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2019
08.26

オール海賊大進撃!『劇場版 ONE PIECE STAMPEDE』感想。

ONE_PIECE_STAMPEDE
2019年 日本 / 監督:大塚隆史

あらすじ
お宝がマジお宝。



海賊の海賊による海賊のための祭典「海賊万博」に招待されたルフィたち麦わらの一味。世界中の海賊が集まるなか、万博で用意されたお宝を巡り争奪戦が繰り広げられる。しかしその裏では、ある陰謀が進行していた……。尾田栄一郎のコミックをアニメ化した『ONE PIECE』の劇場版。

もはや説明不要の人気作『ONE PIECE』の劇場版オリジナル長編。劇場版は意外にも2016年の『ONE PIECE FILM GOLD』以来3年ぶりで、アニメ化20周年記念作でもあるようです。世界中から海賊が集う「海賊万博」が開かれ、麦わらの一味をはじめとした名だたる海賊たちが集まって万博で得られる世紀のお宝を探します。しかしそこには万博の主催者である「最悪の戦争仕掛け人」ブエナ・フェスタの企みが蠢き、そして元ロジャー海賊団で「“鬼”の跡目」と呼ばれたダグラス・バレットが立ちはだかることに。そもそもワンピはとんでもなくキャラが多いのですが、今作はそのキャラの多さを逆手に取ってガンガン登場させており、現役から懐かしいのまで揃い踏み。そしてキャラの組合せの妙を活かし、対戦と共闘の熱さで楽しませます。「オールスター映画」という惹句に偽りなし。枠として出てこないのは四皇くらいじゃないですかね。

正直何が「万博」なのかはよくわかりませんが、舞台がお祭りであるというのもあってとにかくバトルの連続。ただその争奪戦の要となるお宝が本当に「お宝」なのが驚愕なんですね。このアイデアがあるおかげで、皆がその一点に向かって突き進むという展開に無理がないのには感心します。そして映画オリジナルのキャラであるバレットがとんでもない強さで立ちふさがり、単身気を吐くその存在と過去の描き方も良かったりします。バレット役はベテランの磯部勉なので安心感。またフェスタ役はユースケ・サンタマリアですが、これは見事ですね、全然わからなかった。ほか、山里亮太、指原莉乃らがゲスト出演。歴代のアニメ版主題歌が次々かかるのもお祭り感あります。

言うまでもなく原作なりアニメなりを知らないとついていけないし、良くも悪くもワンピらしさに溢れてるのでそこが苦手な人にはツラいところもあるでしょう。ファン向けのわりにはクドい初心者向け説明が多く、それがテンポを削ぐのは残念。ただ原作者の尾田栄一郎監修ということもあってか、とっ散らかってるけどまとまりがあります。あと観ると原作を読み返したくなったほどなので、昔は好きだったのになーという人は戻るきっかけになるかもですよ。

↓以下、ネタバレ含む。








本編ではそのときのストーリーでの関係性やタイミングというのがあるのでなかなかできないことを単独作でやる、というのは映画版ならではの試みですね。衣装を普段と変えてのプレミア感などは過去作でも見られましたが(なぜかサニー号までペンギンに衣替え)、20年以上の間に出てきた多くのキャラを活かしてのアッセンブルはファンなら歓喜でしょう。色々敵対したり盛衰の激しい「最悪の世代」が全員集合というのはなかなか熱い。トラファルガー・ローなどは本編同様にメインで絡んできますが、チョッパーにかつがれたりロビンちゃんをお姫様抱っこしたりと面白い扱い(ローの能力がいまだによくわかってないんだけど。入れ換えるってことでいいの?)。王下七武海では黒ひげやハンコックにミホーク、お久しぶりのバギーやまさかのクロコダイルまで登場。海軍はスモーカーにたしぎ、ヒナ、赤犬に黄猿に藤虎、クマ、センゴクにじいちゃんまで顔を見せます。海賊ではワポルやフォクシーといったこれまた懐かしいのからバルトロメオやキャベンディッシュなど新顔までが揃うし、CP9のロブ・ルッチ、反乱軍のサボなど、まあ出るわ出るわ。久々すぎてこいつの能力何だっけ?というのもいたりします。

それだけ出すとまともにストーリーに絡ませられないだろうと不安になるんですが、ほぼ戦闘シーンの見せ場だけに絞ったのは上手いところ。クロコダイルの暗躍やサボの目的などの思惑もありますが、全てはフェスタとバレットが中心にいるのでブレがないですね。何より「海賊王の宝」には驚かされます。それだけスゴい財宝でありながら入ってる箱は小さく、それでもウソップがパッと見てそのスゴさがわかるお宝、しかも「ワンピース」だと言ってしまえるもの。なるほど!という感じです。そしてそのお宝を餌に祭り人としての己を取り戻そうとするフェスタと、並みいる者を一掃して誰も文句を言えない強さを手にしようとするバレットにより、島ごとブチ壊す勢いのバトルに。バレットは力押しのパワー系で能力もそこまでユニークではないですが、とにかくデカくなるというのとロボ風味が良いです。一人でも強いことを証明しようとするバレットと、仲間たちと共にいることで強くあろうとするルフィ、というのが実にワンピ的でわかりやすい対比。ロジャーが倒す目標でありながら「いつでもこい」と言ってくれる唯一の存在だった、と最後に気付くのをサラリといれるのは良いバランスです。しかしロジャーってあれより強いの?

ただなー、またもやウソップだけやられて「弱くてゴメン」みたいに言うのが、ちょっと鼻につくんですよねー。ウソップに「まだ負けてねえ」とルフィが言って、実際最後に種が育って逆転するという進歩は見せるからまだいいですが、ちょっと既視感強い気がします。ルフィが何度も向かっていっては同じように吹っ飛ばされるのは「これじゃ勝てねえ」とわかるためですが、これも少々しつこい。心情は語らず常に言動で示す主人公なので、しょうがないんですけどね。海楼石とかバスターコールとかあからさまな説明セリフが多いのにはちょっと冷めるし、藤虎がゾロと斬りあってるときにいちいち台詞が長いのにはダレます(隕石は凄かったけど)。バレットのロボを見てもルフィが瞳キラーンとしないのは本来なら変ですね。あと歌姫アンとかはいかにも芸能人枠という感じでいらないですが、一応見せ場があるからまあいいでしょう。

といった不満点はありますが、アガるところはたいそうアガるので、トータルとしては良しとなります。それぞれの能力を使っての見せ場が僅かずつでもちゃんとあるし、海軍と海賊と反乱軍と王下七武海というバラバラなヤツらが集まってのラストバトルに、ルフィが「ここにいるヤツらでやるなら大丈夫だ」みたいに言うのが熱いし、サボにエースの影を重ねて見せる不意打ちにはさすがにグッときます。最後のルフィなどは白黒原画風にしての力の入った作画と、血管切れるんじゃないかと心配になる田中真弓のシャウトで迫力。バトルシーンは全体的にスピーディだしパワフルですが、カットの割り方とか間の入れ方など『ドラゴンボール』とは微妙に差別化してるんだな、と何となく思いました。そしてラスト、ルフィなら当然そんなお宝などいらないと言うよね、という納得の締め方で本編への影響もなし。熱狂的とか大挙してといった意味の「STAMPEDE」というタイトルや舞台とも相まって、良いお祭り感でした。

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