2015
05.13

盗んだ視線で金を盗れ。『フォーカス』感想。

Focus
Focus / 2015年 アメリカ / 監督:グレン・フィカーラ、ジョン・レクア

あらすじ
【朗報】貧乳とセクシーは両立する。



詐欺師集団を束ねるニッキーと彼のチームに入った女詐欺師のジェス。やがて彼らは大きなヤマを踏もうと試みるが……という、ウィル・スミス主演、騙し騙され軽快詐欺話&シャレオツ恋愛ストーリー。

主役二人の出会いがバーというところからもどこかシャレた雰囲気、詐欺集団の計画的犯行と鮮やかな手口による痛快感、スーパーボールやモーターレースといった大舞台だからこその高揚感、といった要素がバランスよくまとまり、そこに大人の恋愛事情と軽快な騙しのストーリーを乗せてきます。伏線の張り方も上手いし、ライトなケイパーものとして観易いです。ライトすぎて前半ちょっと眠くなりましたが、そこは好みでしょう。

主演のウィル・スミスはひたすらクールでカッコよい役。そろそろなりふり構わずわめき散らす役も観たいところですが。マーゴット・ロビーは貧乳と言われて気の毒ですが、十分セクシーですよ。アジア人富豪役のB・D・ウォンはどこかで見たなと思ったら『ジュラシック・パーク』で卵の説明する人でした。

話的にはデカいサプライズに気持ちよいくらい驚かされたので概ね満足です。

↓以下、ネタバレ含む。








タイトルでもある「フォーカス(視線)」を最も体現しているのが、ウィル・スミスがマーゴット・ロビーに見せるスリ実演ですね。気をそらして身に付けているものをサクサク盗っていく、その鮮やかすぎる手際はもちろん、それが延々と続くのが怖い。あれだけやられたらパニックになるかキレるかしそうですが、それでも見せ続けることでニッキーとジェスの腕の差、ニッキーのテクの凄さを刻み込みます。ここだけでニッキーのキャラに説得力を持たせてしまうという、シャレた感じとは裏腹な力技は印象深い。だから集団スリで人混みからあれよあれよという間に獲物を奪っていくのも、このリーダーなら、と納得させてくれます。

前後半それぞれでのデカいサプライズは良かったですね。スーパーボールの賭けのシーンでは、どんどん話に乗っていくニッキーに「こいつ実はどうしようもないギャンブル狂なの?」と若干引かせておきながらのアレですよ。ジェスが真相を知らないからこその臨場感、それでいて最後の賭けに勝つためのマーベラスな作戦が上手い。思い返せば仲間がニッキーに金を預けるとき「ギャンブルに使うな」と言うのも、ジェスと観客へのミスリードですね。55を印象付けるためのサブリミナルがどこまで有効かは何とも言えないし、結局はファーハドのデカい体が真正面向いてるのが効いてるわけですが、これら全てが視線を奪って印象付けるという点でフォーカスを操っています。あ、「フォーカスを操る」とか言うと「フォースを操る」みたいでジェダイかって感じですね。イヤ何でもないです。

そして後半、二人の再会も絡ませながらの大勝負にもビックリです。マーゴット・ロビーは最初「全然セクシーじゃない」と言われますが、確かに後半の方が色っぽく感じるような気がします。そしてパニックボタンの話がしっかり伏線になっていて、しかも最後の最後、まさかという点で繰り出してくるのが効果的。人種が違うから親子の関係にも全く気付かない。ただ、こちらはあまり視線が関係しない気もするし、子供の頃拾ったからとは言えあの二人が親子関係というのはちょっと後出しな気がしなくもないです。まあ事前に親の話もしているのでアンフェアというほどではないですけどね。ニッキーが酒場で「黒人様に出す酒はないのか」と騒ぎ出したり、その後廊下でブッ潰れてるのが笑えます。ああウィル・スミスちゃんと喚き散らしてましたね。

話を綿密に組み上げてきてるので「どうせそれも騙しでしょ?」というような先読みがしにくいのがイイです。結構綱渡りというかギリギリ筋が通ってるところはあるものの、ちゃんと驚けるし良いんじゃないでしょうか。予告で見せなければ、ワンカットの横写しショットが面白い衝突シーンも結構なサプライズになったろうな、というのが残念です。

スポンサーサイト
トラックバックURL
http://cinemaisland.blog77.fc2.com/tb.php/922-e7028c61
トラックバック
back-to-top