2015
01.05

最高な点をひたすら上げて行こう。『ベイマックス』感想その2。

baymax
Big Hero 6 / 2014年 アメリカ / 監督:ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ

あらすじ
充電は大事。



『ベイマックス』の感想、続編です。メインの感想はこちら。
優しさはあなたを救えるよ。『ベイマックス』感想。

続きを書くつもりはなかったんですが、『ベイマックス』2度目の鑑賞をしたら最初観たときより断ッ然ッ良かったんですよ。実は細かい伏線が山ほどあるとか、2Dで鮮明に観たら美術がさらに素晴らしいとか、台詞も動作も一つ一つがたまらんとか、実によく出来ている。もう最初から最後まで泣きそうになりながら(実際何度か泣きながら)観てました。そして3回目を字幕で観たんですが、飽きるどころかますます面白い。だめだ、これ好きすぎるパターンだ。近年のマイベストアニメ『シュガー・ラッシュ』を越える勢いです。

3Dもいいし4DXも当然面白いんだろうけど(観れてない)ぜひ一度2Dでも観てほしいですね。鮮明で細かい描き込みの背景がホントに美麗。特に飛行シーンは街中でも空高く上がってからも最高。まあ4DX観たとしたらそれはそれで最高って言うと思いますけど(でも多分観れない 泣)。

それでは今回は観ていて気付いたところや「ここがイイ!」というところを気の向くままに書き散らかす「最高な点をひたすら上げていこう」シリーズとしてお送りします。

↓以下、ネタバレ含む。








・ゴーゴー派とハニーレモン派とキャスおばさん派で分かれてるようですが、第4の勢力となりそうなのがオープニングでロボットファイトを仕切る姐さんです。鉄火場で丁半博打のように仕切るサラシ姿が色っぽい。掛け金を入れるのが土鍋というのがちょい捻くれた日本描写でイイです。ロボットファイトのシーンは『リアル・スティール』を思い出しますね。

・サンフランソウキョウが漢字で「奏京」ってのはホントに良い当て字。奏でる京なんて音が溢れてそうで素敵。あと頭文字「SF」ってのを封筒にあしらってたりするのもSFヒーローものであるというのを想起させて良いです。ベイマックスは心優しい科学の子なんですよ。

・ミスター山との対戦で最初負けてみせて掛け金を釣り上げてから勝つ、という勝負師ぶりを見せるヒロ。そりゃ絡まれます。タダシが来なかったらどうするつもりだったんだとも思いますが、その後のメガ・ボットが山をブチのめした上で脱出して戻ってくるのを見ると、さほど心配はいらなかったようです。

・予告にあったベイマックスがパーツ吹っ飛ばすシーン、サッカーボールを追いかけるシーンはないですが、代わりに尻パーツをはめ込むときに「ウホッ」みたいな顔をするベイマックスが見れます。あと椅子をどける仕草や微妙に進行方向を変える動作に、一つ一つ対象を認識して動いてるロボットらしさが見られて面白いです。

・前回の感想で「後半ベイマックスの電池がいつ切れるかハラハラした」と書きましたが、ベイマックス登場時にヒロとタダシの間で電池問題に言及してるんですよね。「リチウムよりもっといいのがある」みたいなことをヒロが言っているので、おそらくバージョンアップ時に電池も交換してたと思われます。ハラハラしなくてよかったな!

・キャラハンが最初にヒロと話すとき「私の娘もロボットファイトをやっていた」と言うところで一瞬だけ顔を歪めているように見えます。娘を失ったことを思い出したのかもしれません。

・マイクロボットの発表時、ヒロは最初こそビビっていたものの、思考を瞬時に形にすることをビル建設で表したり、移動手段にも使えることを会場中を歩いて示したりとマイクロボットの特性を最大限に表し、手を振ったりお辞儀をしたりとユーモアまで交えていて、ヒロのプレゼン能力ハンパないな。

・マイクロボットは神経トランスミッターで操りますが、強度もあり、ある程度の重量にも耐えられるほど結合も強く、爆発や水中でも平気、って本当に世紀の大発明なんだが。脳波を解析しオーダー通りの出力で無数のマシンの組合せを決定しそれをリアルタイムで動かすって一体どういう仕組みなんだ。

・引きこもるヒロに届いた大学の仲間たちからのビデオメールをヒロは途中で止めてしまう。キャスおばさんの心配も仲間の心からの言葉も、理解は出来てもヒロの慰めにはならないのです。ただ、ゴーゴー派としては何もゴーゴーがメッセージを話す直前で止めなくても……!と……。

