2013
09.22

ショート・レビュー。『ザ・レイド』『めまい』等。

映画感想、ショートバージョンです。

今回のラインナップ
・めまい
・ヤングマスター 師弟出馬
・ザ・レイド
・ライフ・イズ・ビューティフル
・ドライヴ
・モンスター・ホテル


・『めまい』
Vertigo
Vertigo / 1958年 アメリカ / 監督:アルフレッド・ヒッチコック

高所恐怖症によるめまいに悩む刑事が、美しい人妻を調査する仕事を受けるが――というヒッチコックの代表作のひとつ。今や常識となったズームアウトしながら前方に移動する撮影方は画期的。めまいショットと呼ばれる所以ですね。キム・ノヴァクの2通りの美しさもイイ。

【注:若干ネタバレ】
最初観終わった後「これで終わり?」とポカーンとしてしまいましたが、よくよく思い返してみるとこの構成には驚き。普通なら前半にオカルトめいたサスペンスがあるのだから、後半は謎めいたミステリとなりそうなところを、さっさと種明かししてしまう。これはつまり謎解きが主題なのではなく、幻に取りつかれた男がその幻から覚めた途端に女は本当の幻となってしまう、ということを描いているのですよ。高所恐怖症が治ったのが幻の終わりでもあるわけですね。決して結ばれることのない二人が一瞬だけ交わるその美しさを描く悲恋物語でした。

それにしてもこれは考えるほどに色々な解釈ができそうで面白いです。気になるのはなぜか最後はないがしろにされるミッジの存在。もう一度観ればまた違う観かたができそうです。こういうのがあるからヒッチコック作品はハマるのですよね。


めまい [Blu-ray]めまい [Blu-ray]
(2013/09/04)
ジェームズ・スチュワート、キム・ノヴァク 他

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・『ヤングマスター 師弟出馬』
Young_Master
師弟出馬 The Young Master / 1980年 香港 / 監督:ジャッキー・チェン

道を外れた兄弟子を救うため、弟弟子の若きジャッキー・チェンが活躍するカンフーアクション。いやーこれは面白い。昔のカンフーもの特有のリズミカルなアクション、これってほぼ全て純粋な体術なんですよ。そう考えると格闘シーンは凄いハイレベル。床几やロープ、スカートなどの小道具を使ったアクションもイイ。ゆるいユーモアはジャッキー監督映画のご愛敬ですが、共演がユン・ピョウに『燃えよドラゴン』鉄の爪のシー・キエンとかすげー燃えるんですけど!

ストーリー的にはそもそもの起因である兄弟子が途中から絡まなくなってしまうために若干「あれ?」って感じですが、超強いテコンドー使いのラスボスとのバトルが熱いのでいいのです。どう見ても力量差がある相手にどう勝つのか、そこも見どころ。あと衝撃的だったのは、ある敵の髪型がモヒカンの襟足から先が三編みという「モヒカン弁髪」であることです。武侠ものと世紀末ヒャッハー感の融合!たまらんですね。


ヤング・マスター/師弟出馬 デジタル・リマスター版 [DVD]ヤング・マスター/師弟出馬 デジタル・リマスター版 [DVD]
(2011/04/08)
ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ 他

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・『ザ・レイド』
the_raid
The Raid / 2012年 インドネシア / 監督:ギャレス・エヴァンス

麻薬王の支配する高層ビルに突入したSWAT部隊と、それを迎え撃つギャングたちとの熾烈な戦いを描く、超骨太なガチ格闘アクション。香港、タイと来たアクション映画のストリームに、次に来たのがまさかインドネシア!カット割りしすぎずしっかり見せるので凄さがよく分かるし、カメラワークも洗練されています。ナイフやトンファーを混ぜたトリッキーなアクションも。

