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2019
08.18

見守る勇気は救える勇気。『ペット2』感想。

pet2
The Secret Life of Pets 2 / 2019年 アメリカ / 監督:クリス・ルノー

あらすじ
正義の味方は難しい。



ニューヨークのマンションで飼われている犬のマックスとデューク。飼い主のケイティはチャックという男性と出会い結婚、やがて新たな家族である息子のリアムが誕生する。リアムを心底可愛がるあまり過保護になるマックスだったが、家族旅行で出向いた農場の牧羊犬ルースターに教えを乞うことに。その頃街では大変な騒ぎが起きていた……。個性的なペットたちの騒動を描くCGアニメ『ペット』の続編。

『ミニオンズ』『SING シング』などのイルミネーション・エンターテインメントによる、飼い主がいない間ペットたちは何してる?という発想から始まったCGアニメ『ペット』の第2弾。新たな家族リアムに対してベタぼれなマックスの成長、マックスから留守中に宝物を預かった室内犬ギジェットの奮闘、正義の味方にジョブチェンジしたウサギのスノーボールの活躍という三つの柱で、新たな仲間も加わりさらなる大騒動を巻き起こします。テンポよく進むストーリーに人間顔負けに暴れまわるペットたちのユニークさ、といったものは前作を踏襲。並行して進む三組の話はそれぞれ楽しいものの、それがそこまで劇的にクロスするわけではないのが少し残念ではありますが、でも十分可愛いし十分面白い。前作で見せたキャラ性を活かしつつさらに上乗せしていく良い意味での悪ノリがイルミネーション的。

吹替版で観ましたが日本語吹替キャストは続投ということで、マックス役は設楽統、デューク役は日村勇紀というバナナマンのコンビが引き続き務めます。この二人の吹替はわりと好き。特に日村が上手いなあ。芸能人吹替ではケイティ役の佐藤栞里、クロエ役の『ソロモンの偽証』永作博美に加え、クールな牧羊犬ルースター役に『千と千尋の神隠し』などジブリ作品も多い内藤剛志。ちなみに字幕版ではルースター役は『スター・ウォーズ フォースの覚醒』ハリソン・フォードなんですね。ギジェット役の沢城みゆきや、スノーボール役の中尾隆聖らも前作から引き続き魅せてくれます。

監督は前作『ペット』『怪盗グルーのミニオン大脱走』のクリス・ルノーということで安心のテイスト。やたらとペットたちの顔面アップが多いのは気になりましたが、まあ可愛いしいいか。デュークがいまいち目立たないのがちょっと物足りないんですが、でもマックスの成長譚に振り切ったのは潔いです。

併映はおなじみミニオンズがキャンプでバッジをもらうために頑張る短編『ミニオンのキャンプで爆笑大バトル』。楽しいです。グルーさんちの三人娘も出てくるよ。

↓以下、ネタバレ含む。








今回はケイティの幼い息子リアムが登場し、最初こそ見知らぬ新顔に戸惑うものの「大好き」の言葉にあっけなく陥落するマックスとデューク。特にマックスはあれだけケイティケイティ言ってたのに、完全にリアムのことしか頭にないという変貌ぶりにちょっと違和感さえ覚えます。違和感と言えばマックスに比べてデュークの扱いがやけに軽いというのもあります。何となく二匹のバディムービーをさらに強化してくるかと思ってたら、それは前作で既にやり切ったということなんでしょう。むしろマックスの弱気な面をクローズアップし、それがリアムを心配しすぎるという形にも表して、さらなるアドベンチャーを経ることでその弱気を克服する展開に繋げています。他の面子はそこまでではないですが、マックスだけは内面的な成長が描かれるので焦点がそこに当たっていることがわかります。

そのお膳立てとして登場する牧羊犬のルースター。クール!クレバー!というマックスと真逆のルースターは実にわかりやすいメンターとしてマックスを導いてるように見えますが、その実マックスたちが帰るときはちょっと寂しそうなのがカワイかったり、赤いスカーフを無言で渡したりと、むしろ厳格なわりに子供を心配する父親っぽい。そういう意味ではリアムを気にかけるマックスにも通じるんですが、過保護にならず自ら悟らせようとするところが経験の違いという感じです。そんなルースターとの出会いを経て帰宅したマックスたちを待ち構えるトラブル、というか虎ブル。人間たちが見てない間ペットが何してるか?というコンセプトからはちょっと外れるのでは、というくらい人間側に影響ある大胆なミッションが始まることに。ただマックス組とスノーボール組とギジェット組でわかれながら一応並行して描き最後に融合する構成ではありますが、若干無理やりな気もしなくもないです。協力してサーカスの動物を助け出すというのは『ダンボ』でも見たばかりなので若干新鮮味にも欠けます。

でもそこはイルミネーション、キャラの強烈さをさらに推し進めて納得させてしまう力技がやはり楽しい。特にスノーボールとギジェットは強烈。スノーボールはなんかキャラ変わってない?とは思いますが、そう言えば捨てられたペットたちを守るというある意味ヒーロー的な活動をヴィラン的な手法でやっていたわけなので、不自然ではないのかも。ユニバーサルなのにガッツリとスーパーマンネタをやるのには笑います。またギジェットは前作でもカンフーマスター並の胆力を見せてましたが、今回は愛のために犬でありながらネコのボスにまで登り詰めるという、『スター・ウォーズEP6』のC-3POか『ジョジョ』5部のジョルノかというくらい成り上がるの最高。バディやメル、スイートピーといった面子も良いですが、前作で道に迷うだけだったモルモットのノーマンが、運転もこなす超有能なエージェントなのには笑います。

いきなり出てきてスノーボールに依頼しながら必要以上に自ら活躍するシーズーのデイジーはなんなの?とか、クロエがやたら情緒不安定で様子がおかしいのはなに?といったちょっと気になる点はあったし、マックスのリアムへの思いとフーを救うというのは微妙にリンクしてない気もしますが、ペットたちが皆誰かを守りたいという思いで動くのは熱いものがあるし(ギジェットたちが並んで歩いてくるのとか超アガる)、強引ながらスケールもアップして見応えあります。虎なんか助けてその後どうするの?というのも猫婆さんノリノリ&難なく受け入れで問題なし(ないか?)。『トイ・ストーリー4』と被るようでそうでもないライトさはちょうどいい匙加減。コメディとしてのスタンスを崩さずに成長譚としても描き、続編としての期待にも応えてくれて満足です。

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