・キャラハンは教え子たちに躊躇なく攻撃します。いくら復讐のためとは言えそこはちょっと違和感。それとも「BIG HERO 6」はあのスーツのせいで正体がバレてない?あーでもカーチェイスのときは普通に顔出してるからやはり本気ですね。姿を隠してたときに全ての障害は排除すると腹を決めたんでしょうか。ダークサイドで周りが全く見えていないようです。

・タダシがビルに入ってすぐ爆発したので、マイクロボットでがっちりガードしていたキャラハンはタダシが来たことを本当に知らなかった可能性が高いですね。でもキャラハンが火を付けなければあんなことにはならなかった。ヒロの復讐心は収まらないのです。

・ベイマックスがベッドの上の帽子を見て「タダシ、タダシ。いつ帰ってきますか?」と言うところで泣きます。

・ベイマックスの医療装備は全身スキャン、傷スプレー、除細動器、無線ネットワークによるソーシャルのカバーまで多彩。カードホルダーは4枚分と拡張性も十分。そして思わず抱きしめたくなる癒し体型。おまけに穴が開いたら自分でセロテープで塞ぐという自己修復機能まで(それは違う)!超高性能ロボットですよ。見た目に騙されちゃいかんですよ。あ、今気付いたけど布団乾燥機としても使えそうだな。

・フレッドの家でヒロがヒーローチームを思い付くのが、ガラスケースのヒーロー人形に反射する4人の姿が重なったとき。「BIG HERO 6」の始まりを描いた熱いシーンです。

・ワサビは道具は決まった場所にキッチリ置く、隔離施設に反応する、ちゃんとした作戦がないと不安、とメンバーの中で最もヒーロー活動が合わなそうですが、勢い重視の連中が多いのでこういう慎重なのがいないとバランス取れないですね。多分設定はA型でしょう。でもレーザーで円形を描くのは苦手。

・飛行シーンは本当に爽快。よく引き合いに出される『ヒックとドラゴン』と異なるのは、現代の街中を飛び回るということ。橋桁の上に着地するのは『アメイジング・スパイダーマン2』を思い出します。フライトの最後に座って景色を眺める飛行船?アドバルーン?が鯉のぼりというのも微笑ましいですが、その上に座って一緒に足をクイクイするのが可愛い。ここでベイマックスが一度「もう大丈夫だよと言ってくれれば終了します」と言うくらいヒロにとっても興奮の経験だったわけです。

・ヒロがベイマックスに乗って飛んでいるときにビルに映る姿、これはタダシのバイクの後ろに乗ってるときの姿と被ります。ベイマックスのボディもタダシのバイクも赤。また、タダシがベイマックスを作り上げたときの映像で「弟もきっと喜ぶぞ」「多くの人を救うんだ」と言うタダシの言葉が復讐に囚われたヒロの目を覚まします。そしてラストの「君まで失ったら……」というヒロの悲痛な叫び。ヒロはベイマックスに友情だけではなく兄の面影も重ねているんですね。

・普段すっとぼけた顔のベイマックスが、赤スーツのメットで上にらみするととてもカッコ良い顔になるのが素敵です。

・カブキマンの立ち姿、片手を掲げたときのポーズが超カッコいい。でもあれカブキというより京劇の仮面に近い気がするなー。ちなみに吹替では「マスクの男」としか言わないですが字幕だと警官が「カブキマスク」って言うのです。この警官はベイマックスが街を飛び回ってるとき屋台のラーメンを食べてる人と同一人物のような気がします。

・飛行から着地する際、ベイマックスもヒーローらしく三点着地!しかし足が短いので膝が付かず実は二点着地です。そう言えばヒロの人形メガ・ボットも三点着地するので、これはヒロの好みと思われます。ヒロの部屋にもアメコミ的なポスターみたいなの貼ってたし、フレッドほどじゃなくても好きなのね。

・「BIG HERO 6」がカブキマンの潜む島に侵入し、入り口前で物音に驚いての一斉攻撃に対し、全く無傷の鳩。あれが実は全部避けていたのだとしたら……!次の敵はあの鳩かもしれない!ないな!

