2014
03.18

あいつら最高だ!という点を挙げていこう。『ホビット 竜に奪われた王国』感想その1。

Hobbit2
The Hobbit : The Desolation of Smaug / 2013年 ニュージーランド、イギリス、アメリカ / 監督:ピーター・ジャクソン

あらすじ
竜、ヤバい。



壮大な世界観をこれ以上ないほど素晴らしい映像に仕立てた『ロード・オブ・ザ・リング』3部作。時間軸としてはそれ以前の中つ国を舞台に、今作ではホビット族のビルボとドワーフ族のトーリンたちが、ついに竜の巣食う王宮へと向かいます。

原作が『指輪物語』の4分の1ほどの長さの『ホビット』を同じように3部作にすると聞いたときは、当然期待は大きいものの一抹の不安もなくはなかったものですが、その不安は前作『ホビット 思いがけない冒険』でものの見事に払拭されました。武骨なドワーフたちが様々な困難に見舞われながらも奪われた故郷を取り戻すため戦う姿には胸を熱くし、文字通り思いがけない冒険に駆り出されたビルボと共に我々は中つ国を旅したのです。もうピーター・ジャクソンに全てを委ねりゃいいのですよ!前作だけでそれは保証済みと言っていいでしょう。

つまり「面白いのは当たり前」なわけで、ハードルはガンガンに上がっていたわけですね。で、この続編はどうなのかと言うと、そんなハードルを軽々と越えてくるのです。安心して身を委ねてたら想像以上の攻めにもうガクガクですよ。前作でやたらいっぱい登場したドワーフたちは、今作でさらに個性際立つ活躍を見せてくれるし、足手まといと思われ気味だったビルボ(主人公なんだけど……)も今回は大活躍!前作で度肝を抜かれたゴブリンシティでの戦いをさらにブラッシュアップしたかのような、長距離かつバラエティ豊かな樽下りの戦い。そして遂に姿を現す最強の竜スマウグの「勝てる気がしねえ」感。

その活躍ぶりに惚れそうになる女エルフのタウリエル、その立ち位置に今後の期待を持たずにいられないバルドなど、新登場のキャラも存在感を示すし、シリーズのファンには嬉しいレゴラスの登場などサービスも満点。広大なフィールドを実感させる奥行きある映像もこれ以上ない没入感だし、何よりも再び中つ国に浸れる幸せ、これが大きい。3部作の真ん中だけに謎や展開が中途半端である煮え切らなさや「そこで終わるか!そこで!」というおあずけ感はあるものの、それがそのまま最終作への期待へとスライドするのでいいのです!

長い上に見どころありすぎなので、ここはひとつキャラクターごとに焦点を絞って書いてみようと思います。

↓以下、ネタバレ含む。








・ビルボ・バギンズ
言わずと知れた主人公。演じるマーティン・フリーマンの「ビルボ感」には前作からやられっぱなしですが、今回は華麗に斥候を務めたり、大蜘蛛や森のエルフからの脱出を見事に成し遂げたり、エレボールの階段を発見し鍵穴の謎まで解き明かしたりと大活躍。いつの間にかバルドの名前を聞き出していたり、巨竜スマウグとまともな会話を成立させたりと、高いコミュ力まで披露。挙げ句の果てに黄金の海からアーケン石を見つけるという超無理ゲーまでやらされて大変です。「諦めないで!」と叫ぶ姿や、ことあるごとに皆に「ビルボは?」と気にされてしまうあたり、トーリンに次ぐ一行の精神的支柱にまで見えてきます。それは言い過ぎにしても、しっかり旅の仲間の一員として認知されたようでそれがなんだか嬉しいですね。今回バレル・ライダーという異名を新たに名乗りますが、樽に乗るというよりはずっと引っ付いていたという気が……。結構一つの指輪の使用頻度が高いですが、まだサウロンが本調子じゃないので何とかなっているようです。ただ蜘蛛の幼生をぶち殺す姿には狂気が滲んでいたので今後危うい目に会うんでしょうか。

・トーリン・オーケンシールド
山の下の王、ドワーフ王のトーリンは相変わらず頑固一徹。スランドゥイルとの会話では駆け引きどころかブチ切れだし、バルドのこともずっと疑ってるしとちょっと柔軟性には欠けますが、それでも湖の街で自分より背の高い人間たちに囲まれながらも屹然とした態度はやはり王の風格。ビルボとは前作で漢らしい信頼関係を築きましたが、呼び名は「バギンズ殿」とちょっと他人行儀。しかしラストバトルでいつの間にか「ビルボ」に変わってるのを聞くと、ホントはみんなと同じようにファーストネームで呼びたかったんじゃないの~?という萌え要素も浮上します。アーケン石に魅入られているっぽいのがビルボと同様不安要素ではありますね。なぜ『LOTR』には出て来ないのか、というのはとりあえず考えないようにしてます。

