2014
09.23

最高な点をひたすら上げていこう。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』感想。(その1)

Guardians_of_the_galaxy_01
Guardians of the Galaxy / 2014年 アメリカ / 監督:ジェームズ・ガン

あらすじ
銀河のガーディアンズ。



宇宙のアウトローたちが銀河滅亡の危機に立ち向かうアクション・アドベンチャー。トレジャーハンターのクイルが惑星モラグで見つけた「オーブ」は銀河を破壊するほどの力を持つパワーストーンで、それを狙う”告発者”ロナンに狙われるもたまたま行動を共にすることになったはぐれ者たちと対抗することになります。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の一環としての映画化ですが、今までのMCU関連作を観ていなくても問題なしです。なぜなら主人公たちは全員初登場だから。

そんな知らない奴らばかり出てると言うのに、なんだこれは!非の打ち所がない!パーフェクト!笑いも泣きもスリルも冒険も全部入ってて終始ゴキゲン!愛すべきキャラクターたちに心を奪われ共に冒険している気にさえなります。観終わった後ずっとニコニコしていられるし、時折急に泣きそうになってまたすぐニコニコしちゃう、という素晴らしい多幸感。とっ散らかったようでいてキッチリ収束するし、個々のキャラの魅力を最大限出しながらもチームとしての最強感も出す。おいおい、MCUが何作もかけて辿り着いた『アベンジャーズ』にたった一作で追い付いちまったぞ!

また随所に差し挟まれる70年代アメリカン・ポップスの名曲が実にうまい具合に物語を彩るのも印象深い。観る前日に勢いでサントラ買っちゃったんですが、これほど事前に買っといて良かったと思ったサントラはないですよ。帰り道で絶対聴きたくなるからです。そして曲の使いどころと共に、このアルバム自体が持つ意味、というのがね、もうね。70年代の曲ばかりというのも納得です。

公開発表から何か月も心待ちにしていたのでちょっとハードル上げ過ぎなところもあったんですが、それを軽々飛び越える満足感。『スターウォーズ』に近い感じはありますが、むしろ『インディ・ジョーンズ』『グーニーズ』のような娯楽アドベンチャーや、付かず離れずの仲間関係という点でアニメ版の『ルパン三世』、コミカルなアウトローが宇宙で活躍するという点で『コブラ』などに近い気がします。スペースオペラというより冒険活劇という感じでそれがもうど真ん中に来ましたよ。何にせよ映画の「楽しさ」ってヤツをこれだけ味わえて幸せです。ありがとうジェームズ・ガン!ありがとうケビン・ベーコン!

この思いをうまくまとめることは早々に放棄して、「ここが良かった最高!」という点を場面ごとにひたすら上げていこうと思いますよ。

↓以下、ネタバレ含む。








◆オープニング

・10cc「アイム・ノット・イン・ラブ」から始まるオープニング、この曲の厳かな雰囲気が母と別れようとしている少年の状況にハマリます。「手を握って」と言う母に目を背けるのは母の死を受け入れたくないという思いからですが、これがこの先クイルの心の傷として残るんですね。母親の手を握れなかったシーンは「あ、これ伏線かな」とは思いましたが、これ以上ないところでブッ込んできます。

・クイルの母親は髪がなくても美人だよねえ。あれだけの坊主美人は『少林サッカー』のヴィッキー・チャオ以来ではあるまいか。

・母を亡くすという現実的な悲しみの直後に宇宙船にさらわれるといういきなり非日常の出来事、ここでゴゴゴゴゴ……という感じでマーベルロゴですよ。ヒーローの歴史が今始まったのだ、みたいな感じで震えますよ。マーベルロゴは単に制作会社を伝えるだけでなく、もはや演出のひとつになってきましたね。

◆惑星モラグ

・最初にクイルが使う装置でその星が昔繁栄していた頃の映像が映し出されます。記録映像を現在地の視点に重ねて表示する技術でしょうが、何か「星の記憶」を見てるようです。こういうファンタステッィクな描写が随所にあって良いです。