・グータッチからの「パララララララ~」はベイマックスにより医療データベースに保存されます。ヒロは意識してないけど、それはつまりタダシのカードの方に記録されたということ。だから復活したベイマックスも、このタダシとやっていたアクションを覚えてるということなんですよね。

・キャラハンが「娘はもういない!」って叫ぶのを聞いたヒロは、自分も「兄さんはもういない!」と言っていたことを思い出したことでしょう。その思いはベイマックスに包み込まれてヒロはダークサイドから戻りました。キャラハンに最も必要なのはベイマックスだったのかも。そうすればクレイと共にポートを再建する道もあったことでしょう。

・仲間がピンチのときヒロが「見方を変えるんだ」と言うのは、マイクロボットのアイデアを思い付く際にタダシに言われた言葉。このような色んな「被せ」が繋がって趣深いです。

・ゴーゴーは噛んでるガムを一旦どこかにくっつけて行動するとスゴい力を発揮します。カーチェイスしかり、ラストのマイクロボットからの脱出しかり。つまりガムはゴーゴーにとってはサイクロプスのバイザーみたいな、あるいは大リーグ養成ギプスみたいなものなのですよ!ガム噛んでないと力が暴走する、とんだX-MENだったのです!というゴーゴー最強説をブチ上げたい。ところであのくっ付けたガムはまた食うんだろうか。

・ヒロはさー、ホントにさー、ハニーレモンにゴーゴーにキャスおばさんとみんなにハグされておっぱい当たってさー、ホントにさー。

・というかキャスおばさんはヒロとタダシの叔母だからおばさんと呼んでるだけであって全然おばさんじゃないですから!完璧ストライクゾーンですから!

・ベイマックスがいなくなった後、唯一残されたベイマックスの手のパーツがタダシのカードを握っている、それを発見するきっかけがその手にヒロがグータッチしたとき、というのがたまらんです。泣きます。

・他、僕の主な泣きポイントは、最初に超カッコいい立ち姿からロケットパンチ飛ばすところ、海面スレスレ飛ぶところのカメラワーク、暴走したベイマックスが暴れだすところ、タダシの映像を見るヒロの涙、そして最後のロケットパンチと言ったところです。でも油断するとどうってことないシーンでも泣きそうになるのでヤバかったです。

・Fall Out Boyの「immortals」は皆が装備の訓練するときとエンディングでもかかるのでやはり印象深い。つーか超カッコいい。最近Fall Out Boyはチェックしてなかったので聴かねば。エンドロールのAIの曲も悪くないと思いますよ。ただ主人公がロボットだったり声優でPepperが出てたりするので、歌ってる人も一瞬「エーアイ?あ、アイか」とか思いました。

・エンディングで流れる新聞記事に「タダシ・ハマダ・ビルディング建設」のニュースが出てきて感慨深いです。他にもヒロが何やら優秀な賞を取ったりとか、ベイマックスが坂を落ちる路電を止めたりとか、新聞をにぎわせているようです。

・ここで字幕版と吹替版の違いですが、字幕版は台詞を拾いきれてないし、とにかく吹替の訳し方がとてもイイので断然吹替派です。「Oh, No」を「あーっと」にするとか「I am satisfied with my care」を「もう大丈夫だよ」にするのも上手い。「パララララララ~」はどう違うのかは観てのお楽しみですね。英語のベイマックスの声はちょっとC-3POを連想するというのもありますが、見比べると川島得愛の吹替が絶品だというのが分かります。

・しかし字幕版のタイトル表示が期待していた『BIG HERO 6』じゃなくまさかの英語で『BAYMAX』とは……。この辺りは最後のセリフが変わっていたりだとか、観た人の間でもかなり議論が紛糾しているようです。

・で、結局スタン・リーの隠し部屋は一体何だったのか。マスクとスーツらしきものもあったけど結局はパンツ部屋なんだろうか?金持ちの考えることはよく分かりません。

 ※

ということで色々書きなぐってきましたが、やたら長くなってしまったのでこの辺で。日本アニメの研究やマーケティングで作られた作品だと言われてたりもして、別にそれを否定するつもりはないですが、単に面白いものを組み合わせただけではここまでエモーショナルな作品にはならないと思うんですよね。それはエンターテインメントの重要な要素が何かと言うことを作り手が分かっているということであり、研鑽がなければその境地には辿り着けないとも思うのです。まあ理屈はいいんですよ。要は好きか嫌いかであり、僕は『ベイマックス』大好きである、と言いたいだけなのです。


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(2014/12/19)
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