徴の新キャラ・フローはナンセンスなことばかり言うリリーと被るし、エミリーのあっけからかんと言う下ネタはエロキャラのステイシーと被るという、キャラ被りも気になります(まあリリーはもはやホラーでありニンジャですが)。あとクロエはポリープ手術で低音しか出なくなったはずですが普通に歌ってない?気のせい?

まあその辺りはいいんですが、一つだけどうしても解せないのがバンパーの扱いですよ。前作で調子こきまくった挙句、仲間を見捨てて一人スカウトされて去って行ったクズ野郎が、しれっと復帰してしれっとまた歌ってるのはどうなの?なぜかエイミーと恋仲になっちゃうし、ラストではあろうことかオーディション番組で栄光を手に入れる。違うんだよ、そんなのは求めてないんだよ!バンパーがボロクソに落ちぶれてて、涙ながらに反省して再び歌い始める、というのだったらまだ良かったのに。この展開にはホントにガッカリ。

でも僕の大好きな元部長のオーブリーがまた出てきたので許します。引退したのでもう吐かないのも安心。あと今回はベッカが可愛いんですよ。相手を貶そうとするとなぜか誉め言葉になっちゃうとか、怒りながら去ろうとして罠にかかった途端「死ぬ前に言うわーみんな愛してるー」とか叫んじゃうのが超可愛い。ベッカとジェシーの仲がまだ続いてたというのも何気に良いです。キャラ設定に文句はあるものの、ベラーズの仲良しっぷりはなんか憎めなくていいんですよ。賛成か反対かをE#かG#かで表すのとか、キャンプの夜にみんなで夢を語っちゃうとか、もちろんリフ・オフでのバトルや世界大会のステージも素晴らしい。

ドイツのDSMがカッコよすぎるので「もうこいつら優勝でよくね?」とか思っちゃいますが(でも最後のキメが物凄くアメリカっぽい)、ベラーズの歴代メンバー総登場という荒技にはぶっ飛びます。何の伏線もなく登場するのはどうかと思うし、現メンバー以外が出て問題ないのかとも思いますが、クロエが「私たちには伝統がある」と言うように、前作で抜け出した自分たちを縛る伝統を今度は吸収して自分たちの力に変えるところに、彼女たちの今のパワーを感じることができるのです。

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