2013
05.20

ライトな怪盗譚。『モネ・ゲーム』感想。

gambit
Gambit / 2012年 イギリス、アメリカ / 監督:マイケル・ホフマン

あらすじ
社長にモネの偽物を売り付けろ!



1967年の『泥棒貴族』のリメイク。モネの贋作を本物と偽って会社社長に売り付けようとする鑑定士と、絵の持ち主を演じる女性とのクライム・コメディ。

とにかくキャスティングがハマりすぎ!気取ってるけどダメな男ハリーにコリン・ファース。ハリーは英国紳士然として落ち着いた物腰で計画を実行しようとするものの、ことごとく読みが浅くて、どんどん裏目に出る。それでもプライドを捨てずに強がる表情(でもちょっと泣きそう)がとてもイイ。母性本能をくすぐるんじゃないでしょうか。対して辛辣だけどデキる社長シャバンダーにアラン・リックマン。物事に冷静に対処し問題点はズバッと指摘してくるやり手だけど、プレイボーイな感じ(というかにじみ出るいやらしさ)が合ってます。そして詐欺計画のキーパーソンとなる自由奔放なPJにキャメロン・ディアス。テキサスの田舎娘でアホそうだけど、母親の言葉を金言として意外と交渉上手っぷりを発揮する、本番に強い女。おまけにカワイイ、ついでに言うとカワイすぎる、さらに言うと超カワイイ(しつこい)。しかもキャメロンは予想外に引き締まったボディまで披露してくれて、その腹筋は『アイアンマン3』のグウィネス・パルトロウの腹筋に張りますよ!

主にこの三人をメインに物語は転がるわけですが、のっけから躓く詐欺計画に観てる方は「この計画もうダメじゃね?」となるのに、ハリーの執念とPJの機転で話がどんどん進んでいくところが面白い。爆笑という感じではなくちょっと吹き出す類の笑いを小出しにしてくる感じです。ホテルでのハリーの状況がどんどん悪くなっていくドタバタとホテルのボーイ二人が特にイイ。もうちょっとね、派手にやってもよかったかな?という気もするけどね。なんつーかイギリス紳士的ですね。大佐ネタとかはアホで最高ですけどね。何かやらかしてくれそうなスタンリー・トゥッチが意外と目立たなかったけど、代わりにリックマンが色々と晒してくれたので良しとしましょう。

脚本はコーエン兄弟ですが監督ではないのでそれほど毒気はなく、軽快でシャレたミステリになってます。ちょっと人物関係の掘り下げが浅いとか、伏線が薄いとか気になる点はあります。あと日本人ビジネスマンの描き方がちょっと酷いとか。でもトータルではライトなコン・ゲームとして楽しい、愛らしい一本です。

ちなみに劇中登場する「積みわら-夜明け」「積みわら-夕暮れ」はどうやら映画のオリジナルだそうで、実際は「積みわら」と見なされる連作は25点あるとのこと。僕は印象派のなかではモネがダントツに好きなんですが、邦題に付けるほどモネを扱う理由は感じなかったです。強いて言えば贋作が作りやすそうということでしょうか。だとしても大佐の贋作の腕はすごいぞ。

↓以下、ネタバレ含む。








人物関係の掘り下げで気になるのはハリーとPJの関係性。変に恋仲にしなかったのは良かったんですが、二人がお互いを好意的に思う描写はもっとあっても良かった。なぜそこまで信頼関係が続くのかがいまいち感じられず。ただハリーが「敵を騙すにはまず味方から」を実践していたふしもあるのでそこは敢えてかもしれませんが。

あと超ウザい日本人ビジネスマンたちの通訳をする男性が、ラストの通訳と同一人物だと思うんだけど、あれが良く分からない。他のメンツが同じだったかは分かりませんが、もし同一人物だとすると、日本人とのビジネス話が最初から仕込みだったことになります。そんな伏線あったっけ?若干乱暴な気がします。

それでも「ダメなハリー」と「イケテる社長」という構図が延々と続き、最後の最後でスパッと入れ替わるのは痛快。冷静に考えると社長は態度はムカつくにせよ別に悪人じゃないし、というかハリーの逆恨みでしかないと思うんだけど、ラストに次の計画を練りながら去っていくハリーと相棒の大佐爺さんを見ると、その颯爽とした姿に「なるほどこいつらはある意味ルパン三世的悪党なんだな」と分かる。ルパン的怪盗譚だということは、これ以上のツッコミは野暮ということ。だから終わり方もこれでOKです。


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