2015
09.05

子作りにはアレが必要だ!『テッド2』感想。

ted2
Ted 2 / 2015年 アメリカ / 監督:セス・マクファーレン

あらすじ
正解:法的権利。



自我を持ったクマのぬいぐるみであるテッドはバイト先のタミ・リンと結婚して子供が欲しいと思うようになるが、それには自分が人間であると証明しなければならなくなった。テッドと親友ジョンは美人弁護士サマンサと共に裁判に臨むが……。ゲスで下品な中年テディベア、テッドのまさかの続編。

自我を持ったぬいぐるみのおっさん化、というある意味ファンタジーを現実に引きずり下ろした前作の続編が、さらに現実的に「人間とは何か」という流れになるのは必然かもしれません。結婚し、子供をもうけようとするテッドと妻。しかし法はテッドのことを人間とは見なさない。大事なのは生物学的見地か?それとも魂か?そんな問題提起を行う奥深い話……。

と言いたいところですが、下劣でジャンキーな雷兄弟による下ネタの嵐は相変わらず。というかむしろ悪化。ドン引きのネタの数々を楽しめるかどうかがポイントになりますかね。また前作でも『フラッシュ・ゴードン』始めカマしてくれた映画ネタも多すぎて拾いきれないほどパワーアップしてます。某恐竜もののパロディとか凄いな!個人的には笑えるネタと笑えないネタの差が激しかったですが、コミコンの大乱闘など楽しいところは超楽しい。今作はそのテーマのためか、セス・マクファーレンにしては差別ネタは抑えめかな?

そしてやはり素晴らしいマーク・ウォールバーグのバカっぷりですよ。今作もお人好しのダメ男としてテッドと一緒に頭のおかしさ爆裂させてます。『トランスフォーマー ロスト・エイジ』で共演したバンブルビーとのニアミスには笑いました。しかし共演のアマンダ・セイフライドまてあんなバカでいいの?その呼び名とか口にくわえるものとかOKなの?観てるほうがキャリアを心配してしまうほど思いきってます。そんなバカ映画に安心感を与えるモーガン・フリーマンはさすが。アメフトのスターは色々大変なんだなあというのも分かりますね。あとハズプロはおおらかすぎ。某大物俳優のサプライズ登場には感激しながら笑います。

若干長さは感じるし不満もあるものの、やはり笑ってしまうんですよねー。ある程度の下ネタ耐性は必要ですが。可愛いクマちゃんがキュートに大活躍!という話だと思って来る人はまずいないとは思いますが、いたらお気の毒さまです。

↓以下、ネタバレ含む。








セス・マクファーレンはオープニングを結構しっかり作ってる感じがします。『荒野はつらいよ』では往年の西部劇を彷彿とさせてたし、本作ではラインダンスを使ったミュージカル映画の画作りをテッドを絡めてキッチリやってて、単にパロディなのかもしれないけどパロディやるなら徹底する、という姿勢は良いです。映画好きなんだな、というのは伝わってきますよ。

そしてそれを裏付けるような映画ネタの数々。『ジュラシック・パーク』のパロディはテーマ曲まで思い切り使ってて分かりやすいにもほどがあります。「群れで動いてる……(涙)」じゃねーよ!(爆笑)法廷で『アナ雪』歌うな、は分かりやすいですが、名字をクラバー・ラングにするというネタはどうしてもやりたかったんだろうなあ。分からない人用にわざわざ『ロッキー3』とタイトルまで挙げてるし。コミコン会場では、そもそもコミコンがそういう場だと言うのはあるにしろ、フォースを使おうとしてたしなめられるベイダー卿とか『スター・トレック』の呑気な戦闘とか『フィフス・エレメント』のリールーがバク転してくるとか『ドラゴンボール』の変身しない悟空とか、やりたい放題。「次のスーパーマンはジョナ・ヒル!」はね、あれ本人が出てきたらさらに最高でしたけどね。『フラッシュ・ゴードン』は冒頭から神父役で出てたのは面白かったけど、さすがにちょっと出過ぎかな。もうレギュラーの一人ってことなんでしょうけど。

アマンダ・セイフライドは名前がサムだからってサミュエル・L・ジャクソンって呼ばれたり目がでかいからとゴラム呼ばわりされてたけどいいんでょうか。Fuck me eyesがMy precious eyesになってるのは笑ったけど、チン◯型パイプ吸っちゃってるのは完全にアウトだと思うんですが……。でも下ネタは多いけど直接的なエロはさほど多くないですね。中学生レベル。精子まみれとか最悪ですが、何かを検索すると「もしかして:black cock」には重ねられてつい笑ってしまいました。エロ画像の入ったPCをぶっ壊したうえ海に沈めるのも面白い。ただ、お笑い芸人やジョギングする人やコミコン参加者をイジめるところは酷いし、ヤクやりすぎで子供産めないってのも笑えません。ケツにピーナッツは笑えるのに、相手をわざわざ盲目の人にして引かせるのも謎(逆に差別してないって言いたいのかな?)。他者への不当な攻撃を笑いにしようとするのは許容量を超えると一気に不快になるので、その許容量がどれだけあるかで評価は分かれるでしょうね。

今作は妻との仲を取り戻すために子供を作ろうとする、というしっかりした骨子があるので、枝葉部分の不快要素はまだ抑えめだったかな。養子を得ようとして法的に認められないことから、引いては人間の定義を裁判で争うという結構ディープなところに話を持っていくので、逆にそれをバカな笑いで薄めている、とも見れます。実際今作のテッドの位置付けは平等な権利を得ようとするマイノリティであり、前作の「喋るぬいぐるみ」という玩具性への焦点とはかなり異なります(前作に続きあいつも出てはくるけど)。テッドが微妙に薄汚れてるのも社会的弱者の暗喩のようだし、「所有物」という言葉に相当なショックを受けるテッドが観てる方にも意外とショックなんですよ。だから真っ向から異を唱えようという姿にノッていけるし、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でワイブスたちが言う「私たちは物じゃない」に重なる正当性が感じられます。

でもそういうホメ方をされるのは作り手はあまり望んでいないのかもなあ。御託並べるより「バカで、ゲスで、でも楽しかったよ!」と素直に言う方が正しいのかもしれません。

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