2014
02.02

積み重ねる訓練ゲームのその先。『エンダーのゲーム』感想。

Enders_Game
Ender's Game / 2013年 アメリカ / 監督:ギャヴィン・フッド

あらすじ
ハリソン・フォードが宙に浮いてたらそりゃ笑う。



ヒューゴー賞、ネビュラ賞を同時受賞の同名SF小説を映画化。かつて地球を滅ぼしかけた異星人に対抗するため訓練に励む少年兵たち、その中のエンダーという少年を描きます。

印象としては「なんかテレビゲームの延長だよなー」でした。頭を使ってゲームに勝てばOKみたいな。そこには命がけの戦争というイメージが欠如しており、人類の存亡を賭けた戦いの準備をしているというよりは、サクサク進み過ぎるのもあって訓練をどうこなすかという点に主眼が置かれているようにさえ見えます。SFっぽいギミックや宇宙船なども出てはくるけど、スクールカーストをのし上がる学園ものに思えてしょうがない。

そんなわけで微妙だなーと思いながら観てたんだけど、あるシーンで「え、ひょっとして、まさか?」と思って、実際それがそうだったとき、背筋が震えました。不満点は色々あったけど、それが全部吹っ飛ぶほどの衝撃。いや、これは驚いた。

エンダー役のエイサ・バターフィールド君は、見た目も細っこくて大丈夫かと思ったけど、目力でそれを凌駕してて良かったですよ。問題は重要な役どころと思われるベン・キングズレーがいまいち目立たない、というか出オチ感が強すぎることと、ハリソン・フォードが今回の深みの必要な役にいまいちハマってないということですね。

原作は未読ですが、かなりはしょってる感じがしました。それだけに原作の方が面白そうな気がして、むしろ読書意欲が湧いてきます。

↓以下、ネタバレ含む。








原作が壮大なせいなんだろうけど、なぜ戦うのが子供だけなのか?とかサードってなに?とか、それっぽい設定や言葉だけが浮いていて描ききれてない部分が多すぎるんですよ。訓練シーンもあれが実戦でどう役立つのかよく分からない。仲間との関係を元にさらに熱いドラマにも出来たと思うし、そのわりには食事の席で急に皆が集まり出すのもあからさますぎる。そもそもエンダーのスゴさとその反動による悲しみはもっと深いんじゃなかろうかと想像できます。何よりメイザー・ラッカムが生きてるんなら彼が指揮をとればいいのでは?と思っちゃうんだよなー。運命の子であるということの理由も重要性も伝わってこないし、エンダーという名前は「終わらせる者」という意味があるみたいだけどなぜその名が付いているのか分からない。兄と姉の存在ももっと重要な気がする。尺が足りないというのはあるんだろうけど。

それでもクライマックスはスゴかったです。宇宙に展開する大船団が進撃する様は正直ゲームっぽいなと思ってたけど、実はその「ゲームっぽい」というのが重要だったわけです。確かにこれは文字通り「エンダーのゲーム」。油断して観てたせいか、気付いたのは敵の母星破壊に成功した後、偉い人たちがざわめいていた時でした。もう少し切れ味鋭い見せ方だったらなーとも思うけど、でも当たり前だと思っていたことが実は違ったときの衝撃はタマランですね。『シックス・センス』とか、スティーブン・ハンターの小説『極大射程』のラストに通じるものがあります。

優秀なリーダーを育てるスパルタとその課題をこなすやり方はそれなりに見応えあったし、「敵を理解できれば愛するようになる、だからこそ二度と歯向かってこないように殲滅する」という独自の理論とかも興味深い。エンダーの敵異星人との邂逅からの今後も気になるし、やはりこれは原作を読んだ方が面白いのかもなあ。


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