2015
08.08

楽しさキング級(色んな意味で)!『ミニオンズ』感想。

minions
Minions / 2015年 アメリカ / 監督:ピエール・コフィン、カイル・バルダ

あらすじ
バナーナー!



強いボスに仕えるという習性を持つ謎の黄色い生物ミニオン。仕えるボスを探すため、ケビン、スチュアート、ボブの三人のミニオンはオークランド、ロンドンなど世界を巡る旅に出る!『怪盗グルーの月泥棒』『怪盗グルーのミニオン危機一髪』の人気キャラ、ミニオンたちを主役にしたCGアニメ。

超楽しい!今まで脇役だったミニオンを堂々と主演に据え、恐ろしいほどのテンポの良さで一気に駆け抜けます。そして細かい笑いがいちいち面白い。舞台となる英国を徹底的にネタにし、60年代の音楽もふんだんに使い、様々なガジェットや体を張ったギャグも健在。終盤のまさかのスペクタクル展開なんて最高。最初(ユニバーサル・ロゴ)から最後(エンドロール後)までずーっと楽しいです。

「ミニオンの謎が明らかに!?」などと言われてましたが、コミカルに大騒ぎしてくれる姿が楽しいのだから別にミニオンの素性は謎のままでもいいんですよ。そういう点では「この生き物は何者?」みたいなのは一切なくて、ちょっと変わった人たち、くらいの扱いなのがイイです。せいぜい黄色いクリーチャーって言われるくらいで、普通に周りに受け入れられてますからね。メインの三人の個性も描き分けられてるのでようやく名前を覚えましたよ。スカーレット役にサンドラ・ブロック、強盗ファミリー父にマイケル・キートンなど意外と豪華なキャストも合ってます。

プリクエルなのでシリーズ観てなくても楽しめると思いますが、観てた方が最後に泣き笑いできます。字幕2Dで観たけど、エンドロール後にわざわざ3Dに特化したようなグランドフィナーレまであるのでこれは3Dでもいいかも。結構笑い声も上がってたので映画館で観た方がより楽しいですよ。見事なスラップスティック・ストーリーであり、細部まで目が行き届いた楽しさ爆発の逸品です。

↓以下、ネタバレ含む。








ミニオン以外のキャラも抜群に立っています。名前からしてカッコいいスカーレット・オーバーキルは、女性を敵役にしたことでイギリス女王の座を狙うという行動にも無理がなく、実は寂しい過去があるというのはグルーにも通じるものがあります。ちょっとゲスなのはまあヴィランだからしょうがないかなあ。登場時の「ビラコン」が「コミコン」のお祭り感をパロってて楽しいし、強盗家族のノリノリっぷりも勢いがあって良いです。キャラでいえばイギリス女王のラフ&タフさには爆笑。イギリスはとことんネタにされてましたね。パトカーで追跡する警官もニュースを読むアナウンサーも紅茶飲んでるとか、アーサー王の剣を抜いたら王になれるとか、アビーロードにはちゃんとあの人たちも出てくるし。あと催眠術で服を破り捨て踊り出すファンキー警備員たちもバカで最高。

ミニオンが何者かというのは序盤で「太古からいるそういう生き物だ」で済ませてます。え、それで終わり!?バナナの妖精とかじゃないのか!と潔くて笑います。ひとつ明らかになるのがミニオンは最凶最悪のボスに仕えるのが幸せということで、これがグルーの元で働いてたことの説明になってるし、今作の話の推進にもなっているというのがさりげなく上手いです。ミニオンは色んな言語が混ざりあったようなミニオン語で喋り、ほとんどはよく分からない言葉ですが、たまに明確な言葉が混じることで親しみを感じますね。「サンキュー」とか言うし。「ヤキトリ」とか「オシリー」など日本語も混ざってました。聞き間違いかもしれないけど「エーケービー」とも言ってたような……?あとなぜパンツ脱いで尻は見せてもゴーグルは取らないんでしょうか。相変わらず謎は多いです。

ミニオンの特徴としては黄色い二頭身という可愛らしさと、楽しければいいという奔放さ、体が変形するような目に遭ってもわりと平気な気楽さ、不幸も笑い飛ばすシニカルさ、といったところでしょうか。要するに「適当」なところが魅力と言えるでしょう。あとやたら人数が多いというのも特徴。多すぎるからわりと没個性なんだけど見た目は体型が違ったり複眼か単眼か差があったり毛があったりなかったりして、それぞれ違うなという印象は抱くんですよね。「集団」が芸になってる、みたいなのがあります。そんな「適当」さを振り払って種族のために立ち上がり、「集団」から抜け出て僅か3人で旅立つ、というのがミニオンにとっては既にドラマチックなんですよ。加えてミニオンにしては真面目なケビンのリーダーっぷり、エディ・ヴァン・ヘイレン並みのギターソロを見せるスチュアートの芸術家肌、甘えん坊で泣き虫なボブの無邪気さ、と主演3人の個性がこれでもかと前に出てくるので、親しみやすさも倍増。ケビンがボブのほっぺを拭き取る仕草とか可愛い!この3人はグルーに引き取られた三姉妹と構成がそっくりなので、シリーズを引き継ぐ役割も担っててこれまた上手いです。

ふざけたネタで進めながらも盛り上げかたはスゴく練られてて、特にクライマックスでギャグを交えつつも怪獣映画のド迫力を描くのは驚嘆。歩く姿を窓から映したり見上げるショットを入れたり、広場でスカーレットと対峙したときの周囲との対比など巨大感も十分。歩いてたらビルとビルの間にはさまったりとか芸が細かいです。ラストでしっかりグルーとの出会いを描くのは嬉しいですね。王様になったりキングサイズになったりしながらもついに自分達の王様を見つけて、最初の目的をしっかり達成してハッピーエンド。エンドロールで流れる曲がDonovanの「Mellow, Yellow」というのもシャレが効いてます。

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