2015
06.09

民には米を、悪党には鉄槌を!『群盗』感想。

guntou
Kundo: Age of the Rampant / 2014年 韓国 / 監督:ユン・ジョンビン

あらすじ
これでも18歳です。



悪徳官僚が支配する朝鮮王朝末期、貧しい屠殺人のトルムチは武官のチョ・ユンに依頼された暗殺仕事のために家族を失う。義賊団チュソルに拾われたトルムチはトチと名を変え復讐を誓う。『テロ,ライブ』などのハ・ジョンウ主演の韓国アクション時代劇。

悪徳官吏に抵抗する義賊たち、という時代劇なんですが、止め絵でキャラ紹介のアバンタイトル、夕陽をバックに馬で駆ける集団、権力を持つ悪党に智力腕力で立ち向かう義賊集団と、スタイルも音楽も完全に西部劇です。つまり熱い!実際マカロニ・ウェスタン『怒りの荒野』(残念ながら未見)の曲が使われているそうで、そんな楽曲をバックに走り戦う男たちにロマンを感じずにいられません(見た目は小汚いけど)。剣や弓を駆使したアクションもふんだんに盛り込まれ、大混戦の集団バトルから息を飲む一騎討ちまでと豊富。加えて跡継ぎを巡るサスペンスや、主人公が一村人から二つ名を持つ盗賊幹部へと至るドラマ、その復讐劇の行方と見所満載です。

主人公は頭は弱いが腕は立つ、肉切り包丁二刀流のスキンヘッド屠殺人、ハ・ジョンウ!対するはクールセクシーでチートすぎるラスボス、殺戮の貴公子カン・ドンウォン!他にもいぶし銀で仲間の信頼も厚い義賊の頭領、仏門だけど暴れちゃう生臭坊主、鉄球ぶん回す怪力男、ちょっとシャイだが頭はキレる参謀、アクロバティックな聾唖の軽業師、紅一点の弓矢使いと、キャラ立ち抜群、ケレン味爆発!

勧善懲悪ではあるものの、敵役が魅力的なのでそのドラマにも頷きつつ、超絶な強さに感嘆しまくり。西部劇的な決闘シーン、救われた村人たちの姿まで余すところなく描き、ドラマチックで活劇に満ちています。いやあ面白い!

↓以下、ネタバレ含む。








いかにも悪のお代官さまなワル官吏が出てきて、それを仮面の男が待ち構えてるという冒頭から痛快な感じが予感できて良いですね。マヒャン女史の初バトルシーンなんてひっくり返したテーブルの裏から弓矢を取り出し構えて射つまでの一連の動作が美しくてシビれまくり!怪力チョンボの鉄球ブン回しも痛快。そんな大暴れシーンに行くまでを結構引っ張るので「待ってました」感も強いです。これはトルムチがトチになるまでも同様で、義賊団チュソルが大活躍する横で、主役のはずのハ・ジョンウが一村人でしかないというのが「あれ?」って感じでやきもきさせるんですよ。この引っ張りがあってこそ、雪道でのトチ覚醒が熱いです。竹林での特訓シーンがあるというのも少年漫画的でたまりません。ハ・ジョンウがあのルックで18歳役っていうのもブッ飛びます。

それにしてもカン・ドンウォン演じるチョ・ユンは強い上に美しく、知略某術にも長ける恐ろしい男で最高のヴィラン。冷たい視線で睨み付けたアップなどはゾクゾクします。父親の愛を求めるがあまり結局は父親もその手にかけてしまう、という悲劇的な背景がまた似合うこと。個性豊かな義賊団を一人で相手取っても、苦戦どころかちょうどいい、それが不自然じゃないのが見事です。現に最後の竹林での戦いでも、長刀が竹に阻まれるか赤子を庇う、どちらかが欠けていればトチは勝てなかったわけで、結局は幼かった弟もその子供も手にかけることは出来なかった、というのが泣かせます。

ダブル包丁をクルクル回しながらバッサバッサと敵をなぎ倒すトチの無頼も魅力的。トチとチョ・ユンは武蔵と小次郎のようですね。ライバルや決闘を始め、馬車を襲うとか女を守るとか首吊りとか至る所に西部劇っぽさがありますが、極め付けがアレですね、ガトリング銃です。前半チラッと姿は見せるものの、ここぞというときに遂に火を噴くガトリングにはもう笑ってしまいましたよ。仲間が次々と倒れていくのがせつなすぎてツラいですが、ラストにチョ・ユンを倒した賤民たちが新たなチュソルとなって伝説を紡いでいく、この「世代交代して受け継がれていく意志」で幕を下ろすのも胸熱です。

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