・レッドボーン「カム・アンド・ゲット・ユア・ラブ」を聴きながらノリノリのクイル、思い切り引いた画の空間をフルに使ってタイトルがドン!これが最高!シリアスな感じで来ておきながら突然肩の力を抜いてリズムに乗り出したところで不意討ち、しかもデカデカと出るのがイイ。さらにネズミをマイク代わりに歌って踊って他のネズミを蹴っ飛ばしながら進むクイルにワクワクしてきます。崖を越える際に足裏のジェットもさりげなく見せているのがこの後の脱出時に活きてきます。クイルのマスクもレトロフューチャー感があってカッコいいです。と思ったらデザインはダースベイダーのマスクと同じ人なんだとか。

・秘境みたいなところに乗り込むとか顔をなかなか見せないとかお宝を入手とかの流れが実に『レイダース』っぽいですね。宝を横取りされそうになって襲われて飛んで逃げるのも似てます。飛行機の中の蛇の代わりに女性がいるところはクイルがプレイボーイなことも示してます。

・ロナンを演じるのは『ホビット』シリーズの眉毛王スランドゥイルことリー・ペイスですが全然分かりませんよ。しかしそれ以上にサノス役をあの人がノンクレジットでやってたというのには驚きです。確かにあのゴリラ顔は近いものがあるな……。ロナンは巨大ハンマーで相手の頭かち割るのが得意そうですが、ハンマーが得意なのはゴリラ役のあの人も一緒というね。『アベンジャーズ』エンドロール後に出て来たゴリラがここでようやく「こいつだったのか」と分かります。あ、ゴリラ言い過ぎた。

◆惑星ザンダー

・スタン・リー御大登場。分かりやすい。若いおなごを口説いてる元気な御大にロケットが「かみさんはどうした」とツッコむのが冴えてます。その横では噴水の水を飲むグルート、ロケットに咎められても飲んでないって言い張るグルート、でまた飲むグルート。カワイイ。このザンダーでのシーンは後のメンバー4人を一気に集めておきながらそれぞれが対立するという面白い場面です。ガモーラの足を開いて腰を落とすキメのポーズがわりとロング目なうえ一瞬で終わってしまうのはちょっともったいないですね。

・グルートがガモーラに両腕を斬り落とされるという大惨事ですが「木だから平気」というスゴい大雑把な理由でグルートは大丈夫です。また生えてきます。でもちょっと悲しそうです。水飲め。

◆キルン刑務所

・収監時にガモーラ、ロケット、グルート、クイルを一人ずつ説明していくことで観客へのキャラ説明にもなっているのが自然でイイ。ドラックスだけこのシーンがないのはちょっと寂しいですが、なぜか初期の予告には映ってます。わざわざ撮ったんでしょうね。



・クイルの「自動中指おっ立てマシーン」は実生活でも積極的に活用していきたいところですが、でもこれちょっと練習しないとスムーズに出来ないよ。上記の予告編ではおっ立つ中指にボカシが入るのが笑えます。

・クイルがブルー・スウェード「ウガ・チャカ(フックト・オン・ア・フィーリング)」の曲について訴える場面は一見マヌケだけど、内容がスラスラ出てくるほど聴き込んでる大事な曲のひとつだというのが分かりますね。

・グルートが絡んできた囚人の鼻の穴に指を突っ込むのは一見笑えるシーンですが、突っ込んだ後指先の枝を伸ばしたらスプラッタになる、ということを考えると手に汗握る戦慄のシーンに早変わりします。

・こっそり起きだすクイルに気付いたときのロケットの凄まじい寝癖!でも次の瞬間には元通り。恐らくあの短い間に毛づくろいしてたんだ、と思うと萌え死にます。

・クイルがドラックスを止める際にやった首を掻っ切るジェスチャーが通じないのはドラックスがバカだからかと思いましたが、後にガモーラに『フットルース』の説明をする際にも「ケツの穴の小さい」をまるで便秘に苦しむ人みたいに言われてたので、地球式の例えは宇宙では通じにくいようです。

