2013
06.28

価値があるものは何か。『華麗なるギャツビー』感想。

The_Great_Gatsby
The Great Gatsby / 2013年 アメリカ / 監督:バズ・ラーマン

あらすじ
謎の男ギャツビーの正体とは。



毎週豪邸で派手なパーティーを開く、誰も会ったことのない謎の大富豪ギャツビー。隣に住む証券マンのニックはやがて彼と関わるようになるが――。1920年代のアメリカを舞台にしたサスペンスドラマ。原作もレッドフォードのオリジナル版も未経験なので初めて触れます。

最大の見どころの一つは、やはり絢爛豪華なパーティーシーンですね。これはあっけにとられます。ヒップホップやジャズを掛け合わせたような音楽が鳴り響き、あらゆる色彩が溢れ出て、大勢の人たちが踊り騒ぎ行き交う。パーティーというより祭りです。湯水のように使われる音と光と人間(あと金)。そんなパーティーのさなかで、トビー・マグワイア演じるニックは初めてレオナルド・ディカプリオ演じるジェイ・ギャツビーに出会います。このディカプリオの初登場シーン、溜めに溜めて振り返ったときの極上の微笑み!これが衝撃的なほどイイ。あれだけの喧噪のなかで周りが霞むほどの存在感。このシーンでもうギャツビーの虜ですよ。背筋がゾクゾクしました。

登場シーンといえばもう一つ、キャリー・マリガン演じるヒロインのデイジー登場シーン。ソファから見上げる表情のアップがあまりにも可憐。これまた衝撃的なほど良くて背筋ゾクゾクですよ。儚さと芯の強さを併せ持ち、どこか非現実的な可愛らしさを持つ女性。要するに「キャリー・マリガンまじ天使」ということです。間違いないです。キャリマリの文句は俺に言え!ってケンシロウも言ってますし。それくらいヤラれた。

謎めいたギャツビーの真の目的を知った時、観てるほうとしてはまだ裏があるんじゃないかと思ってしまいます。それはあまりにも大げさすぎるから。でもやがてそれが本心からだと知った時には、事態は既に取り返しのつかない方へと傾いていきます。物語は全部説明されるので難しいことはありませんが、それだけにやるせなさが決定的になってしまう。

それでもリズムのある演出に飲み込まれ、謎めいた展開に終始釘付け。距離感を意識した映像は3Dでも活かされていて良かったです。アメリカンドリームを実現しながらも純粋すぎた男の物語。ディカプーとトビーは実生活でも親友だというのを知っていると、また違った感慨がありますね。

↓以下、ネタバレ含む。








二人のために建てた屋敷を捨てどこかに逃げることを望むデイジーにギャツビーは食い違いを感じますが、「過去をなかったことにはできない」と言うデイジーとの差異は思いのほか大きい。湖を挟んだこちらとむこう。手を伸ばせば届きそうな緑色の光は、しかしその間にある湖のために決して届かないのです。ギャツビーは、思い出は空白の期間さえ凌駕できると盲目的になり、独善的にさえなります。それは行きすぎとも思えるほどの独占欲。それでも彼が主人公であるのはなぜか。

デイジーは修羅場の後の事故により急速に保身に走ります。旦那のトムは自分のことは棚に上げてデイジーとギャツビーを絡め取っていきます。しかし結局はエゴに終わるデイジー、エゴの固まりのトムと違い、ギャツビーだけは最後まで純粋でシンプルです。「全ては彼女のため」なのです。それだってエゴではあるし一歩間違えればストーカーですが、デイジーが答えてくれたからこそ突っ走ってしまった。そこには計算はありません。彼女が最初からハッキリ拒否していれば身を引いただろうと思えます。

あらゆる重要な場面に立ち会ったニックだけがそれを理解しています。派手なパーティーに興じる人々、その場の快楽に溺れる人々、口では愛を語るも結局は自身の立場を優先する人々。そんな中ギャツビーの無垢な精神は何者よりも尊い。だからこそニックは「君だけが価値がある」と言い切るし、だからこそギャツビーの人生は「THE GREAT」のタイトルと共に一冊の本になりうるのです。

大勢の人で溢れる屋敷でギャツビーと出会ったニックは、最後に同じ場所で二人きりで別れを告げます。冒頭とはあまりにもかけ離れた結末。メガネ店の看板だけが事の行く末を冷静に見ているかのよう。それは成り上がりが没落するアメリカンドリームへの皮肉のようにも受け取れます。しかし夢を求めて這い上がろうとする精神は、死してなお「GREAT」である、とも思えるのです。


華麗なるギャツビー [Blu-ray]華麗なるギャツビー [Blu-ray]
(2014/05/02)
レオナルド・ディカプリオ、トビー・マグワイア 他

商品詳細を見る


華麗なるギャツビー [DVD]華麗なるギャツビー [DVD]
(2014/05/02)
レオナルド・ディカプリオ、トビー・マグワイア 他

商品詳細を見る

スポンサーサイト
トラックバックURL
http://cinemaisland.blog77.fc2.com/tb.php/674-d3fe5726
トラックバック
back-to-top