2013
07.20

反転する恐怖の対象。『飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』感想。

Texas_Chainsaw_3D
Texas Chainsaw 3D / 2013年 アメリカ / 監督:ジョン・ラッセンホップ

あらすじ
ヤバい物件を相続しました。



ホラー映画の金字塔『悪魔のいけにえ』。シリーズはリメイクも含め6作?ほど作られてますが、実は2作目以降はまだ観てないのでご容赦を。とは言え今作は1作目に直結する続編として描かれているので観るのに不都合はなかったです。じゃあその間の続編は何だったんだ、という気がしますが。「飛びだす」って言うくらいなので3Dで飛び出します。なかなか良い飛び出しでしたよ。「この邦題はどうなの?」と思ってましたが、原題にも「3D」って付いてるからあながち間違ってなかったです。

『悪魔のいけにえ』1作目は凄い映画でした。何が凄いって、その圧倒的な恐怖。人が本当に恐怖するのはどういうときか?それは自分が理解できないものと対峙した時です。『悪魔のいけにえ』1作目(面倒なので以下「オリジナル」)が凄いのはまさにそこ。狂ったハイカーや不気味なスタンド店員で不穏さを煽った後、突然現れる理不尽な恐怖に愕然とします。とにかく逃げ場がないという絶望感が半端じゃない。チェーンソー唸らせてどこまでも追ってくるレザーフェイスは言うまでもなく、対峙する全員が理解できない狂人。それはもう生き地獄です。グロはそれほどないのに恐ろしい作品でした。名作です。

続編を謳う今作でも当然怖さを前面に出していくのかと思いきや、これが一転、悲しき過去を背負わせ復讐を果たすリベンジものにするという意外な展開。観てるとレザーフェイスさんに思わず肩入れしたくなります。でも殺人鬼ですからね。というかレザーフェイスさんはもはやプロの解体業者の貫禄です。すっかりおっさんにはなりましたが、あいつに任せときゃ大丈夫みたいな安心感があります。まあ解体するのは人間ですけど。

物語の構造が途中で反転するためにホラーという感じじゃなくなってしまうんだけど、これはこれで面白い。ニヤニヤしながら観てました。サブタイトルにも意味があるわけです。「本当に怖いものは何か」と問うとき、それは頭のおかしい殺人鬼だけではないという話ですね。そこは物足りなさを感じる人もいるかもしれません。ただ、ドラマ性を重視することでホラーヒーローを一旦一人の人間の位置に引きずり下ろし、そこから改めて伝説を作っていくのだ、という気概を感じて良いと思います。とことんホラー要素を突き詰めた『死霊のはらわた』リメイク版とはアプローチの異なる進化形と言えるでしょう。

ヒロインのヘザーがローライズヘソ出しルックでスタイル抜群の美人ちゃんで最高です。白いお腹が眩しすぎ。演じるアレクサンドラ・ダダリオは『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』のヒロインだそうですが、全然イメージ違いますね。メイクのせいか?素肌にシャツを羽織っただけの格好で拘束されるという抜群にタマラン姿もあるので要チェックですよ!

エグいシーンは増えたけど、それでもオリジナルへの目配せも忘れていません。というかもろに想起させます。バンで田舎へ行く若い男女、遭遇するハイカー、アルマジロの死骸、そして扉スパーン!チェーンソーと共にこの「扉」がシリーズでは重要なのだな、と改めて思わせてくれます。テキサス怖い。

↓以下、少し内容に触れます。








レザーフェイスさんの仮面作りシーンはリアルで良かったですね(『3』でもあったらしいけど)。一発で針に糸を通すあたり、やはり職人ですね。器用すぎる。前半はそんなレザーフェイスさんが殺しまくるわけですが、殺される若者たちを観てると「なんで一人で行くのよ!」「声出すなよ!」「さっさとそこ離れろよ!」とかツッコみ疲れます。でもそこがホラーの醍醐味でもあるんですけど。彼氏のライアンが友人のニッキと納屋でヤり始めるのは意味なさそうですが、これは「享楽に耽る男女は殺される」というルールを守るための死ぬ理由付けってことなんでしょうね。まあ一番エグい殺され方するのは料理作ってるだけだったケニー君ですけど。

しかし危機を脱し警察署に逃げ込んだヘザーが真実を知り、怖いのは化け物よりも人間のほうだと気付いたとき、物語の構造は反転します。虐殺を実行するも狂っているわけでもなく、いまや市長としての権力さえ持つ。これは怖い。人間のほうが怖いという構図は『28日後…』や『ミスト』にもありましたが、味方だと思っていたものが理解できない者だったという恐怖はやはりあると思います。これもある種の化け物。

そんな化け物に比べるとレザーフェイスさんはむしろ無垢な魂の持ち主みたいに思えてきます(でも殺人鬼です)。だからラストの対決シーン、ザザーッと滑らせたチェーンソーをキャッチしブィィーンって唸らせたときのレザーフェイスさんのカッコよさったらないですね。オリジナルがあるからこそ出来た展開です。エンドロール後に、残った奴らにもちゃんとケリを付けるという回収の仕方も上手いです。


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