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2019
08.20

嫌い嫌いも好きのうち!『ワイルド・スピード スーパーコンボ』感想。

Fast_and_Furious_Hobbs_and_Shaw
Fast & Furious: Hobbs & Shaw / 2019年 アメリカ / 監督:デヴィッド・リーチ

あらすじ
あなた新入り?



元外交保安部のルーク・ホブスと元MI6エージェントのデッカード・ショウの元に、新型ウイルス兵器を奪ったMI6の女性エージェントでショウの妹でもあるハッティを保護する要請が。かつて敵同士だった二人はいがみあうが、そこに謎の強敵ブリクストンが立ちはだかる……。『ワイルド・スピード』シリーズのスピンオフとなるアクション・ムービー。

ヒットシリーズ『ワイルド・スピード』の通算9作目にして初のスピンオフ。『ワイルド・スピード MEGA MAX』以降シリーズの顔となったルーク・ホブスと『ワイルド・スピード EURO MISSION』から参戦したデッカード・ショウがタッグを組んで戦いに挑みます。ロサンゼルスで娘と暮らすホブスと、ロンドンで優雅に暮らすショウに、テロ組織からウィルス兵器を奪取したMI6エージェント、ハッティを探すという依頼が舞い込み、かつて敵同士だった上に正反対の二人は協力を拒否するものの、成り行きで共闘することに。平たく言えばバディ・アクションですが、カット割りのバランスもよく絵面も決まるアクションが最高。全人類の半分を滅ぼすプログラミング可能な新型ウイルス兵器というアバウトなブツを巡り、謎の犯罪組織エティオンの肉体改造を施した戦士が襲ってくるというワイルド(大味)な設定のなか、景気のイイ音楽に景気のイイ暴れっぷりでガンガン魅せてくれます。

何といってもバディとなる二人が、『スカイスクレイパー』『ランペイジ 巨獣大乱闘』のドウェイン・ジョンソンのホブス、『MEG ザ・モンスター』『メカニック ワールドミッション』のジェイソン・ステイサムのショウという破格のコンビなのがポイント。『ワイルド・スピード ICE BREAK』で一応共闘という形にはなったものの、基本的には仲の悪いはずのこの二人を組ませるというのはかなり強引ではあるんですが、それでもロック様とステイサムがコンビというだけでご飯三杯いけちゃう人には感涙ですよ。それにこの二人が主演ということにあぐらをかかず徹底して楽しませようという、あらゆる見せ場をブチ込むサービス精神が素晴らしい。ちにみに二人は製作としても名を連ねてますね。そしてこのコンビと対等に戦える奴なんているのか、という疑問に、敵役ブリクストンとして『パシフィック・リム』『マイティ・ソー』シリーズのイドリス・エルバ、というのが説得力あって最高。またショウの妹であるハッティ役のヴァネッサ・カービーが抜群のクール&ビューティぶりで『ミッション:インポッシブル フォールアウト』以上にイイ!

悪態つきまくる二人が協力し合うようになる流れも自然だし、ワイスピらしいカーチェイスも迫力だし、ハイテク&組織化された敵の大仰さも愉快。監督は『ジョン・ウィック』『デッドプール2』のデヴィッド・リーチ、やはり信頼できます。とにかく「すげーな!」というシーンが山盛り。スピンオフではあるものの、ファミリーとしての視点はしっかり含めるのがワイスピらしいです。

↓以下、ネタバレ含む。








MI6とテロリストの対峙から始まる冒頭、ミッション・クリアかと思われたところに現れる自称「ブラック・スーパーマン」、そしてウィルスを自身に投入し逃げるハッティとつかみは十分。そこからホブスとショウをデ・パルマばりに画面スプリットで見せていく、これが安っぽくなりそうで意外とそう感じないのは、これはもうロック様とステイサムという二大スターがのっけからそれぞれのパワーやスピードをしっかり見せてくれるからだし、軽快さに繋がっているからでしょう。設定的には結構な盛り方で、ウィルスが人類の半分を殺せるという売り文句もさることながら、それを体内に入れる装置の仰々しさがスゴいし、それを除去する機械も特別製という、理屈はわからないけどなんかヤバい!みたいなのが気楽で良いです。エティオンという犯罪グループの、やたら組織化されて科学の粋を集めてますみたいなのが笑っちゃうくらい「悪の組織」って感じで、しかも人間をサイボーグ化するというSF的な味付けまであって、組織vs個人、機械vs肉体、社畜vs家族と様々に対比させるのも面白いです。