・レゴラス
原作には出てこないそうなのでファンサービスではあるんでしょうが、そこにレゴラスを選んだというのはストーリー的にも無理がなくて良いです。あの驚異的な身体能力を期待していたら、余裕でその一枚上を行くレゴラス。最初の登場シーンがクルクルクルドーン!ですよ。超至近距離からの弓矢捌きや、ドワーフの頭を八艘飛びなど素早さのパラメータがダントツです。ちょっと青臭いというか、若干嫉妬に燃える様子が描かれたりして、どちらかと言えばニュートラルだった『LOTR』のときとは随分印象が違います。ここからどう達観した感じになるのでしょう。オークのボルグとの戦闘で鼻血を流したことに気付き「この俺が鼻血だと……!?」みたいな顔するのがいいですね。「親父にもぶたれたことないのに!」って思ったに違いないです。後の親友ギムリの名を初めて聞いたときの何とも言えない表情にはニヤリとします。若きギムリの似顔絵見て「オークの子供か?」とか言ってるのが酷いですが。

・タウリエル
美しさと強さを兼ね備えた女エルフとして初登場。華麗なる弓矢攻撃はレゴラスにも劣りません。思えばメインキャラで戦う女性のエルフは初ですね。保守的なスランドゥイルと対照的に「エルフも世界の一員である」と言って闇の森から外へと飛び出すあたり、革新的な女性として『LOTR』のエオウィンに近いものを感じます。レゴラスはタウリエルが好きなようですが(父親談)、まさかドワーフのライバルが出現するとは思ってなかったことでしょう。

・キーリ
キーリがドワーフで一人だけヒゲ薄のイケメンだった理由が、単なるイイ男枠ではなかったことが明らかに。いわくありそうな石で興味を引いてそこから会話に持ち込むという高等テクや「燃える月を見た」だの「あの人は遠い所で星を見ている」だの詩人な一面を見せたりして、タウリエルをキュンキュンさせやがりますよ。えー、言うまでもないですが「ただしイケメンに限る」です。でもまあ彼女にあんな後光が差す(爆笑)のを見てしまってはしょうがない。

・ボンブール
今作で一番の意外な活躍。熊ビヨルンに追われるときは一行で一番の俊足を見せ、川下りでは飛ばされた勢いで次々にオークを倒して決め手にバレルファイターとなって回転斬りですよ。なんだこの身軽なデブは!サモハンか!ちなみに前作の最大の見せ場は「投げた食い物を口でキャッチする」だったので大出世です。

・ボフール
僕が昔いた会社で社員旅行として温泉宿に行ったんですが、一泊後の翌日思い切り寝坊しまして、帰りのバスでみんな座って待ってるところに超急いでやって来たらバスのマイクで詫びの一言を言わされましたね。その前に慌てすぎて旅館のスリッパのままバスに乗ろうとして部屋に靴履き替えに戻ったりね、しましたね。そんな苦い記憶を思い出させてくれましたね、ボフールは。

・スマウグ
巨大!火炎!黄金大好きー!実にファンタジー世界のドラゴンっぽくてイイよねー。迫る火炎ブレスの絶望感なんてスゴいです。一瞬で消し炭ですよ。よくあの高熱で黄金が溶けないな。ちなみに金の融点は1064℃だそうなのでそれよりは低い温度ということですかね(豆知識)。火を吐くとき胸から炎の明かりが漏れるのが、放射熱線を吐くときに背びれが光るゴジラみたいでイカしてます。そういえば最後に全身を金色に染め上げたさまが首が一つのキングギドラみたいとも思いましたよ。低く深い声を当ててるのがベネディクト・カンバーバッチ。ビルボ役のマーティンとはシャーロックとジョンの間柄ですが、このたび遂に邂逅ということで感慨深いですね。ちなみにスマウグのモーション・キャプチャーも本人がやってるそうで、ノリノリです。

↓心身共に竜になりきったベネさん。

hobbit_bene


 ※

おいおいまだ全然終わらないぞ?長くなるので次回へ続きます!



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