2013
07.08

さらば無邪気な悪意。『ハングオーバー!!! 最後の反省会』感想。

the_hangover3
The Hangover Part III / 2013年 アメリカ / 監督:トッド・フィリップス

あらすじ
もうしません。



酔っぱらって目が覚めたらとんでもないことになっていた。ありますよね。ないですか?僕は昔社員旅行に行ったとき、初日の宴会ではしゃぎすぎて次の日起き上がることができず、一人だけ昼過ぎまで延泊したという苦い経験がありますよ。もちろん自腹。あれだな、ホテルでしこたま飲んで近所のコンビニに買い出しに行くとき調子のって「よーし競争だー!」とか言ってダッシュ3本くらいキメたのがマズかったな。うん、あれはどう考えてもマズかった。酒の席での失敗は他にもいろいろありますが、どれも思い出したくない記憶ばかり。そして『ハングオーバー』シリーズは観るたびにそんな封印していた記憶が溢れてきて軽く自己嫌悪に陥るのですよ。そんなことないですか?なに、酒強いの?よし、じゃあ今度飲みに行こう。帰さないぞ♪

まあこのシリーズの場合は酒+クスリでブッ飛んでしまうわけですが、完結編となる3作目はなぜかそんなハングオーバーするシーンがいつまでたっても出てこない。そのうえ何やらシリアスな展開に不安になることもしばしば。チャウの脱獄劇、アランの父の死、施設への移送、ギャングの襲来とどうも雰囲気違うぞ。大丈夫か?路線変えたのか?

しかしフタを開ければ相変わらずやり過ぎで悪趣味でブラックな笑い満載で、そして相変わらずフィルたちは酷い目に会いまくってて一安心。振り返ってみれば脱獄シーンの次がキリン・クラッシュですからね。あれは実物使ってなくても動物愛護団体がクレーム付けるレベルですよ。ひでえ(笑)。アランのクズっぷりは今回も健在ですが、葬儀シーンでは度肝を抜かれます。「天使の歌声だ!」と思ったらフィルが字幕で全く同じこと言ってて、ブラッドリー・クーパーと通じあえましたよ!(妄想) しかしフィルは毎度ホントによくキレないな。もう諦めてるんでしょうか。というか彼もやはりバカなんでしょうか。ステュがバカなのは知ってます。唯一まともなダグが毎度影が薄くて可哀そうです。つーかアランって42歳なのか……!

今回はもう一人、ハタ迷惑さではアランと並ぶクズ野郎のチャウが大フィーチャー。チャウ目立ちます。目立ちすぎてウザい。でも物語の牽引役なのは認めましょう。あとジミー・ウォングにちょっと似てます。そして組織のボスとしてジョン・グッドマンが登場!なんと1作目に伏線があっての登場です。ああ、ジョン・グッドマンが出てると安定感があるなあ。

今回はラスベガスが全面協力しただけあって、ベガスの空を滑空したりシーザーズパレスのスイートからぶら下がったりベラッジオの噴水を真上から映したりと、ラスベガス好きにはたまりません。ちょっと物足りないのは前作までの「飲み過ぎ気を付けようぜー」「マシュマロ気を付けようぜー」という教訓が(教訓か?)がなく、なぜこうなったかという謎解きもないこと。代わりに騙し合っての追いかけっことなります。追うのは3人が巻き起こした過去そのものとも言えるでしょう。それにケリをつけようぜ!ってことですね。完結編としてキレイに締めくくってくれました――

と思ったらそれかよ!いやあ、やりきってくれた!

↓以下、ちょっと語ってみます。





シリーズで最もブラックなのは前作の「指がない」だと思いますが、今作は死人まで出てきてシャレにならん感じになってます。あとはアランとの組み合わせで笑わせようとするファットレディね。あれも観る人によっては不愉快かもしれない。そんなのもあってこのシリーズは「大好きな映画」と言うにはちょっと抵抗があるんですが、それでもなんか憎めないのですよ。それはきっと全編に漂う「無邪気な悪意」にやられるからですね。うわべ気取った大人が眉をひそめるような映画。でも「実はそういうのが面白いくせに!」って言ってるような映画です。

アランは冷静に見れば世間に馴染めない人であり、周りに迷惑をかけてばかりで常識がわからない、ちょっと頭の弱い人です。一言で言うとまともではない。それでもフィルやステュは彼を放り出しはしないわけです(施設には入れようとするけど)。あれだけひどい目にあわされても手を上げることもしない。どなり散らしたりはするけども、命懸けの局面では決して見捨てない。彼ら自身がアランの持つ「無邪気な悪意」にやられてしまっているわけです。

チャウは逆に「悪意ある無邪気」とも言うべき存在。基本的に自分のことしか考えていないし、自分が良ければそれでいい。後先考えないくせにワル知恵だけは働く。だからチャウは、実はアランとは似て非なる者だと思うのです。ラストにアランがチャウに告げる言葉、それはチャウが自分とは異なる属性であることに気付き、自分を受け入れてくれている友人たちの大切さに気付いたから言えたこと。物語のキーである「無邪気な悪意」の象徴であるアランが、予想もしなかった「成長」「恋愛」というサプライズで人として一皮むけて幕を閉じる。これがとてもイイと思うのです。

だがしかし!最後に絶対見たくないおっぱい出たしな!やっぱ成長してないわ!(爆笑)


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