またキャラクターで見せるというのもしっかりやってくれるので入り込みやすい。シリーズでおなじみのホブスでさえ娘に片眉クイッてやってザ・ロックだ!と嬉しくさせてくれるし、娘ちゃんが可愛らしい上にしっかり者なのがイイ。ショウが独身貴族な生活を満喫&海外美女のマルガリータさんとベロチューかましてハッティ呆然というセクシーハゲ全開なのも愉快。ちなみにマルガリータさん、むっちゃ美人だなと思ったら『マーウェン』で見たばかりのエイザ・ゴンザレスでした。ブリクストンはかつてショウに頭を撃たれたことでエティオンに加入するわけですが、肉体改造によってショウより高みに登ろうとする狂信が凄まじいし、黒のスーツや背骨が人工というのが『パシフィック・リム』の装備みたいでニヤリとします。自動運転を車ではなくバイクでやっちゃうというのもパンチが効いてて良いですよ。でも時折ディレクターと呼ばれるボスに怪訝な表情を見せたりして、生かされてる苦悩というのもあるのかも。

最高なのはハッティのヴァネッサ・カービーです。あの眼差しには魅了されますよ。強気なところもあの二人と一緒に行動するのに似つかわしく、ホブスが「(酒は)少しでいい」と言うのにグラスになみなみとそそぐところとか挑戦的でイカします。ホブスとのロマンスはちょっと余計な気もしますが、生き残るための約束という扱いなのでまあよし。またショウの母親役でヘレン・ミレンが再登場、『ICE BREAK』で見せた「腐っても家族」というのを今度は妹のハッティも込みで見せてくれます。ホブス側も『MEG ザ・モンスター』でステイサムとも共演したクリフ・カーティスがロック様の兄役で出てきて、こちらはサモアのまとめ役として「離れてても家族」をやってくれます。あとサモアの母ちゃんの力強さね!ワイスピ本編とは異なり、血の繋がりがあるからこその厄介さとそれでも家族であるから助け合う、というのが、これはこれでファミリー映画(と言うと語弊があるけど)としてのまとまりがあります。

あとノンクレジットでライアン・レイノルズが出てくるのには驚きましたが、ロック様の前でロックと名乗るのは狙いか?口八丁ぶりがまんま『デッドプール』なのが愉快ですが、正直いるかな?とは思うし、エンドロール中のシーンも蛇足感が強く、ちょっと軽いノリを入れすぎて浮いちゃうシーンはありますかね。マイク・オックスモールのしょうもない下ネタとかもそうだし(ちなみに吹替だとオールティン・コスモールみたいにわざわざ変えてました)。ガラスを挟んだ隣り合った部屋でホブスが楽勝、ショウが大変というシーンも、面白いんだけど時間ないんじゃなかったっけ?とも思うし。あと飛行機で出会った航空保安官のディンクリー、誰かと思ったら『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』でロック様と共演したケヴィン・ハートじゃないですか。これまた正直いらないとは思いますが……この辺りはサービスシーンでしょうが、コメディシーンの入れ方はいまいち。ただしコミカルな台詞は良いし、「新入り?」とか「人間は3ポンド」とか「血のついた手を洗うのは金を数えたあと?まえ?」とかも面白い。軽快なやり取りから泣かせのシーンまで全般的に良い台詞が多いです。

一方で熱いシーンはとことん熱い。格闘アクションはホブスのパワーとショウのスピード、ハッティの華麗な体技などを活かし、アングルの切り替えやスローの入れ方などもエキサイティング。カメラの対象の捉え方がいいのか多少手ブレても何をやってるかわかるし、カット割もせわしくなる一歩手前で抑えてあるのでわりと見やすいです。カーチェイスも本家に劣らぬ迫力で、ショウの運転でブリクストンを振り切ろうというシーンではダンプの下をすり抜けるギリギリ感にヒュー!となった直後、ブリクストンのバイクが変形してさらに狭い隙間を抜けるのがスゴい。トランスフォーマーか!いや車の窓ブチ破ってすれ違うバイカーをわしづかみってのもスゴいけど!Uターンしてボンネットを飛び越えさせて二階建てバスに突っ込ませるというのも派手。エティオン基地からの脱出ではビルからビルに回転しながら飛び移る際にハッティの足がジープの枠から出ちゃってるのがスリリングだし、トレーラーの荷台で三人が戦うのには興奮です。クライマックスではヘリと車を鎖で繋いだり、車が数珠繋ぎになって浮かぶのを防いだり、仕上げはニトロでドン!ですよ。なに、ニトロって標準装備なの!?ヘリの鎖を筋肉で引き留めるロック様にはキャップか!と言いたくなるし、色々スゴすぎて思わず笑っちゃうほど。認証手袋がないと銃が撃てない、という設定を逆手にとって肉弾戦に持ち込むのもたまりません。

ラストの一人がやられてる間に一人が攻撃という超肉弾戦は『リーサル・ウェポン4』を彷彿とさせて燃えるし、ブリクストンの最後もせつない。コストかけてるのに殺しちゃうエティオンの黒幕はどうなんだと思いますが、何やら因縁ある相手であることを匂わせて続編へのフリも抜かりないし、ショウがMI6を裏切ったのはエティオンの計略だと明かされたことで、ハン殺害の件も上手く引っくり返してきそうな予感もします。最強の二人+強い女性のトリオにサモアン・パワーも加えたまさにスーパーコンボな一作に、本シリーズよりハマります。

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