2015
03.25

魔法の時間は終わらない。『ナイトミュージアム エジプト王の秘密』感想。

Night_at_the_Museum3
Night at the Museum: Secret of the Tomb / 2014年 アメリカ / 監督:ショーン・レビ

あらすじ
動く!(3回目)



博物館の展示物が真夜中になると動き出す!ベン・スティラー主演のコメディ・アドベンチャー『ナイトミュージアム』シリーズの第3弾にしてシリーズ最終章。おなじみの面々がアメリカを飛び出し、今度はイギリスの大英博物館で大騒ぎ。

良いです、面白いです。繰返しギャグの重ね方、序盤のネタの再利用、細かいコントの釣瓶打ちと磐石のコメディ。シリーズ好きなら相変わらずの雰囲気にホッとするし、ブラックさ皆無なのでお子様にも安心。登場人物の説明は特になく、既に知ってる体で話が進むのでシリーズ観てないと分からないところはあるけど、話もわりとシンプルだからまあ大丈夫じゃないですかね。メインで活躍する動く物も絞ってあるので、前作感じた煩雑さも軽減。

周りが全てボケのなか一人冷静なツッコミに奮闘するベン・スティラー。今作では意外な形で久し振りのコメディ演技も披露。かと思えばバトルしたり、物凄いスピードでダッシュする姿がカッコよかったりもします。もちろんお馴染みの面々も活躍、一応ちゃんと理由を付けてロンドンまで一緒に遠征するので、そういうところがノイズにならないのは良いです。新たに登場するイギリスの有名な英雄もうまく活かしてます。女性警備員の吹替は体型的にもキャラ的にも確かに渡辺直美にしたくなりますね。

大英博物館に行ってみたい思いが膨らむので観光映画としても見れますかね。シリーズ完結編としても良い終わり方。あと驚きのスペシャルゲストがカメオどころじゃないサービスぶりで最高!

↓以下、ネタバレ含む。








恐らく意図的に、複雑性というものは排除されてます。ラリーの親子関係のところとか終盤のランスロットの嘆きとかはもっと膨らませることも出来たでしょうが、案外サラッとしてるんですよね。でもそれで物足りなさを感じるということはなく、ちゃんとメインである「動き出す博物館」に焦点を当て続け、そこを軸に伏線や重ねる笑いを入れてくる。「月光に当てればいい」という脱力な解決策も「そんな簡単でいいんかい!」と思わせながらもそこから追いかけっこというトラブルに持っていく。観やすさと分かりやすさを突き詰めた、結構良く出来た脚本だと思います。

夜になったら動き出す展示品の数々は大英博物館でも楽しいです。入ってすぐの銅像たちの動くシーン、体の一部が欠損したままじりじりと動くのはかなり不気味。骨トリケラトプスは終盤で骨T-REXと対になるし、ライオン像は冒頭の猫がライトに戯れる動画が良い伏線になってます。伏線と言えばベン・スティラーが懐中電灯使ってソウリュウ相手に大立回りするところでもラーが遊んでたAEDが伏線になっており、この辺りは丁寧ですね。ラーに関してはパッと見ベン・スティラーだと分からないのでもう少し似せても良かったかなとは思いますが。エッシャーの騙し絵はあれを3次元に映像化してその中で動く人が独自のタッチに置き換わるのはイイなあ。その他の細々した動くものも、入口の壁画がグニグニ動いてたり広間で仏像が踊ってたり王の後ろのアヌビス神がジリジリ動いてたりと面白い。小ネタ的なレベルで抑えてるのがイイです。ミニチュアコンビが排気孔にひっついてる時に、彼らにとっては轟音でも引いて見るとそよ風程度、というギャップもしつこく見せられて最終的に笑ってしまいましたよ。

意外とアクションシーンが頑張ってますね。ランスロット卿が鎧着たまま高笑いしながら骨ケラトプスと戦うのはカッコいいし、ソウリュウと火山噴火のスリルを交互に映すのも相乗的に盛り上がります。火山シーンがズバリ『ポンペイ』だったり、エジプトの墓所を見つけるのが『レイダース 失われたアーク』みたいだったり、エジプトのファラオがベン・キングズレーなのは『エクソダス:神と王』を思い出したりと映画ネタ的にもおいしい。ヒュージ・アックマンさんはまさかの爪男まで披露してるし。まさに顔も性格もイイ男!ランスロットがちゃんとアーサー王と出会うというシーンにこんなのをブッ込んでくるのはスゴいですね。ちなみに王女をやってるのは『スター・トレック イントゥ・ダークネス』のアリス・イヴでした。

ラストで再びアメリカ自然史博物館の面々が動き出すのは感慨深いです。あの女警備員がラリーから石板を「受け継いだ」形なのがイイんですよね。しかも3年もの時間が経過しているわけです。3年あれば人は変わりうるけども、それでもあの面々は変わらずバカ騒ぎをする。その「いつまでも変わらずここにいるよ」というスタンスが泣けます。外から騒がしい博物館を見るラリーのちょっと呆れたような、それでいてちょっと寂しそうな表情がとてもイイ。

そしてロビン・ウィリアムズの最後の台詞、その眩しいほどの言葉と現実の喪失感に泣きました。でも博物館で勇姿を見せ続けるテディ像のように、映画の中に彼は生き続けます。


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