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2019
12.09

面倒だけどイカしたファミリー!『ゾンビランド ダブルタップ』感想。

Zombieland_2
Zombieland: Double Tap / 2019年 アメリカ / 監督:ルーベン・フライシャー

あらすじ
めざせ、ZKOTY!



爆発的なウィルス感染により地球人類がゾンビ化してから10年。コロンバスら4人は生き残るためのルールに従い面白おかしく生き延びていたが、若干のマンネリも。一方で新たな生存者を仲間に加えたコロンバスらだったが、そんななかゾンビたちに進化した新種が現れ始める……。ゾンビコメディ『ゾンビランド』の10年ぶりとなる続編。

ゾンビが蔓延した世界を舞台に、個性的な面子が生き残りをかける姿を描いた2009年の『ゾンビランド』にまさかの続編が登場。しかもキャストも監督や脚本も続投という奇跡的な布陣。コロンバス、タラハシー、ウィチタ、リトルロックの4人は、ゾンビが徘徊する生活もすっかり日常になるのと同時に、家族的な関係もマンネリ化していき、ついにはウィチタとリトルロックが家出。コロンバスとタラハシーは新たに見つけた生存者マディソンと共に新天地を探すものの、新型ゾンビまで出て来てさあ大変!というお話。コロンバス提唱の「生き残るためのルール」の数は32から73に増え(覚えられん)、相変わらず緩いサバイバル生活を送りながらも死と隣り合わせの日々を送る4人の、嬉しくなるほどの「あいつらが帰って来た」感!ホラーでありながらとにかく笑えるし、一風変わったアクションも良いしで、文句なしの続編です。

まさかの続編、というのは、この10年の間にアカデミー賞ノミネートをバンバン成したりしてすっかり出世したキャストが、欠けることなく続編に集結したからこそ。コロンバス役は『ソーシャル・ネットワーク』ジェシー・アイゼンバーグ、タラハシー役は『スリー・ビルボード』ウッディ・ハレルソン。二人は『グランドイリュージョン』シリーズでも共演してますね。ウィチタ役は『ラ・ラ・ランド』『女王陛下のお気に入り』エマ・ストーン。リトルロック役は『エンダーのゲーム』『マギー』アビゲイル・ブレスリン。このそうそうたる顔ぶれが、こんなコミカル全開のホラーに再び揃うというのがスゴい。監督のルーベン・フライシャーも『ヴェノム』をヒットさせてるし、みんなして凱旋って感じですね。ほか『シン・シティ 復讐の女神』ロザリオ・ドーソン、『チャーリーズ・エンジェル』ルーク・ウィルソン、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』トーマス・ミドルディッチなど。

前作のトゥインキー愛はなくなりましたが(さすがに品切れしたか)、代わりにエルヴィス愛が炸裂。個性的にもほどがあるウザキャラが大量投入されるのも愉快です。仮初めの平和に背を向けて、銃に代わって創意工夫。ライトでアクティブ、ちょっぴり苦い、これぞ『ゾンビランド』!最高です。ちなみになぜサブタイトルが「ダブルタップ」かと言えば、「Double Tap(二度撃ちして止めを刺せ)」がルールNo.「2」だからでしょう。粋だ。

↓以下、ネタバレ含む。








冒頭でコロンビアの女神がゾンビをブッ飛ばすのからして最高。パンデミックから10年も経てばゾンビもさすがに日常であり、受け入れた現実として隣にある現象。油断したら死ぬので一応バトルのときは真剣ですが、それでも4人は臆することなく豪快にゾンビ退治です。オープニングでクレジットの文字を壊しながらスローでかます4人の動きはもはやプロであり、安心感さえあります。ゾンビはホーマー、ホーキンス、ニンジャとカテゴリ分けされ、特性も攻略法も認識済み。そうなるとゾンビのスリルというのに欠けそうなもんですが、ショッピングモールでゾンビを余裕こいてダブルタップするタラハシーなんかを見てると、その余裕が悲劇を招くのでは、というハラハラがあります。実際、中盤辺りからピンチも発生するし、パワーもスピードも進化した新型ゾンビも現れたらしい、という噂話が前フリとなって、それがいつ出てくるかわからないというので緊張感は維持されているのが上手い。

とは言え基本は陽気なサバイバルなので、その辺りは大いに笑わせてくれます。新たな住居として選ぶのがまさかのホワイトハウス(その発想はなかった)、ゾンビの殺し方で授与される「ZKOTY(ゾンビ・キル・オブ・ザ・イヤー)」、エルビス好きタラハシーのエルビスコスプレなどマヌケさ抜群。ZKOTY獲ったか!と思いきや、上には上がいるというのも爆笑。サブカルネタもブチ込みまくり、新型ゾンビを「T-800」と呼ぶなど『ターミネーター』ネタをブチ込んだり『ウォーキング・デッド』をいじったり、ハンマーを持ったタラハシーを「ソー」と呼んだり。ゾンビと間違って撃ち殺すことを「マーレる」と呼ぶのには前作を観た者ならニヤリとします。と言うかマーレられちゃった人、エンドクレジットで暴れすぎなんですけど!エンドロールの後まで出てくるし、続編でここまでフィーチャーされるのが笑います。

あと新キャラが曲者揃いで、ゾーイ・ドゥイッチの演じるマディソンは冷凍庫でゾンビをしのいだという能天気娘で、超ウザいけどエロい。何気に発案するビジネスがUBERな辺り、なかなかの大物です。ウィチタとの反りのあわなさが凄まじい。エルビス館の主ネバダとタラハシーの大人のロマンスもなかなか渋い。またタラハシーとコロンバスに似たコンビとしてアルバカーキとフラッグスタッフという二人が登場、タフガイでタラハシーとぶつかるアルバカーキと、ルールの代わりに戒律を唱えコロンバスと通じあっちゃうフラッグスタッフ。この鏡写しのような二組が見せるゾンビバトルはスリリングで非常に面白いんですが、その結末は無惨なもの。マディソンの指示で危機一髪というピンチはあったもののそれでも呑気そうに見えた一行が、やはり死と背中合わせだということがここで改めて突き付けられます。

そんな世界だからこそ4人は疑似家族としてやってきたわけで、マンネリ化した日常こそがこんな世の中では尊いわけです。だからリトルロックの家出がある種の親離れとわかっていても放っておけず探しに行っちゃいます。ウィチタとコロンバスの仲も倦怠期ではあったのでしょう。そうしてバラバラになりかけた家族が、銃を溶かしてペンダントにするようなヒッピー文化に触れてそのヌルさを目の当たりにし、ムカつくこともあるけれどやはり信頼できるのはファミリーだと気付く、家族再生の物語なんですね。最後のT-800軍団との壮絶バトルのなか、銃がなくても作戦を立てて各人の役割を果たしつつ、それぞれを尊重することを知っていく4人。腐っても家族、だから単に腐っただけの動く死体には負けません。というわけでリトルロックはミュージシャン気取りのパクり野郎と切れて、マディソンもちょうどよくそいつとくっつき、タラハシーはネバダとイイ雰囲気、ウィチタもコロンバスのプロポーズをOKしてめでたし。ゾンビ映画なのにこんなハッピーエンドでいいの?という、これこそ『ゾンビランド』の特異性。いやあ面白かったです。

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