2015
02.13

あのヒゲが本体(多分)。『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』感想。

Mortdecai
Mortdecai / 2015年 アメリカ / 監督:デヴィッド・コープ

あらすじ
チョコレート工場は関係ないよ?



盗まれた名画を探すため英国諜報機関MI5が頼ったのは怪しげなちょびヒゲのインチキ美術商、チャーリー・モルデカイだった、というジョニー・デップ主演のアドベンチャー・コメディ。

感想を簡単に言うと、良くも悪くも予告から想像する印象そのまんま。キモはチャーリー・モルデカイという主人公のキャラクターが受け入れられるかどうかですね。インチキディーラーでヒゲに一族の誇りをかけるおとぼけキャラ、これを面白いと思えなければツラいです。原作の小説でどうなのかは分かりませんが、ジョニー・デップは映画のモルデカイに求められるキャラをしっかり演じてると思うので、ジョニデは悪くない……でも製作もやってるけど……

ただポール・ベタニー演じる用心棒のジョックが実にイイですよ。酷い目にあいながらも忠誠を尽くすのが健気。また色香に迷うユアン・マクレガーが面白いし、最後のグウィネス・パルトロウも可愛かった。ジェフ・ゴールドプラムが出てたのはちょっと嬉しい驚き。あと舞台が移るときの3D地図を高速で移動するのは楽しいです。

意外に複雑な話と笑いのポイントが噛み合ってないという微妙な仕上がりですが、劇場で爆笑してる人もいたので合う人は合うんじゃないでしょうか。

↓以下、ネタバレ含む。








インチキくさい美術商が、デカイ話のわりに緊張感のない事件に巻き込まれ、タラタラ関わるうちに何だかんだでめでたしめでたし。少しはあるかと思ったサスペンス要素も皆無に近く、美術品に対する扱いが荒いのも気になります。オフビートな笑いを狙ってるのかもしれませんが、テンポが悪いのでひたすらかったるい。下ネタも空回り気味だし、はじけ方も『Mr.ビーン』ほど突き抜けてないし、それらを何とかフォローしようとする字幕の訳し方もいまいち。ちょびヒゲにこだわってるけど、あれ正確にはちょびヒゲじゃなくてカイゼルひげですね。ちょびヒゲはチャップリンや加トちゃんみたいなのを言います。

ジョニー・デップは『パイレーツ・オブ・カリビアン』『ローン・レンジャー』などコメディ要素を含む作品には出てたけど、ここまでコメディに振り切った役は初めて、かな?しかしそもそもモルデカイがそんなに面白いキャラじゃないので残念な感じに。ユアンがグウィネスの頬にチューするとき下から覗いて監視するジョニデとかは良かったですけどね。「んふー」って鼻息漏らすのとか。代わりに周囲の人々はなかなか良かったですよ。特にポール・ベタニーのジョック、撃たれても轢かれてもご主人を立てる忠実な下僕っぷりは『トランセンデンス』の時より悲壮で笑えます。まさかのゲロアタックも笑撃。ただ絶倫っていう設定はそれに絡んだシーンが面白くないので正直余計。あと敵マフィアが片ヒゲすっぱりイっちゃうところは笑いました。

絵画の隠し場所とそこに隠した理由がちょっと良かったので、もう少しそういう冒険ミステリー的な要素が際立つような作りにしていれば盛り上がった気もします。ゴージャスな雰囲気とか世界を飛び回るスケールなんかはあるし、下ネタやゲロネタを出しながらも下品さをあまり感じない空気感もあるので、もっと脚本を練り込んでネタの取捨選択を間違わなければ往年のクラシカルなアドベンチャー・コメディにもなり得た、かもしれません。あくまで「かも」ですが。

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