・脱出に必要なものを説明するロケットの背後でさっそくブツを引きちぎるグルート。他の面子が激しいバトルのなか、地味に義足入手の交渉をするクイル。ロケットは後にヨンドゥの船でも義眼が必要だと言ってクックッて笑うとんだいたずらっ子です。

・銃を手にしたロケットの「OH、YEAR……!」は水を得た魚、羊の皮を被った狼!(注:アライグマです) 叫びながら全方位に銃を撃ちまくるというのは燃えます。なせかグルートも一緒に叫んでます。こいつらホント仲イイな。

・刑務所脱出、乗り込んだ監視塔が派手に打ち上がったりするのかと思いきや、無重力でふんわり、という緩急の付け方。無重力になって監視塔が浮かんだあと、無人監視機をエンジンに利用するところには「ロケット天才か!」って唸ります。

◆惑星ノーウェア

・古代巨人の頭をくりぬいて作った星ノーウェアで「頭蓋の中身は高値で取引された」という説明を聞いて、KAIJUの死骸を漁るハンニバル・チャウを思い出した人、握手しましょう。

・グルートが花を咲かせて物乞いの女の子に渡す。その花をじっと見る少女。フランケンシュタインの映画の一場面を見ているようで和みます。

・クイルがガモーラと向き合いエルヴィン・ビショップ「愛に狂って」を聴かせるシーンでなぜか泣きそうになりました。なぜだろう。ケビン・ベーコンの偉大さに感動したからだろうか。

・カジノでの大喧嘩で酔ったロケットがうっかり心情を明かしますが、遺伝子改造されたアライグマに人間の知能を移植されたロケットの本心が垣間見えます。牢獄で背中に何かの装置というか手術後のようなものが見えるのがこの心情の原因なのでしょう。

・コミック『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:プレリュード』によると、コレクターは強大なパワーを持つ6つのインフィニティ・ストーンのひとつ、エーテル(『マイティ・ソー2』より)を既に所持しており、オーブで二つ目になるはずでした。これは既に四次元キュ-ブ(『アベンジャーズ』より)を保管していたアスガルドから預かったものです。『マイティ・ソー ダーク・ワールド』のエンドロール後でも描かれてましたね。ということはあの大爆発でエーテルはどうなったのだろう?

・動きはわりとトロいと思っていたグルートが、コレクターの部屋が爆発する際にとんでもない速さでロケットを抱えて逃げ出すところに「木、はや!」ってなります。それだけロケットのことが大事なのだな。

・作業ポッドでのチェイスシーン。「頑丈だ」というクイルの言葉にすぐさま察して体当たりをかますロケットがさすがの頭の回転の良さ。一方クイルは敵宇宙船の屋根を引っぺがして操縦者を排除した後、ポッドに乗ったまんまでその宇宙船を操作する、ってのが熱い。なんですかね、グレンラガンがアークグレンラガンを操縦するというかね。

・宇宙空間に生身で出て生きていられるのはスゴいが、ガモーラは改造人間、クイルも実は……ってのがあるんだな。

・ドラックスをぶちのめして泥池にブン投げたあとのロナンの立ち姿がむっちゃカッコいいんですよ。ロナンのシルエットって何かに似てるなあと思ったらあれだ、忍者の頭領だ。

・ロナンに敗れたドラックスは、怒りや憎しみで悲しみを押さえつけていたことに気付きます。ドラックスを気遣うようにそっと肩に手を置くグルートが優しい。酒場で殴り合いの喧嘩をしていたのはもはや昔の話なのです。

 ※

やたら長くなったので今回はこの辺で。次回へ続きます。

↓続きはこちら。
最高な点をひたすら上げていこう。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』感想。(その2)



Guardians of the GalaxyGuardians of the Galaxy
(2014/08/05)
Original Soundtrack

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