2015
10.24

ザ・ハッピータイム!『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』感想。

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2015年 日本 / 監督:吉成曜

あらすじ
魔女のスゴさを見せてやろう!



魔女育成の名門校、ルーナノヴァ魔法学校の生徒であるアッコはいまだにホウキにも乗れないうえに、相変わらず騒動を起こす日々。罰として街のお祭りの中で行われる魔女の歴史を再現するパレードに、友人のロッテ、スーシィと共に強制参加。果たしてパレードは上手くいくのか。トリガー制作『リトルウィッチアカデミア』の続編。

全寮制学園の魔女っ子たちを主人公に笑いと感動のドタバタを展開した前作は『アニメミライ2013』で上映された30分の短編ですが、僅かな尺の中にあらゆる娯楽作の要素が入っていて、他の作品より頭一つ飛び出ていた印象でした。大好きな作品です。今回はその倍の60分の中編となって帰って来ましたよ。かなり期待値上げて観ましたが、その期待をしっかり越える面白さ。カラフルな世界、ワクワクの魔法、スラップスティックな笑い、全てにおいてスケールアップ。コミカルながら泣ける友情、努力、勝利。テンポの良い疾走感とアニメの気持ちよさに満ちた躍動感が素晴らしいです。

元気マイウェイのアッコ、真面目なロッテ、きのこ大好きスーシィの三人組に、ツンデレお嬢ダイアナ、眼鏡が素敵なアーシュラ先生といったお馴染みの面子、さらに突飛な新メンバーとして、盗みとダンスに秀でたアマンダ、メカ作りの得意なコンス、高速食いしん坊ヤスミンカの3人も追加。冷静に見ればキャラはわりとステレオタイプな方だと思いますが、造形の良さと細かい動作や行動、突き抜けた個性のためあまりそう感じないというのが大したものです。学園の外にある街に出ることでフィールドを広げ、前作を凌ぐピンチに大騒ぎ。勢いと冒険に満ちてます。

クラウドファウンディングで目標の4倍となる62万ドルを得て制作、世界的にも高評価な本作。大人も子供も楽しめる素敵な作品です。Netflixでも公開してるので、前作と合わせてぜひ。

↓以下、ネタバレ含む。








魔女っ子もののジャンルに、スクールカーストの底辺から這い上がる少女たちというドラマを組み入れ、持てる能力で懸命に努力する姿で共感を得るという、実はかなりの王道作。青春期特有の衝突を使った友情ものとしても感動的だし、魔法を使った非日常のワクワクや、巨大ゴーレムとの戦いといった冒険、ちょっとしたジュブナイル的な出会いまで描き、前作に続いてよくもこれだけの要素をブチ込んだなと驚きます。それでいて各キャラの掘り下げも必要十分でとにかくバランスが良いのと、観ていて気持ちのいいアニメーションらしい動きに満ちているのが素晴らしい。細かい描き込みも多く、終盤の色んな物が動き出すところではカップが化けて大騒ぎするクズ市長の後ろで市長像がさりげなく動き出したりしてて面白いです。実はケータイのある世界だというのが意外でした。わりと現実の世界なんですね。

アッコは思い付きだけで動いて周りが見えず、ロッテとスーシィを巻き込んだ挙げ句に自分の落ち度は棚に上げてロッテを非難するというかなり嫌な面を見せます。「悪気はなかった」と繰り返す辺りはヒロインとしての好感度ガン下がりで、ちょっとやりすぎじゃないかとも思ったんですが、百面相に近い表情の豊かさとオーバーリアクションでそれを緩和させつつ、そこから後半の反省・仲直までりでの振り幅が大きいため、失って分かる大事な人の大きさがよく伝わってきて感動に繋がります。泣くときも謝るときも大袈裟だから裏がないのが分かるんですよね。しかしロッテは本当にいい子だな。険悪な雰囲気だったのに一人頑張るアッコに手作り帽子を作ってくるとか、優しさがとどまることを知りませんね。泣けます。この優しさが「精霊を歌で静める」という役割にマッチしてますね。そして今作で最も魅力的だったのがスーシィで、アッコの癇癪もロッテの悲しみもさりげなく受け止める大人の部分がとても良いです。

アマンダは『キルラキル』の纒流子を思い出すイケメン女子で、ほうきチェイスが超イカします。コンスのダンシングロボや魔法銃といったメカ+魔法のカッコよさも良いアクセント。パレード船を操るときに杖をドリルに変えるところにトリガーならではの『グレンラガン』オマージュを感じますね。ヤスミンカは……癒し系、でいいのか?あれだけ食ってちょっとぽっちゃり程度で済んでるのが凄い。そして今作でも大活躍のダイアナ、クライマックスで思わずアッコを応援しちゃうダイアナかわいい。悪ガキたちも個性的。あとアーシュラ先生、盛り上げてる場合じゃないです。生徒たちを信じてるのかあの場を楽しんでるのかどっちなんだ?生徒の自主性を尊重するためか今回は変身がなかったですが、ちょっとだけシャリオの活躍も見たかったなあ。

ラストの巨人の巨大感もなかなかで、そこらの物を使って骨だけの腕に装備するメカメカしさ、頭や肩が炎と化する段階的変形もたまりません。しかし3人はいつの間に無効化魔法を覚えたのか……それはともかく冒頭で「力を合わせないと出来ない」と言っていた無効化魔法を実行できたことで3人が本当に仲直りできたことを示すわけですが、その後のトドメに使うパワーアップ巨大弓矢が素晴らしい。あれはアッコの射ち出すシャイニーロッドの力、ロッテの精霊を呼び出す力、スーシィの昏倒キノコの力が一体となってるんですね。巨人を貫き、精霊を呼び出し、眠りに落としているわけです。多くの伏線がここに集約され、なおかつ熱すぎる合体技として結実する。そしてシャイニー・シャリオの魔法を信じた少女は、信じる心を持ち続けたことで大団円を迎える。言うことなし。さらなる続編もぜひ観たいですね。

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