2015
03.16

ヤバい金には裏がある。『パーフェクト・プラン』感想。

good_people
Good People / 2014年 アメリカ / 監督:ヘンリク・ルーベン・ゲンツ

あらすじ
スシ・ナイト!



麻薬密売に関わる大金に手を出してしまった平凡な夫婦が、闇社会の陰謀に巻き込まれていくクライム・サスペンス。主人公の夫婦をジェームズ・フランコとケイト・ハドソンが演じます。

偶然見つけた大金を着服しようとしてヤバい奴等に狙われる貧乏夫婦の話。どこにも届けられない金があったらどうする?という実に魅力的な誘惑に、果たして人は耐えられるのか。届けられてないということは当然出元は危険だと予想できるのに、分かっていても何とかなると都合よく考えてしまうんですね。危険に晒されながらそれでも悪党に抗おうと奮闘する、小市民ジェームズ・フランコの『バトルフロント』とはまた違った小物感が良いです。観てると「分相応」という言葉が思い浮かびますね。

導入部は冒頭の運転席からの固定カメラや、シャワーカーテンによる夫婦間の微妙な隔たり(後に一緒にシャワーを浴びる)など良いショットもあり、金に困っている理由など人物設定も結構上手く出来てるんですよ。ただ、途中から「なんで?」という展開や行動原理が不可解なところが増えていき、盛り上がりかけると停滞することも多くなります。合間をカットしすぎてるのか、物理的な位置関係が把握しにくいのも難。

『最強のふたり』のオマール・シーが悪党役で出てて、笑顔がイイ人そうで実は国をまたいで活動するマフィアだというギャップが良いですね。結構デカいから威圧感あるし。あともう一人の悪党のジャック、何かで見たと思ったら『96時間 レクイエム』のブリーフ男じゃないですか!今作はパンツ見せはないけど、代わりにフランコのシャワーシーンがあります。代わりか?

↓以下、ネタバレ含む。








トムとアナは基本的には善良な夫婦なのに、心機一転の仕事がうまくいかず相続した家のリフォームも資金不足で頓挫してたり、不妊で悩みながらも治療費が高くて医者に行けなかったりと、金に手を出す下地があるんですよね。舞台であるロンドンの街がどんより薄曇りなのも圧迫感をもたらすかのよう。すぐに使うのはヤバいと分かっていながら支払いに追われて手を付けてしまうのも分かるし、その話を聞いた妻が思わず不妊治療のクリニックに行ってしまうのも分かる。浅はかすぎないかとは思いますが。

でも引っかかる点が多いんです。そもそも刑事が夫妻を疑う契機がないんですけど、あれは敵ボスを2年も追ってる中で気付いたってことなのか?なぜ公園で刑事は撃たれたのか?ここは敵ボスにとっても予想外の展開のように見えるんですが、その後も特に説明はなし。トムがハンに話を持ち掛けての「毒を以て毒を制す」の展開にはちょっとワクワクしかけるんですが、結局ハンは騙されたとか言ってなぜか怒っちゃう。と言うかあの二組のワルは手下が少なすぎないか?刑事が事件後に英雄扱いされるのは上司が敵との癒着を隠すため担ぎ上げたのかもしれませんが、「金に手を出すのは犯罪だ」とか言ってた刑事が解決後にトムたちに金を渡すのはなぜ?

終盤の修理中の家での攻防は盛り上がるところなのに、部屋の作りが分からないまま進むので人物の位置関係が把握しにくいです。足を怪我した敵部下が悠々と足の手当てをしてる場所と、妻と妹が逃げ出そうとしている窓の位置の関係がさっぱり分からないし、地階に潜むトムと敵との相関位置も分かりにくいし、最後に刑事がどこから撃ったのかも分からない。あの一連のシーンは上手くやれば最高のクライマックスになりそうなのに、敵を誘い込むわりには仕掛けた罠もショボいし、トムは無謀にもハンに肉弾戦を挑んで当然敵わないし、盛り上がりそうで盛り上がらないんですよ。公園のシーンも位置関係は非常に分かりにくかったし、全体的に繋ぎの演出が雑です。

まあ最大の謎は「スシ・ナイト」ですけどね。色々と惜しくて何か不満点ばかりになってしまいましたが、原題でもある「善良な人々」が変遷するテーマとかキャラ性とかは嫌いではないです。根性あるんだかないんだかよく分からないフランコとか、ビリヤードで脅すシーンとか面白い。早く子供できるといいね、と思ったらオメデタってのは、まあ良しとしましょう。まああれだな、全部貧乏が悪いんだな……。

スポンサーサイト
トラックバックURL
http://cinemaisland.blog77.fc2.com/tb.php/899-c5dfe514
トラックバック
back-to-top