特筆はやはり全く強そうに見えない小さなおっさん、マッドドッグ。こいつが『プロジェクトA』のラスボス並の強さでブッ飛びました。また最初突入してラスト脱出するまで、途中で抜けてまた戻るみたいな息抜きがない硬派さが凄まじい。一時退却という逃げがない上に『ジャッジ・ドレッド』のようなアウェイな閉鎖空間を少人数でサバイバルするというの緊張感がハンパじゃない。シナリオ的には不満がないわけじゃないけど、互いへの思いと決別のシブさにはシビれます。アクション好きは必修科目。


ザ・レイド [Blu-ray]ザ・レイド [Blu-ray]
(2013/01/11)
イコ・ウワイス、ヤヤン・ルヒアン 他

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・『ライフ・イズ・ビューティフル』
La_vita_e_bella
La vita e bella / 1997年 イタリア / 監督:ロベルト・ベニーニ

第二次大戦時のユダヤ人迫害を背景に、ある親子を描いた物語。とにかく主人公グイドがまあ、しゃべるしゃべる。演じるロベルト・ベニーニのマシンガン・トークに若干呆れつつも、前半はその底抜けの明るさ、機転の利かせ方に素直に笑えます。後半からは一転重苦しくなるけども、グイドが成す行動全てが息子への愛に溢れているのが素晴らしい。例え危険な状況でもユーモアを忘れず、常に息子のことを考える。そして離れてしまった妻への気配りも忘れない。泣けます。出会いのパートから一気に時間を飛ばす繋ぎのカットは『2001年 宇宙の旅』に匹敵する見事さ。せつなくも愛おしい一編です。

ライフ・イズ・ビューティフル
ライフ・イズ・ビューティフル [Blu-ray]ライフ・イズ・ビューティフル [Blu-ray]
(2014/02/05)
ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ 他

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・『ドライヴ』
drive
Drive / 2011年 アメリカ / 監督:ニコラス・ウィンディング・レフン

修理工でスタントマン、裏では逃がし屋もしている男が、同じアパートの人妻と恋に落ちることで事態が変わっていく。これはもう「クールというのはこういうことだ」という見本のような一本ですね。突っ走るだけじゃなくクレバーに追っ手を巻く、寡黙なライアン・ゴズリングの逃がし屋っぷりがシビれます。この人妻キラーめ!音楽の使いどころがカッコいいし、時にはエンジン音だけというのもイイ。

孤独な男に守りたいものができ、人知れずケリを付けようとするというこの男気がまたね、任侠の世界ですね。あえて色々と説明をしないのがミステリアスな雰囲気を盛り上げ、光の加減が絶妙な映像美でさらに魅せてくれます。キャリー・マリガンの愛らしさには完敗。


ドライヴ [Blu-ray]ドライヴ [Blu-ray]
(2012/09/19)
ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン 他

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・『モンスター・ホテル』
hotel_transylvania
Hotel Transylvania / 2012年 アメリカ / 監督:ゲンディ・タルタコフスキー

世界中のモンスターが集まる高級ホテルに人間が訪れてさあ大変、というCGアニメ。なんと言ってもドラキュラ、フランケン、オオカミ男、ミイラ男など、ハマーフィルム系モンスターが一堂に会する怪物くん的キャラ遊びが実に楽しい。古典モンスターはファミリー向けでもいいから定期的に復活してくれると嬉しいですね。スラップスティックなドタバタ劇から、異種族間のラブストーリー、ベタはベタなりの良さがある父娘愛ドラマ、娘を溺愛するドラキュラさんが子離れできるかという近所のおばちゃん的視点のサスペンス、と多方面からの面白さがあって良いです。

ただねー。人間の若者がすごい軽い感じなのはいいとして(ドラキュラ父さんとしては嫌だが)、だからといって吹替えがオリラジ藤森というのはいくら何でもヒドすぎる。最初それを忘れてて吹替えで観てたけど、気付いた瞬間速攻字幕に変更。吹替えしてる人の顔が浮かんできちゃダメだってば。


モンスター・ホテル [Blu-ray]モンスター・ホテル [Blu-ray]
(2013/08/07)
【声の出演】アダム・サンドラー/山寺宏一、【声の出演】セレーナ・ゴメス/川島海荷 他

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