2013
04.28

また会おう、遥か彼方の銀河系で。

Category: 映画話
このエントリは色々と整理するために書いたものなので、特に面白くはありません。あらかじめお断りしておきます。


友人のN君とは十数年来の付き合い。N君も僕と同じ映画好きなので、よく飲みに行ってはあれは観たかこれは良かったと映画談義です。もちろん仕事の話や恋愛話などもしますが、周りにガッツリと映画の話が出来る人が他にいなかったのもあって、映画の話題は必ず上がります。

かなり昔の話ですが、『スターウォーズ EP1 ファントム・メナス』の公開時、数年ぶりのスターウォーズ新作ということで、共にスターウォーズファンだった僕らは矢も盾もたまらず連れ立って劇場へ行きました。当時は僕もN君も「映画はカップルまたは一人で行くもんだ」というポリシーを持ち結局一人で行っていたタイプなので、これは異例です。「なんで男二人で観に来なきゃならないんだ」と言い合いつつ、観終わった後はあーだこーだ喧々諤々のスターウォーズ議論です。結論としては「オープニングの"遥か彼方の銀河系で…"からのジャーン!が一番感動した」「ジャージャー・ビンクスがウザすぎる」という点で意見が一致しました。

僕ら二人を含めた仲の良い四人組でしょっちゅう飲みに行ってたのですが、いつの間にか各人の誕生日には何かちょっとしたプレゼントを送るというのが定番となり、N君の誕生日のときには僕のフェイバリットのひとつ『ザ・ロック』のDVDをプレゼントしたことがあります。僕もそのDVDは持ってなかったので、もしつまらなかったら返してくれ、と言ったのですが、幸か不幸か面白かったようで返されることはありませんでした。

『大脱走』はN君の薦めで初めて観ました。なにこれ超面白い。自分の知らなかった傑作を直に教えてもらえるのはありがたいことです。素直に絶賛したら「だろー?」みたいなムカつくドヤ顔をされました。またある日N君はよほど感動したらしく『ライフ・イズ・ビューティフル』を猛烈に薦めてきて、当時まだ主流だったVHSにダビングして自ら持ってきてくれるほどでした。テープの背には手作りのラベルまで貼ってあります。なんつー芸の細かい。しかしこれは内緒ですが、当時はなんとなく重い話かなと思って敬遠して先伸ばしにしてしまい、以降まだ観てません。

N君とはバンドマン同士だったこともあって一緒にバンドをやったり、それぞれのバンドで対バンしたりもしてました。最近は仕事が忙しかったり、彼が一人暮らしをやめて片道2時間の実家に戻って距離が開いたりで、会う機会も減っていました。


先日、N君が亡くなりました。まだ30代で病に倒れ、2年もの闘病生活の末、肺炎をこじらせて帰らぬ人となりました。

ずっと入院していたというのは知ってましたが回復に向かっていると聞いていたので、元気になったら会おうと約束していました。だから信じられない思いだけを持って通夜に行きました。式が終わり、前方にある棺の中を見せていただくと、そこにN君が横たわっていました。何かの冗談かと思いました。え?なんなの?回復したら会おうって言ってたのに、なに死んでるの?元気になったら色々話したいことあったんだけど。2年後にはスターウォーズの新作もあるんだぞ。行く相手がいないなら一緒に行ってもいいんだぞ?なに。なんなんだよ。映画の話する人いなくなっちゃうじゃないかよ。

通夜から帰ってきた夜、『スターウォーズ EP1』のブルーレイをセットして観始めました。オープニングのジャーン!にはゾクゾクするし、ジャージャー・ビンクスはウザすぎます。でもN君と一緒に観に行ったときと同じ感動や高揚感は得られませんでした。

ビデオデッキは片付けてしまいVHSは観れないので、レンタルに行って『ライフ・イズ・ビューティフル』のDVDを借りてきて観ました。最後まで笑顔を絶やさなかった主人公が素晴らしかった。今まで観ていなかったことをN君に詫びなければならないなと思いましたが、もう直接伝えることはできないと改めて気付きました。エンドロールは涙でよく見えませんでした。


友よ、これが今生の別れというのなら、来世でまた会おう。そこはひょっとしたら全く別の国、全く別の世界かもしれない。ひょっとしたらスターウォーズの舞台のような遠い宇宙の彼方かもしれない。それでも構わない。どこであろうが共に笑いを絶やさず楽しんで生きれば、それだけで人生は美しいはずだから。

だから、また会おう。遥か彼方の銀河系で。


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