2015
01.31

明日を掴むポジティブ。『ANNIE アニー』感想。

annie
Annie / 2014年 アメリカ / 監督:ウィル・グラック

あらすじ
とぅもーろ、とぅもーろ、あいらーびゃーとぅもーろー♪



有名ミュージカル『アニー』がウィル・スミス等の製作で映画化。その歴史は古く、ブロードウェイ初演が1977年。日本でも1978年から上演され、今に至るまで毎年のように上演されてます。テレビのCMでもよく見かけますね。映画化も過去2回されてるようですがそちらは未見。今回の映画版は舞台を現代に移して設定も大幅に変わっているようです。

まずはポップでキャッチーな楽曲の良さ。代表曲「TOMORROW」も予告で飽きるほど聞かされたとはいえやはりイイ曲なんですよ。ストーリーは孤独な大富豪と親のない少女との交流であり予想を越えるものではないけど、日本でさえ何年も舞台が続いている話であり一種のおとぎ話なので、この王道な感じで良いと思います。安心のファミリー映画と言えるでしょう。演出も非常にテンポがよいです。ただテンポよすぎて軽くなってる感はありますね。

『ハッシュパピー』で生命力溢れる演技を見せ史上最年少のオスカーノミニーとなったクワベンジャネ・ウォレスはアニーとしての魅力抜群。スタックス役のジェイミー・フォックスも『ジャンゴ 繋がれざる者』とはまた違ったイイ男ぶりを発揮。アバズレ演技を通り越してもはや顔芸になってるキャメロン・ディアスもたまりません。そしてローズ・バーンがキュート。皆に歌パートがあるのも見所ですね。思わず「お前も歌うんかい!」というのもありますが。あとプレミア上映の映画が恐ろしくつまらなそうなんですがなんだアレ、サカナって。サカナ!サカナ!(うるさい)そしてカメオ出演でまさかのあの人登場には驚きと嬉しさで声が漏れました。

現代の話を目指したせいかネットやモバイルが多用されてるのはちょっとうるさく感じるし、スタックスがアニーを気にしだすところなど要所要所のエモーショナルに欠けるし、色々と投げっ放しも多いですが、ハッピーな雰囲気は十分。エンドロールで子供たちと踊るジェイミーがとても楽しそうです。

↓以下、ネタバレ含む。








モバイル時代らしいツイッターやフェイスブックの多用、スマホでの追跡、『ゴーン・ガール』にも出てきたいきなりツーショット自撮りしてくる奴なんかはちょっとイラッとさせられます。まあスタックス自身がモバイル会社の社長って設定だからしょうがないし、その設定がよく活かされていると言う方が正しいでしょうね。あんな全方位電脳スクリーンのペントハウスに犬と一緒に住んでみたいもんですが、落ち着かなそう。訪れた役所の女性のはしゃぎっぷりが尋常じゃないです。

あと、そこはもうちょっとツッコんで描くところじゃないだろうか、というシーンはあると思います。それまで仕事一徹だったスタックスがちょっとアニーの寝姿見ただけで急にアニーのことを気にしだすとか、あれだけ忙しそうだったのに社長仕事しなくていいの?とか。長い間待ち焦がれた両親に会えたはずのアニーがそれほど喜んでるように見えないとか。最後はいつの間にか警察まで動いてるし、選挙参謀のガイがあの後どうなったのかもよく分からないし、肝心のアニーの両親についても最後は触れずに終わってしまう。ちょっと隙が多いような気がします(舞台版ではアニーの両親がどうなってるかについて触れているようです)。

ただ、ミュージカルを支える歌曲の数々はジャンルにも富んでいて楽しいし、タイトルの出方、帰宅したアニーを並行に追うカメラ、屋上で歌い踊る姿、ゴージャスなラストまで、結構イイ画もあったりするので悪くないです。あまりに唐突な一発ネタであるヅラシーンと、さかりの付きまくったキャメロン・ディアスには衝撃を受けましたが。

アニーって恐ろしいほどポジティブで、それだけに本心が見えにくい気がするのです。唯一感情をあらわにするのが字が読めないというシーン、最初に学校で作文を提出せず歌わせるところは理由があったと分かるわけですが、あそこくらいでは?もちろんポジティブな姿が基本ではあるんでしょうが、それだけにアニー自体はそれほど感情移入する対象にはなってないんですよね。むしろアニーによって周りの大人たちがハッピーを見つける話であると言えるでしょう。「明日にはきっといいことがある」と自分を鼓舞しながら歌うアニー、それに対し「今日という日はまだ終わっていない」と歌うスタックスたち。いつか分からなかった「明日」が「いま」となったとき、それを懸命に掬い上げようとするスタックスやグレースやハニガンたちこそが、アニーのポジティブが実を結んだ成果に思える。そこがイイです。

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