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2019
09.13

三人寄れば脅威の嵐!『トリプル・スレット』感想。

Triple_Threat
Triple Threat / タイ、中国、アメリカ / 監督:ジェシー・V・ジョンソン

あらすじ
料理が得意です♪



東南アジアの都市マハ・ジャヤの犯罪組織壊滅のため巨額の寄付をしようとする中国の資産家シャオシャン。彼女を殺害しようとする犯罪組織のボスは、冷酷なコリンズをリーダーとする傭兵部隊を送り込む。そこにコリンズと因縁のあるパユとロン・フェイ、コリンズに恨みを持つジャカが立ち上がる……。アジアのアクション・スター共演によるアクション。

製作のニュースを聞いて日本公開を心待ちにしていた作品がついに登場!トニー・ジャー、イコ・ウワイス、タイガー・チェンが共闘するという、夢のような作品!地下格闘技で食いつなぐパユとロン・フェイが不穏な傭兵たちに雇われ引き受けたジャングルの道案内。しかし傭兵たちは辿り着いた山中の街を破壊し、そこに住む男ジャカの妻を殺した上に、パユとロン・フェイの命をも脅かします。そして三人の復讐心が、父の遺産を投じて犯罪組織を壊滅させようとする女性シャオシャンの危機と重なり、壮絶な戦いへと展開。とにかくアクションのクオリティが最高で、観ていて思わず体が動くこともしばしば。お話的には粗い部分もあるけど、ノンストップで繰り広げるバトルと逃走劇、ラストの大決戦に至るまで、見たいものはきっちり見せてくれるので大満足です。いやあ楽しい!

パユ役は『マッハ!』シリーズでアクション好きの度肝を抜き、『ワイルド・スピード SKY MISSION』『SPL 狼たちの処刑台』と国際的にも活躍するトニー・ジャー。ファイト・スタイルはムエタイ、得意のジャンピング膝蹴りも爆裂しまくります。ロン・フェイ役は『マトリックス』のカンフーチームやキアヌ・リーヴス監督『ファイティング・タイガー』で主演を務めたタイガー・チェン。ファイト・スタイルはカンフー、見事な技のキレとしなやかな体さばきには惚れ惚れ。ジャカ役は『ザ・レイド』シリーズ『スター・ウォーズ フォースの覚醒』『スカイライン 奪還』などの海外作品も多いイコ・ウワイス。ファイト・スタイルはシラット、アクションに知的な立ち回りにと様々な見せ方でカッコいい。

しかも敵役には、リーダーのコリンズ役に『ドクター・ストレンジ』『ニンジャ・アベンジャーズ』のスコット・アドキンス、ムック役に『チョコレート・ファイター』のジージャー・ヤーニン!デボラ役に『スポーン』のマイケル・ジェイ・ホワイト、ジョーイ役に『トリプルX:再起動』のマイケル・ビスピンも立ち塞がります。そしてシャオシャン役は『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』セリーナ・ジェイド。もうこの布陣だけでたまらんですよ。格闘+銃撃戦に、対戦相手の組合せもこれでもかとバリエーション豊か。ムエタイ、シラット、カンフーが入り乱れるなか、二つの復讐と国際的陰謀がクロスしていきます。まさにこれはアジア版『エクスペンダブルズ』!燃えます。続編熱望。

↓以下、ネタバレ含む。








コリンズの部隊に妻を殺されたジャカが、コリンズたちに殺されかけたパユとロンに出会い、復讐という同じ目的でコリンズたちに向かっていくという、この主演三人が敵対ではなく共闘というのがまず熱いです。同時にコリンズに狙われて逃げ出したシャオシャンがパユたちと出会って行動を共にすることで、個人的復讐と大規模な陰謀が組合わさりスケール感をもたらす辺りは上手いところ。さらにジャカがパユとロンを囮にしてコリンズに近付くという、一見ジャカの本心がわかりにくいゆえのサスペンスと、金で犯罪を撲滅できるのかという社会派なテーマもあって、思いの外シリアスな重みもあります。パユがかつての仲間になぜか疎まれているとか、ロンが故郷でギャングを全滅させたという過去もさりげなく描かれ、その背景ももっと見たいと思わせます。あと96分という短さながら意外とキャラ立ちできてるのが良いです。

