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2020
07.13

真実を追う者、正義を負う者。『ライブリポート』感想。

Line_of_Duty
Line of Duty / 2019年 イギリス、アメリカ / 監督:スティーブン・C・ミラー

あらすじ
むっちゃ映されます。



少女が誘拐されその命があと64分しかないという状況のなか、手がかりを求めて駆け回る警官とネット配信リポーターの女性が手を組むクライム・サスペンス。

犯人からは時間制限を突き付けられ、上司からは命令無視で捜査を外され、それでもさらわれた少女を救おうと奔走する警官ペニー。この動きにネットニュースを配信する若きグループの一員エイヴァが気付き、少女誘拐捜査をライブ配信で映し出すことを条件にペニーに捜査協力をすることになります。64分のタイムリミットが設定されてからはほぼリアルタイムなので、焦燥感はなかなかのもの。リポーターのエイヴァがSNSで事態を拡散させていく劇場型捜査としてのスリル、やがて浮かぶ警官ペニーの過去、そして犯人との対決など飽きさせません。サスペンスで引っ張るかと思いきや予想外の銃撃戦に唖然とさせられたり、若干の無理矢理さを後付けで納得させたりなど強引な点もありますが、スピード感と熱さで転がり続ける物語には没入。

ペニー役のアーロン・エッカートは『エンド・オブ・キングダム』では守られる側でしたが、今作では守る側として『アイ・フランケンシュタイン』なみに筋肉酷使!すんごい体張ってます。リポーターのエイヴァは素人報道の青さが目立ちますが、演じるのが『キング・オブ・エジプト』『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のコートニー・イートンなので、彼女の好感度で中和されてイイ感じに応援したくなる人物になってます。

メインはほぼこの二人であり、おっさんと若い女性のバディものでもありますが、二人ともあくまで正義のために突っ走るので変な寄り道はなし。ネットを使った仕掛けとしてはもう一捻りあってもよかった気がしますが、色々と予想を裏切る展開には驚かされるし、ラストには思わず泣かされることに。よく出来ていて面白いです。

↓以下、ネタバレ含む。








捜査をライブ配信なんてしたら警察の動きが犯人側にもバレるので、捜査としては致命的なのでは?と思うし、案の定バレるんですが、それも込みの展開なんですよ。ニュースを見たから犯人たちが向こうから襲ってくるし、配信してるからこそ集まる情報を渡すこともできるし、上司たちも直接ベニーを問い詰めなくても追える、という具合に、それはどうなの?という点は後でちゃんと辻褄が合うようになっているのが好感持てます。さすがに一人で街なかでの銃撃戦を始める犯人には度肝を抜かれますが、兄弟を殺された恨み、ということで辛うじてセーフ。

その銃撃戦含め、色々と不意を突かれるんですよ。ラストの「観てた人たちが駆け付ける」というのはありがちに思えますが、それまで視聴者はほとんど絡んでこないためあまり予想してなかったところにくるので、結果じわりとします。車のなかをカメラが横切っていったりとか、カメラを天井に振ってそのまま逆方向に動いて方向を変えるとか、時折「えっ」という映像が入ってくるのも面白い。あと一番不意を突かれたのはアーロン・エッカートの必要以上のマッチョぶりですね。冒頭での腕立て伏せに始まり、走り回ったり転げまわったり車の窓を拳で割ったりと、やたら力技で頑張ります。頑張りすぎです。しかしそのストイックなまでのトレーニングや仕事への向き合い方こそが、かつて子供を撃ってしまった過ちを繰り返さないための戒めでもあるのだな、というふうに理解できます。

そういう点ではネットレポーターであるエイヴァも、いくら真実を報道したいという熱意があるとは言え頑張りすぎです。リーダーの鼻輪ちゃんは拠点で調べものくらいしかできない以上、現場は全てエイヴァがカバーしなきゃならない、というのが一応理由にはなってますけどね。あとちょっと面白いと思ったのは、テレビ局がネット配信されたニュース映像を丸パクりなこと。テレビの報道より早いのにテレビ側は特にそれを気にせず悠然と使う、というのは今的です。でもテレビ局が絡むことで報道ヘリで救出に向かうということができるので、これも無駄にはなってないのです。という具合に、実は齟齬が非常に少ないので、ノイズを感じずに楽しむことができるわけです。そしてカースタントに銃撃戦、リアルタイムの緊張感や犯人との対峙のスリルなど、これでもかと見せ場をブチ込んでくるのが凄いし、主演の二人のまっすぐさによりのめり込み度も高い。良かったです。

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