2014
06.19

綾瀬はるかとルーヴルに行きたい。『万能鑑定士Q モナ・リザの瞳』感想。

kanteishi_Q
2014年 日本 / 監督:佐藤信介

あらすじ
モナ・リザがピンチ!



なんでも鑑定するという万能鑑定士Qこと凜田莉子が日本で公開することになった名画「モナ・リザ」を巡る陰謀に立ち向かう。『千里眼』シリーズの松岡圭祐の原作を元に凜田莉子を綾瀬はるかが演じます。

まずは導入部のトリック、パリの街並み、そして本当にルーヴルでロケしているという豪華さに驚きます。絢爛たるルーヴルの一室に何枚も掛けられたモナ・リザという映像が凄まじくミステリアス。「これは!イケるんじゃないか!?」と思ったんですが……てっきりパリで話が進むかと思いきやいきなり舞台は軽井沢に飛び、そこからはグダグダ。ミステリーはトリックの意外さもあるけど重要なのは切れ味だと思うんですよ。多少の無茶はいいけどトリック自体が不自然極まりない上にこんなタラタラやってたらネタも読めるというものです。

綾瀬はるかはカワイイです。カワイイです。2回言っときました。セーラー服姿で沖縄弁で喋るとかもうね!でも凜田莉子というキャラが結局よく分からないんですよ。あと莉子と行動を共にするライター小笠原君がもう邪魔で邪魔で。別に演じる松坂桃李がダメというわけではなくあのキャラ設定が、探偵の助手役という立ち位置だとしても魅力に欠けるんですよ。後輩に仕事取られてんのに「おう」とか言って最高にイラッとします。クライマックスくらいは楽しもうとしたら、綾瀬はるかの両肩にさりげなく手を置き続ける村上弘明にイラッとしました。これ演出なんだろうか?アドリブ?意味もなく触ってんじゃねーよという感じです(言いがかり)。

原作読んでないけど、これはミステリーとしてどうなんですかね。監督は『GANTZ』の佐藤信介で『図書館戦争』なんかは色々言いながらもわりと気に入ってたんだけど、今回はダメでした。

↓以下、ネタバレ含む。ホメてません。








そもそもこれ原作では9作目らしいので、導入としてのエピソードや主人公の紹介が必要なのはしょうがない。しょうがないんだけど、「高校時代はバカだった」って少なくとも今回はいらないんじゃ?あれで却って混乱するんですよ。天才なら天才で通してほしいしその方がミステリアスだし。天才だけどどこか抜けてるとか天然だとかならまだしも、高校時代のあっけらかんとした感じからは人格まで変わってるように見えてしまいます。あと万能鑑定士とかいうから歩く百科事典みたいな感じかと思ったら、トルコ料理にトマトが取り込まれたのは40年前ということは知ってるのにスマホの翻訳ソフトのことは知らないし、どこまでの知識に詳しいのかがよく分からない。フランス語を一晩で覚えるという、それ自体はキャラ付けとしてはありなのに、それが可能だという説得力が薄いんです。え、バカだったんじゃないの?と思っちゃう。なんかバイト先の店長に記憶法を教わって以来スゴい記憶力を身に付けたらしいんだけど、そんな簡単でいいのか。その前にフランス語喋れないのに何の準備もせず単身パリに行く、しかも仕事のために、って莉子さんは出たとこ勝負すぎです。

あと小笠原君。知り合い方があの程度なのになしくずし的にパリにまで同行するって、やってることはストーカーに近いですからね。一応彼の電話でモナ・リザの場所を特定するけど、その前にどうして取っ捕まったのかが分からない。もう「使えないヤツ」という印象しか残らないんですよ。それでいて最後は莉子となんかいい雰囲気になっちゃうとか都合よすぎ。あとモナ・リザを焼くシーン、彼が火を消そうと必死こいてウンウンやってるんだけど、そこがあまりに長すぎて「あれとっくに燃えてるよね」って。緊張感が薄れるんですよ。

この緊張感が薄れるっていうのは全体的にそうで、鑑定の訓練シーンも観る者に信じ込ませるためだとしてもダラダラ長すぎる。大体鑑定の腕を試すのに世界的名画をフェイクと混ぜて本物を当てるなんてあり得ない気がするんですけど。あるの?でもいくらなんでもモナ・リザは使わないのでは。しかもその名画に対し警備が誰も近くにいない瞬間なんてのもあって、あそこはトリックのうちなんだとしても本物らしく見せないとトリックにはならないんですよ。それ以前に、いくら莉子が邪魔だからってわざわざ2週間もかけて、しかもあんな不確かなやり方で鑑定眼を狂わせるとか、なんてめんどくさい!2枚ずつ選ばせるってのもいかにも怪しいって気付きます。まあトリックに関しては原作由来なのかもしれませんが。

事件が発覚してからは面白くなるかなと思ったけど、追い詰められたわけでもないのに流泉寺美沙はペラペラ喋り出すし……などなど。この手の人気ミステリー小説シリーズの映画化に過度の期待をしてたわけでもないですが、ちょっとルーヴルが舞台という勘違いから必要以上にハードルを上げてしまったようです。まだ『謎解きはディナーのあとで』の方がキャラクターの面白さ(主に椎名桔平)で観れた気がします。ハッ、どちらもアンジャッシュ児島が出ている……!


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