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2019
10.08

悪魔が来りて世界を救う。『ヘルボーイ』感想。

hellboy
Hellboy / 2019年 アメリカ / 監督:ニール・マーシャル

あらすじ
ミントくれ。



地獄で生まれながら人間に育てられた悪魔の子ヘルボーイは、超常現象調査防衛局「B.P.R.D.」のエージェント。そんな彼に下されたミッションは、イギリスで暴れる巨人を退治することだった。一方で暗黒時代に封印された魔女ブラッドクイーンが1500年の眠りから覚めたことを知ったヘルボーイは、仲間と共にこれを倒そうとするが……。アメコミ原作を再び映像化したアクション・スリラー。

ギレルモ・デル・トロ監督により2004年『ヘルボーイ』、2008年『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』と実写映画化されたコミックが、キャストとスタッフ一新でリブート。原作者のマイク・ミニョーラは前シリーズに続き監修してるようですが、デル・トロ監督とロン・パールマンじゃないヘルボーイってどうなの?大丈夫なの?という不安もあったことは否めません。でも観てみたらこれが実に楽しい!かつてアーサー王にバラバラにされ封印された魔女の親玉ブラッドクイーンことニムエを復活させようとする者たちを止めるため、赤い巨体に石の右腕、尻尾を揺らし角を折った悪魔の子、超常現象調査防衛局「B.P.R.D.」のエージェントであるヘルボーイが八面六臂の大活躍。テンポよし!なんだか陽気!でも超グロい!新たなヘルボーイは大体前向きでツラくても引きずらない、そしてむっちゃキュート。孤独感は薄めて愛情を増加し、ロックナンバーで激アゲしてくるナイスガイ・ストーリー。愉快痛快な怪物ランドのプリンスによる大活劇となっています。

ヘルボーイ役はドラマ『ストレンジャー・シングス』の署長役や『イコライザー』のデヴィッド・ハーバー。ロン・パールマン以外にあの顔を作れるのかと思ったらなかなか馴染んでて良い感じ。ちょっとヒゲが濃いめですかね。意外とビックリしやすいのがカワイイ。サッシャ・レインの演じる霊媒能力少女アリスと、ダニエル・デイ・キム演じる監視役のMI11捜査官ベン・ダイミョウ少佐と共に行動していきます。そしてラスボスのブラッドクイーン役には『バイオハザード』シリーズのミラ・ジョヴォヴィッチ。なんか今回のミラジョボは最強の敵のはずなのに出てくるだけで可笑しい。首一つで飛んでいったりするのには笑います。また『ジョン・ウィック』シリーズのコンチネンタル支配人ことイアン・マクシェーンが、前シリーズとはかなり違うヘルボーイの父ブルーム教授役としてシブいところを見せます。

監督は最凶地下ホラー『ディセント』や世紀末グロ祭り『ドゥームズデイ』のニール・マーシャルなので、デル・トロ版とは異なるむっちゃえげつない描写満載。でもテイストが全く違う別物として見れるのはかえって良かったです。地獄的描写が容赦なくて震えるし、新たな仲間も頼もしい。あと見たことないようなキスシーンが見れます。

↓以下、ネタバレ含む。








前シリーズ好きとしては最初から別物として観ようとは思ってましたが、ここまで違うとは英断と言ってよいでしょう。なんと言ってもグロとバイオレンスの比率が格段にアップ。いきなりカラスに目ん玉つつかれる死体のアップから始まりますからね。手足は飛ぶわ首は飛ぶわでスラッシャー全開、ここまでやられると笑えてくるんですが、アーサー王とマーリンがニムエを封印するというシーンで首を落とされたミラジョボがそれでも喋ってるところでもうダメ、笑います。その後も体が欠けたままリモコンをポチポチやったり。いや、ヘルボーイを地獄の王として誘う辺りはちゃんと魅せてくれるんですけど、大体出てくるだけで可笑しいし、最後の首だけ飛んでギャーとか言ってるのには爆笑ですよ。別にコメディではないし、生理的にくるグロいシーンとかも多いんですが、イノブタマン(そんな名前ではなかったけど)が小さい頃おむつして逃げ惑うのがシュールだったり、ナチスハンターのロブスターとか出て来て何者?(コミックにもなったらしいぞ!)ってなったり、色々面白いです。

