2014
01.09

奇跡という名の魔法。『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』感想。

yoyo_to_nene
2013年 日本 / 監督:平尾隆之

あらすじ
焼きそばにはマヨネーズ!



魔の国に住む「のろい屋」の姉妹ヨヨとネネ。ある日突然森に現れた高層ビル群を調べていたヨヨは異世界に飛ばされてしまう、というufotable製作のファンタジーアニメ。

いやあイイよ!これはスゴくイイ!ファンタジー的想像力を目一杯取り込んだ作画がまず抜群。冒頭を始め空を飛ぶシーンの気持ちよさ、爆裂する魔法の派手なカラフルさ、様々な小道具や背景や細かいモブの動きさえも描き込む丁寧さ。ストーリーは、魔法の世界で話が展開されると思ってたので現代の日本に舞台が移ったときには「えー」と思いましたが、そこで描かれるカルチャー・ギャップは笑いに満ち、異世界の人間との交流が互いの成長にも繋がっていくのが素晴らしい。

この物語の大きな特徴は「悪いヤツがいない」ということです。それでいて世界の危機を救うための戦いになっていく。思いやる心、信じる力、命の尊さみたいな普遍的なテーマを恥ずかしくないバランスでブチ込み、ジュブナイルとしての構造まで打ち立て、笑いと涙とワクワクとドキドキがてんこ盛り。ちょっと盛りすぎじゃね?ってくらいの大サービス。音楽も良いです。

主人公の姉妹をはじめ魔の国のキャラたちが見た目と実態にギャップがあるのも面白いです。ヨヨのほうがお姉さんというのにはやられました。やられたというのはあの美しきネネさんが妹キャラであるという点だけどな!ちなみにヨヨの声を演じるのは『シュガー・ラッシュ』のヴァネロペ役、諸星すみれです。この子はうまいなあ。

子供に観せるならジブリってだけで『かぐや姫の物語』『風立ちぬ』を選ぶよりこっちの方が断然いいですよ。ホント、ストレートに楽しい。ピュアなあの頃に戻りたいという薄汚れた大人(僕です)にもオススメ。あとネネさんのようなスレンダー美女好き、おヨネさんのようなセクシー熟女好き、男前な救急隊員やドジ兄貴が好きな女子、魔法少女や可愛い幼女が好きな大きいお友達、とあらゆる層も網羅してますよ。そう考えるとすげえな。あと間違いなくカップ焼きそばが食いたくなります。

↓以下、少し内容に触れます。








小さな女の子姿のヨヨがもう少し大きい少女の姿に変化するのは、現実では年齢に即した実態が現れるってことなんですかね(実年齢は18歳らしいけど)。だとするとおヨネさんは絶対来ちゃダメだ!

携帯ゲームに熱を上げるという現実の状況を取り込むのは微妙な線だったと思いますが、これが世界観を壊さずに済んでるのは見事。現実世界と空想世界の混在具合もわりとすんなり入り込めるし、終盤の魔の国に侵食された世界では星の形まで違っている、というような作画のこだわりも見られて感心します。カボチャの歌はさすがに少しむずがゆいですが。

戦う相手は敵というより、善意を信じた一人の魔女の思いが人のわがままによって歪められた「呪い」だというのはポイントですね。この辺りの描写はちょっと弱い気もするし、自分勝手さからくる「呪い」への対抗手段が「人の善意」というのも強引ではあります。でもドクロネコを助ける救急隊員の男前さ等が伏線になっているので不自然ではないですね。ラストはどうしても『サマーウォーズ』を連想しちゃう(アキちゃんの父親は侘助に見えてしょうがない)けども、それはマイナスというほどではないです。

魔の国では死んだら生き返らせればいい、しかしこちらの世界では死んだものは生き返らない。手段があるから生命の価値観が違うわけで、ヨヨは初めて大切な者が失われることの悲しみを知ることになります。大粒の涙(ホントにデカい)を流すものの、そこで魔法のような奇跡を見ることになる。また、ラストでは人々の想いが奇跡を起こす。それらは魔力の大きさを誇っていたヨヨに別の価値観を教えてくれます。つまり魔法とは奇跡と同義であり、それは魔力がなくても発動するものだ、というロジックです。こういった真っ直なメッセージを照れずに観れるのはファンタジーならではですね。


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