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2019
08.09

食べちゃいたいほど君に夢中。『東京喰種 トーキョーグール【S】』感想。

tokyo_ghoul_2
2019年 日本 / 監督:川崎拓也、平牧和彦

あらすじ
これが究極のメニュー。



人間でありながら、半分は人間を食らう種族「喰種(グール)」になってしまったカネキは、何とか世間に溶け込んで生きていた。そこに「美食家(グルメ)」と呼ばれる喰種の月山が現れる。月山に誘われてあるレストランに行ったカネキだったが……。石田スイの同名コミックを実写化したホラーアクション『東京喰種 トーキョーグール』の続編。

人間社会に紛れ人間を食らう食物連鎖の頂点である種族「喰種(グール)」。そんな喰種が潜む東京で半喰種となった大学生のカネキが、人間と喰種の狭間で葛藤しながら人間らしさを求めようとする『東京喰種 トーキョーグール』に続編が登場。今回は「美食家(グルメ)」と呼ばれる月山が現れることで、ようやく落ち着いたかに思えたカネキがさらなるトラブルに巻き込まれます。スケール感は前作より若干ダウンした感じもありますが、この月山のウザキモさという違う方向での迫力が凄いことになっていて目が離せません。お人好しにもほどがあるカネキ君が対峙する月山の、強さとナルさとトレビア~ンに爆笑&戦慄!アクションもかなりのもので、特にスローの使い方が上手くて感心。少々ウェットな部分もありますが、エグさは倍増という心意気も光ります。

カネキ役は前作に引き続き『Diner ダイナー』窪田正孝。普段の弱々しい感じから泣き叫ぶ激しさまで演技の幅広さが尋常じゃないです。トーカ役は某宗教団体に移った人から『恋は雨上がりのように』山本舞香に変わりましたが、いや前作より断然良いですよ。あの目力、最高です。二人とも全てではないにしろアクションもしっかりこなすのがイイ。そして月山役である『イニシエーション・ラブ』松田翔太ですよ。振りきってるのに地に足付いてると言うか、もう根っからの異常者ですという感が抜群。またトーカの友人・依子役に同日公開『天気の子』の陽菜こと森七菜、イトリ役に知英(じよん)、白石隼也の西尾先輩ことニシキも再登場。あとマギーが出てるんですが、改めて見るとすんごいイイ女で驚きます(酷い目に逢うけど)。

前作のような大袈裟な舞台立てがないため若干地味にも思えますが、狭い範囲での逃げられない恐怖(と鬱陶しさ)はよく出てるし、何より表立っては動けない喰種が実は裏で何をしてるかというのがなかなか怖いものがあります。ちょっと引っ掛かる部分もあるものの、人を食らう宿命の悲しさもしっかりあるし、楽しめましたよ。ちなみにタイトルの【S】はSecondとかSpecialとか月山習のイニシャルなど色んな意味に取れるように付けたんだそうです。「S」か……清水……いやなんでもない。

↓以下、ネタバレ含む。








何度も言いたくなりますが、月山の松田翔太がとにかくウザくてキモくてスゴい。豪邸に住み、メイドを抱え、長テーブルの上座で悠々と朝食を楽しむ姿はまさに貴族。ハンカチーフ一つにもこだわる身だしなみ、ナイフとフォークで味わうのは双子の肉のウインナーというレアメニュー、そして朝の運動が吊り輪!そんな変態紳士の月山がたまたま喫茶「あんていく」でカネキに出会い、グルメと呼ばれるだけはある嗅覚で半喰種のカネキに目を付けてからは、耐えきれないほどの情熱に身を焦がします。カネキの好きな本の話題で取り込み、熱のこもった目で見つめ、ハンカチについたカネキの血を吸って昇天。もはやそれは恋ではないかというほどの執着を見せ、ついには感極まっての「トレビア~ン……」ですよ。顔の全面を覆いながら蠢くような錯覚に囚われるマスクも変質狂的。

ただ、月山の執着はあくまで食に対する執着であり、いくらグルメを気取ってもそこには人を喰らう喰種の容赦なさがあるわけです。しかも狙った獲物を絡め手にとる頭脳と、前作の真戸にも劣らぬ武器であるデカい赫包(かくほう)、トーカも苦戦する強さ、鬱陶しい鬱陶しいと連呼しながら刺しまくる狂気と、かなりの強敵です。そして生きるためではなく、楽しんで味わうために人を喰らう。それは人間が美味いものを食べる快楽と変わらないわけで、食う側が食われる側になったときの絶望感がスゴいんですよ。食物連鎖コワイ。そしてそれはカネキとは真逆の生き方なわけです。

一方のカネキ君は、最後にニシキ先輩にも言われるようにアホみたいなお人好し。月山の言葉に簡単に取り込まれるし、自ら戦おうとはしないのでピンチに陥りやすいし、弱々しいというより可愛らしくさえあります。カモです。でもトーカとの修行を続けているせいか戦闘力は上がっているので、ラストバトルも説得力はあります。窪田正孝の回し蹴り、山本舞香のハイキックなどアクションはかなりのもの。あとカネキには敵の攻撃がゆっくりに見えるなどの、使いすぎず、でもツボを押さえたスローの使い方がイイ。また人体損壊のエグさというものも結構あって、いきなりマギーの目玉引っこ抜いたり、『グリーン・インフェルノ』ばりのバラバラショーがあったりと、さすがにR15+もやむなしの残虐性も。またグールレストランのケバケバしく淫靡な地獄っぷり、神をも恐れぬ虐殺が行われそうになる廃教会に至るまで、ロケーションの醸し出す雰囲気も良いです。トーカが赫包を広げて立つ美しさがスゴく絵になるのもたまりません。

前作終盤に出てた仲間が出てこなかったり、最大の敵であるCCGは鈴木伸之の亜門君が一瞬出るだけだし、戦う相手が結局月山一人だけだったりと規模的にはこじんまりしてるのは否めないんだけど、こういう展開もありなシリーズなんだなと思える出来。なんでカネキはレストランで殺されそうなときにまで赫包を出さないのか、なぜあのカッチョいいマスクを使わないのかというのは引っ掛かりますが、喰種のニシキと人間の彼女である貴未の話は多少くどいものの悪くはないし、カネキの正義感とトーカのツンデレが上手く融合してのつまみ食い復活などはエロティックで良いですよ。最後まで自分の正しさを疑わず、変態野郎のスタンスを崩さない月山もイイ。ニシキも「あんていく」の店員になってめでたしめでたし。と思ったら最後に明かされる謎のマスクマンの正体が新田真剣佑!宗太という人物らしいんですが(原作未読なのでよくわからず)、思い切り続編への振りをやってしまって、大丈夫?作れる?三部作として締める続編が作られるのを期待しちゃいます。

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