2014
08.30

逃げる、隠れる、耐える、そして飛ばされる。『イントゥ・ザ・ストーム』感想。

Into_the_storm
Into the Storm / 2014年 アメリカ / 監督;スティーヴン・クォーレ

あらすじ
イントゥせよ!



これまでにない大規模な竜巻が襲い掛かる町で人々は生き残れるのか、という竜巻ディザスター・ムービー。『ツイスター』的なやつかなー映像の迫力を楽しめればいいかーと高をくくってましたが、これが意外ッ!超面白い!


スペクタクル抜群の竜巻描写は予想を超えたド迫力。何もない空間から突然姿を現してくる竜巻の様子は想像を絶する恐怖であり、あまりの風力に簡単に吸い込まれそうになる緊張感におののきます。まるで意志があるかのようにあらゆるものを蹂躙し、全てを飲み込んでは吐き捨てていく自然の脅威に、観てて力が入りまくり。

誰かしらが持つカメラの映像というPOV視点を繋げた半ドキュメンタリーな感じの臨場感と、監視カメラなどを思わせる引きの定点映像でのダイナミズムのバランスもイイ。映像だけでなく脚本も凄くイイんですよ。継続する災害と違って竜巻は迫る、蹂躙する、過ぎ去るまでのプロセスがあっという間なので、それを連続させたり多発させたりの工夫や徐々にランクアップさせていく手際が見事。また竜巻の脅威と並行した「今その瞬間のドラマ」が非常に滑らかで、決して添え物になってません。登場人物もごく普通の人、プロの竜巻ハンター、冒険バカまで揃い、無駄のないエピソードを重ねて人物を掘り下げ、家族愛や刹那の美までブチ込んでくれます。全然バカ映画じゃないですよ。バカは出るけど。

しかも父ちゃん役は『ホビット』シリーズのリチャード・アーミティッジです。しかも、とか言っておきながら何ですがエンドロールまで気付かなかったよすまんトーリン。『ウォーキング・デッド』の奥さん、サラ・ウェイン・キャリーズも出てますね。監督のスティーヴン・クォーレって『タイタニック』や『アバター』の第2班監督だったのか。あの安定感はジェームズ・キャメロン組としての成果なんですね。納得。

いやこれはもう「イントゥせよ」って言うしかないです。ダサいだなんだ言われたあのコピーはむしろ的確でしたよ。観れば分かりますが「タイタスゥゥゥッ!」って叫びたくなるシーンが少なくとも3回はあります。

↓以下、ネタバレ含む。








あんなバカでかい竜巻に出会ったら、逃げるか耐えるか諦めるかしかないんですよ。人間の力である科学も知恵も通じない、巻き込まれたら終わり。そういう点ではほとんど『GODZILLA ゴジラ』です。実体がなくて攻撃のしようもないから、むしろ怪獣よりたちが悪いです。仲間を無情にも巻き込むファイヤー竜巻や、あっちもこっちも大変な竜巻ブラザーズ、そして地上に現れた「竜の巣」かという超巨大竜巻。目に見える自然の驚異としてはトップクラスでしょう。そんな竜巻を撮影しようと敢えて近付く人が当然出てくるわけですが、彼らが使う特殊車両タイタスが秘密兵器感ビンビンでテンション上がります。頑丈な装甲、至る所に付いたカメラ、天井部からの特等席!そしてあれですよ、地面に固定するための「ウィーン…ドシュッ!」ってやつ!興奮のあまりここで一発「タイタスゥゥゥッ!」って叫びます(心の中で)。そして遂に巨大竜巻に巻き込まれ排水溝から引きずり出されそうになったところでドカン!と塞ぐところでまた「タイタスゥゥゥッ!」ですよ。そして遂に力尽き宙へと舞った先、地獄のような猛威を一瞬忘れさせる絶景。誰も見たことがない文字通りの頂点まで辿り着き、直後の運命を予感して最後の「タイタスゥゥゥッ!」です。追い続けた竜巻の中、皆を救って最後に散っていくピートに男泣き。

家族愛の描写もあざとさがなくて良いです。母親を失い父と二人の息子という男所帯なので、男同士という照れくささがあるんですよ。だから廃墟に閉じ込められて覚悟を決めた兄ちゃんが、家族へのメッセージとして素直な気持ちを泣きながら残すシーンに男泣きです。この兄ちゃんが前半に撮影する未来の自分たちへの映像が、ラストでは今を生きる自分たちの心情となっているのが対比が効いてて上手いですね。そして兄ちゃんとあの彼女は間違いなく付き合うんでしょうな。ヒューヒュー!(うるさい)一方の弟は提案は的確だわ行動は迅速だわで、頼りがいありすぎの素晴らしくデキる男なのも面白いです。そして父ちゃんは息子たちの学校の教頭という接し方が難しい立ち位置ながら、有事ではひたすら息子を守ろうとする。この三者三様のファミリーが結構良いんです。兄ちゃんの救出シーンでは緊迫感の後の感動的な展開に男泣き。

冒険野郎のことはすっかり忘れてたので、まさか最後に出てくるとは思いませんでした。YouTubeの再生数上がるぞー!とか騒いでる姿に「ああこいつら死ぬな」と思ったんですが。イントゥして帰還した男としてまた再生数を稼ぐのかと思うとちょっとイラッとしますが、しょうがないんですバカだから。そんなあほうに男泣き……しませんね。あいつら長生きしそうだな。

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