2015
08.30

首吊り人がやってくる!『死霊高校』感想。

The_Gallows
The Gallows / 2015年 アメリカ / 監督:クリス・ロフィング、トラビス・クラフ

あらすじ
(惨劇の)幕が上がる。



1993年にとある高校で上演された演劇「絞首台」で主役のチャーリーに起こった惨事。20年後、同じ場所で同演目を演じることになった高校生男女4人は、本番前夜に忍び込んだ校舎で恐ろしい目に……。POV(主観映像)形式で展開するサスペンス・ホラー。

POVホラーとしてはさほど目新しい演出があるわけではないです。ただ、夜の学校という日本でも伝統的な恐怖空間に閉じ込められるという閉鎖環境と、カメラに人物たちが大写しになることで制限されるPOVならではの視界の狭さによる緊張感があります。作りとしては無難ではあるけど、それはイコール丁寧ってことでもありますね。ファウンド・フッテージとしての体裁も一貫されてるし、意外に伏線も効いてたりして『パラノーマル・アクティビティ』や『インシディアス』と同じ制作陣なだけはあります。

調子こいて騒ぐ馬鹿な高校生が酷い目にあう、というのが定番ながらやっぱ良いわけですよ。登場人物の一人ライアンが潔いほどのクズ野郎なので、彼が調子こけばこくほど後の惨劇を予感してカタルシスが増すというもの。なんでそっちに行くんだ!アホか!などと苦笑気味の展開もあるものの、終盤に突然訪れる不可解さで一気に背筋が寒くなります。あとエンドクレジットで役者の名前が役名と同じというのに気付いて、そのメタ部分が急にリアリティを持って迫ってくるのが地味に怖い。まあ実際はそういう意図はなかったようですが。

終始手ブレ映像なので酔いに弱い人は注意が必要です。同じPOVホラーなら『REC』なんかの方がよっぽど怖いですが、ワーキャー言いながら楽しむにはうってつけです。

↓以下、ネタバレ含む。








序盤の若干の退屈さは説明と伏線パートなのでまあしょうがないかな、とは思います。特に撮影しているライアンのイラつかせ具合は相当なもので、自分をコケにした道具係へのガキのような仕返しなどには「ハイこいつ死ぬ!確定!」と自分に言い聞かせながら観てましたけどね。なんで撮影してるのかがよく分からないし、劇を観に来た人たちにインタビュー形式で過去の事を聞くのもふざけて撮ったにしろちょっとわざとらしいなどはありますが、夜間潜入後は一応明かりがないからライトで照らすため、という理由付けにはなってます(録画する必要はないけど)。スマホの暗視アプリで映すというのも今時な感じでいいんじゃないでしょうか。

クズ野郎のライアンもバカ女のキャシディも死亡確定なのはいいんですけど、ファイファーはよく考えると何をしに夜の学校に来たのかはハッキリしてないんですよ。出会ったときにリースが告白しようとしたり矢継ぎ早に怪奇現象が起こったりしてうやむやになってしまい、いつの間にか「別に悪い子じゃないし生き残ってほしい」と思わされてしまうのが上手い。だから終盤の「あれ?なんで役名で呼び続けるの?」っていうところから始まり、ステージを撮影する客席側の視点に至ってゾワゾワ来ます。何者かと一緒にカーテンコールをキメるファイファーには戦慄。拍手して立ち上がったのがファイファーの母親なのでしょう、この母親とチャーリーの関係の使い方は良いですね。ラストの母娘の視線がむっちゃ怖いです。

ただ、死んだチャーリーが首吊り人となって復讐するのはリースではなくその父親であるべきなんですが、なぜ息子を狙うのかが曖昧ではあります。リースは善人のように思えますが、ファイファーを慰めるためという理由付けにあっさりなびいてライアンの悪だくみに乗っちゃうあたり、主体性のないダメ男ではあるんですけどね。まあ序盤で教師がライアンに「芝居を真剣にやる者たちに敬意を払え」と言うので、復讐というよりは芝居をナメてる奴が皆殺しにされた、と見た方がよいかもです。

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