パユのトニー・ジャーはジャンプしての両膝アタックや肘を使っての攻撃、首相撲など、さすがのムエタイ使いとして安心感さえあります。最後に本気出したときの速さったらないですよ。本作ではユーモアのあるシーンはそんなにないですが、それだけに元料理兵パユの「トム・ヤム・クーン!」にはズッコケます。なんか『トリプルX:再起動』以来ちょっとハジけたか?タイガー・チェンのロン・フェイは見た目は往年の香港アクションスターみたいな凛々しさで、腕をぐるりと回して決める構えも超カッコいい、正統派カンフー使いなのがイイですね。後ろから羽交い締めした奴に対し垂直に蹴り上げて脳天越しに攻撃するという、体の柔らかさもスゴい。見た目は真面目な紳士という感じですが、車が運転できないと言ってシャオシャンに運転させるときの屈辱そうな顔がカワイイです。ジャカのイコ・ウワイスは妻を殺された恨みを持ちながら、その仇であるコリンズに近付いて信用させ黒幕まで知ろうとするなかなかの策師。物悲しさとしたたかさの同居する役回りは『マイル22』のときを彷彿とさせます。ウワイスがナイフを持ったときのヤバさは格別。カッコいいよねー。

ただ終盤素手で戦って負けそうになったりするので、欲を言えばウワイスの見せ場はもっと欲しかったですけど。それを言うならムック役のジージャーはさらに見せ場が欲しかったけどな!まさかランチャーで上半身吹っ飛ばされるという一番エグい殺され方をするとは……インパクト強すぎです。ジージャーが早々に消えるのは残念ですが、そこは最後の野郎共のタイマンのためではあるのでしょう。デボラとジョーイは共にタフでデカいヘビー級で三人とも軽々持ち上げられちゃうので、これをどう攻略するかも見もの。三人ともテーブルに落とされてテーブル破壊するというシーンがあるのはちょっと笑います。そしてコリンズのスコット・アドキンスですよ。ハリウッド大作では端役が多いですが、やはりアクションは一流。特に足技は圧巻で、いま同時に3回くらい蹴らなかった?と目を疑うシーンも。

対戦カードもダブらないように様々な組合せで見せてくれるのが嬉しい。のっけからジャーvsウワイス、闘技場ではジャーのバトルに、ウワイスvsチェンと畳み掛けます。前半の山場である警察署では怒濤の銃撃戦に格闘を織り交ぜ、ウワイスvsジージャーや、ジャー&ウワイスvsメガネ傭兵シュタイナー。それにしてもジャカがパユとロンを囮にしたせいで警察署が全滅するという『ターミネーター』か!という破壊っぷりは圧巻です。ラストの雰囲気ある廃洋館でのクライマックスではチェンvsビスピン、ウワイス&チェンvsホワイト、ジャーvsアドキンスなど目白押し。ホワイトへのとどめで木片が背中から貫くのなどは『エイリアン』のチェストバスターみたいですが。この洋館のシーンはちょっと画面が暗すぎる気もしますが、動きは見えていたのでまあ良し。アドキンスの倒し方が胸にナイフ二本をブチ込む、というのがようやく倒した感があってイイですねえ。

コリンズ部隊が微妙にマヌケな行動をしたりもするんですけどね。シャオシャン襲撃の際にまわりに人がいるのにマスク取っちゃうのにはマスクの意味!と思うし、襲撃に失敗したからパユたちを倒しにいくというのも何だか妙です。コリンズをわざわざ救い出すから彼がリーダーなんでしょうが、ジョーイはなんか反抗的だし。彼らのなかにも明かされてない関係性があるってことですかね。警察署で皆殺しにするのに「銃を持ってるのを見られた」とか言い出すのにはいまさら感も。あとパユたちが隠れる食堂の親父はなんでケータイ鳴らしたか。アホなのか。それを見逃すジョーイもアホなのか。犯罪組織の女ボスももうちょい掘り下げてくれてもよかったですかね。

などと色々引っ掛かる点もあるものの、それ以上に良いところが多いので許せます。ジャングルでのカウントダウンのスリルと大爆破の迫力だったり、パユとロンとシャオシャンの食事シーンが楽しそうだったり、パユの昔の仲間に会いに行ったとき赤いライトの部屋で電気をつけたら武器がズラリと並んでるという映像が粋だったり。あと三人が最初に集う部屋に不意に日本語曲が流れて困惑するんですが、調べたら日本のバンド"サロメの唇"の「赤い稲妻」という曲だそうな。その前にちょっと待て、パユとロンって同居してるのか。金がないからとかそういう理由かもですが、それにしても君ら仲良しさんだな!(萌え)犯罪組織撲滅を謳うシャオシャンが金だけではどうにもならない現実を知り、最後は自らジョーイを撃ち殺す、というのが綺麗ごとだけでは世の中立ち行かないというシビアさにもなっていて硬派。そして最後にようやく笑いあう三人に和み、三人並んで歩くラストカットに震える!アクション好きへのご褒美のような一作でした。

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