ヘルボーイが登場するのも初っぱながルチャ・リブレだし、テンション上げていこう感がスゴい。新しいヘルボーイはわりとすぐビビるしスマホの画面すぐ割るしとお茶目な部分もありつつ、むっちゃタフなのをいいことに酷い目に逢わされ続けます。巨人退治では協力体制の騎士たちに電気槍で殺されかけるし、イノブタマン(もうこれでいいや)にはしつこく付きまとわれるし、エクソシスト的でゾンビ的な魔女には映画史に残りそうなおぞましいキスシーンかまされるし。でもあまり引きずらないのが爽やかでさえあります。出生の秘密が霊媒士に明かされるという構成は前シリーズとは違う見せ方で良いなあと思うんですが、それでブルーム教授に怒ってもあまり取り合ってもらえないのが不憫。と言うかイアン・マクシェーンのブルーム教授、仕事丸投げだったりしてなかなか適当っぽいのが独特です。ニムエに翻弄されたヘルボーイに「豊満な胸にやられたか」とか言うけどミラジョボは豊満な胸ではないぞ適当だな。

そんな新ヘルボーイですが、見所はやはりその凄まじいパワー。巨人三人との連続アクションはどんどんアングルを変えながらもワンカットで見せるスケール感がスゴいし、イノブタマンとのパワーバトルも段階的にアップしていき周囲の破壊度が増していきます。あと新たな仲間たちもなかなか面白い。アリスは霊を憑依させる、まではいいんですが、霊魂が口からコンニチハしちゃう(そして吐く)というのが愉快。さらに相手の霊魂を飛び出させてダメージを与えるという特技に気付くというのがまた良いです。「続編に出れないよう殺す」は名台詞。何かとヘルボーイとぶつかるダイミョウは何度か変化しかけるので、てっきり狼男かと思ったら豹男というまさかのネコ科。あ、エクスカリバーが出てくるのにはアガりました。

今回のヘルボーイはハッキリ正義感が強いのが魅力。ルチャ・リブレのリングで化け物化した同僚を殺してしまったことに落ち込みまくるし、魔女が料理に人間の子供を使ってるのを見て静かに激怒したりします。自分が悪魔の王となる予言を知って己の未知の罪を危険視したりもする。でもそんな精神性を言葉には出さない、というのがカッコいい。悪魔化したときの角が生えて炎を纏った姿も凄いんですが、その際に現界する地獄が本当に地獄で、悪魔のデザインもまさに悪魔的と言うしかなく、半端なデカさが逆にリアルな上に人間を引き裂き喰らうのが本当に怖い。しかし適当かと思われた父が魂となって息子を叱り、それで目が覚め自ら角を折るヘルボーイ。悪魔であることを何度も「運命なのだ」と言われたヘルボーイは、純粋な正義感と父の愛でその運命を覆すのです。熱いじゃないですか。そしてヘルボーイが正義の悪魔となれたのはやはり父の導きがあったからなのでしょう。惜しい人を亡くした、でも霊魂で出てこれるから寂しくないよ!(そして吐くアリス)

ヘルボーイを殺す弾丸を持ち歩いていたダイミョウは、ヘルボーイが自ら元に戻ることで彼を認めて、最後は撃たずに弾丸を破棄。そしてアリスは霊魂を攻撃するという武闘派にジョブチェンジ。かくしてラストは新たなチームとなった三人が、モトリー・クルーの曲に乗せてめっちゃノリノリのワンカットアクション!からの三人が並び立つキメ絵!しかも?最後に水槽に現れた手は!アイツか!?デル・トロ版への未練もなくはないですが、こちらの陽気なヘルボーイも非常に楽しかったですよ。殺されてないから続編も行けるはず!

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