2015
07.08

ニンジャってなんだろう?『虎影』感想。

torakage
2015年 日本 / 監督:西村喜廣

あらすじ
狙うは巻物(お約束)。



抜け忍となって妻子と穏やかに暮らす、かつて最強と呼ばれた忍者の虎影。しかし忍者の首領に家族を人質に取られ、城から巻物を奪ってくるよう命令される。虎影は再び戦いに身を投じることに。斎藤工が主演の忍者アクション。

日本が作るニンジャ映画!ということで、闇に生きる忍の者たちがニンジャ・アクション満載で過酷なミッションに挑む!……というのを期待して観ると、壮絶な肩透かしを食らいます。微妙な合成のためにそれなりにあるアクションシーンまで安っぽくなっちゃうのはまあしょうがないところもありますが、それ以前に寒すぎるギャグの応酬にはげんなり。パチンコとかウ◯コとかドン引きのネタの数々にはターゲットが大人か小学生男子かもよく分からなくなるし、途中途中で挟む忍者に関する解説や影絵を使ってシーンを省いたりなど低予算を逆手に取った演出もかえってテンポを悪くしてます。一番気になるのはやたらと顔のアップが多い画作り。背景や細かいところを見せないためにわざとやってるのかもしれないけど、そんなに顔面で押してこられても……

竹でできたパワードスーツの登場は面白いし、何か分からんけど強くなるのでアガります。ただ、その時点でもう忍者って一体なんだろう?ってよく分かんなくなってくるんですよ。ねえ、忍ばないの?忍者ってなに?主演は斎藤工ですが、彼はなぜこれに出ようと思ったんだろう?ねえ、なんで?絶賛してる人もいるし、僕も基本的にはボンクラ映画は好きな方なんですが、これは何かが合わなかったようです。

↓以下、ネタバレ含む。








カッコ良さとか熱さとかを求めてしまったというのはありますが、これはコメディとして観るべきなんでしょう。それにしても笑えないんですよ。伊賀忍者の手裏剣講座とか、鬼卍の名前を鬼まんじゅうと間違えるくだりとか、それいる?っていうのが多くて。虎影が猪に化けるくだりではずっと口でブヒブヒって言ってるのがさすがに酷いし、鳥居みゆきがキャスティングされてても特に笑いを提供するわけでもない。忍者でもない息子がくノ一の人間手裏剣と互角に渡り合うシーンはもう笑えばいいのかツッコめばいいのか分かりません。『呪怨』の監督って出てくるけどあれ誰?清水崇だった?よく分からなかったけど、そんな楽屋オチを主人公に語らせなくても……

そう、問題は主人公がカッコよくないことなんですよ。アクションはまあいいです。斎藤工はわりと好きだし、「お父さんどうしよーー!」にはちょっと笑ったけど、あれで決定的に「虎影カッコ悪い」ってなるんですよ。竹アーマーは忍者らしい素早さ半減ながらなかなか面白いんだけどなあ。ウンコネタはおそらく最後の家族愛を表すためにあるんだろうけど、「子供のウンコ拭いてきたから自分も年取ったら息子にウンコ拭いてもらうんだ、それが家族だ!」とか言ってて、今から子供に老後の面倒見させる気満々なこと言われても感動なんかしませんよ。

女首領は巻物奪取に失敗しながらももう一度やる気満々の部下をさっさと殺し、誰にやらせるかと思ったら何年も前に組織を抜けた虎影って、そんなに人材いないんでしょうか。この首領は終盤で腰に片手当てながら走ってくる姿が笑えます。そうして颯爽と駆けつけてきた忍者軍団が皆でのそのそと石壁登る姿がマヌケです。あと仲間が殺されてるのに人を呼ぶどころか「ざまあ見ろ」という見回りの男にはドン引き。見張りの男たちが地面から伸びてきた女性の生足を見て「お♪」って惑わされてるのもバカです。ちゃんと見張りしろ。壺に入れられて顔だけ出してる壺女とか首振りながら歌い出して怖いし。あと、一人どう見ても魔界のクリーチャーがいて、造形は面白いんだけど特に魔界とのコンタクトみたいな設定も見られないので完全に浮いてます。なんでいるの?そういえば倒されたっけ?と思ったら生きてるし。ただ津田寛治はノリノリで面白かったです。

終始「うわぁ……」って引くシーンが多いせいかアクションがいまいち印象に残らないのが残念。それでようやくエンディングを迎えようかというときに、我が目を疑う驚きの続編メッセージ。あれはギャグ……かな?結局「どう?遊び心あって面白いでしょ?」というドヤ顔が見えるようで、それが受け付けられなかった理由かも。

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