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2019
06.04

地獄で裁判、現世でバトル!『神と共に 第一章 罪と罰』感想。

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Along with the Gods: The Two Worlds / 2018年 韓国 / 監督:

あらすじ
貴人!(大当たり)



消火活動中に命を落とした消防士ジャホンの前に、冥界の弁護士と護衛を務めるヘウォンメクとドクチュン、そしてカンニムが現れる。彼らは死んだ者が49日間に受ける7つの地獄の裁判を、すべてを無罪で通して現世に生まれ変わらせるため尽力しようとする。しかしジャホンの裁判が進むにつれ、冥界と現世に騒動が起こり始める……。地獄を舞台にした韓国ファンタジー・アクション二部作の第一章。

韓国のウェブコミックを実写映画化した、ちょっと変わったファンタジーにしてアクション映画。消防士として人命を救って死んだジャホンは、生前の善行から転生間違いなしという19年ぶりの「貴人」と見なされます。地獄の裁判で無罪を勝ち取るため、カンニム、ヘウォンメク、ドクチュンの三人の守護者がジャホンと共に地獄を進むも事態は思わぬ方向に、というお話。一見胡散臭げなタイトルですが、地獄が舞台だというだけで宗教色はほぼ皆無。地獄で裁判を受ける死者の徐々に明らかになっていく過去、それと並行して現世に残されたジャホンの母と弟のドラマ、加えて現世に現れる脅威と地獄を揺るがす不穏さの謎、といったものが並行して描かれる娯楽作となっています。強いて言えば『鬼灯の冷徹』を『BLEACH』でアレンジしたような感じで、CGバリバリのエンタメぶりはちょっと今までの韓国映画にはなかった味。これは面白い。

冥界の使者カンニム役は『お嬢さん』『テロ,ライブ』ハ・ジョンウ。ロングコートを翻しながらスタイリッシュにアクションをキメまくるという、過去最高にカッコいいハ・ジョンウとなっておりますよ。ヘウォンメク役は『アシュラ』のチュ・ジフン。飄々と軽口を叩きながらもちゃんと暴れるというカンニムとは対称的なスタイル。ドクチュン役のキム・ヒャンギはちょっと幼い見た目ながら一生懸命弁護に勤しむ姿が微笑ましい。キム・ジャホン役の『猟奇的な彼女』チャ・テヒョンはいかにも真面目そうな男ながら、その弟スホン役のキム・ドンウクとの関係が物語の鍵となっていきます。また閻魔大王役として登場する『新しき世界』のイ・ジョンジェがシブカッコいい。ちなみに判官役に『The Witch 魔女』のオ・ダルスも出てますが不祥事のため続編からは降板してるようです。

監督のキム・ヨンファは『ミスターGO!』を撮ってたりするので(未見なので印象ですが)CG作品やじんわりコメディ系に強い人なのかな?本作も地獄描写自体は結構明るくファンタジックな雰囲気なので、重苦しさはさほどありません。ただ生死や罪悪を扱う話なので苦味はありますね。それでもスピード感あるアクションがド迫力だし、冥界の使者三人も愉快。ちょっと長いし泣かせに走りすぎ(つまりむっちゃ泣ける)だけどまあいいです。続編も楽しみ。

↓以下、ネタバレ含む。








冒頭で消防士のジャホンがいきなり死亡、突如現れた冥界の使者によりソッコー地獄に送られます。早いな!ここで「母にお別れを」と言うのが後に響いてくるんですが、それにしても地獄描写のフレッシュさですよ。日本では(たぶん韓国でも)地獄と言えば阿鼻叫喚なイメージですが、7つの裁判所やそこに至る道は昼間の海辺だったり砂漠だったり崖下に巨石が浮かんでいたりと、むしろ風光明媚。地面の下には亡者が溢れてたりしますが、そこまで残虐な描写もないですね。裁判官である各裁判所の王の名は結構日本と同じですが(『鬼灯の冷徹』で学んだ)、受ける裁判の順番は人により異なるという差異があります。過去を映像で映す浄玻璃の鏡(最後だけなぜか砂ですが)などの地獄アイテムも出て来て面白い。元がコミックとのことでその辺りは原作に合わせてるのかな?だとしてもきっちり映像化してるんだろうなというくらいバラエティに富んでます。

地獄の裁判の話なのになぜかアクションしまくるというのが愉快。川下りしながら獣みたいな怪物に襲われたり、雪山で両脇の崖が崩れてきたり、ロープウェイから落ちそうになったりと、もう死んでるのに死にそうな目に遭いまくります。ラストにはサンドマンのような砂嵐による巨大感まで。アクションは地獄だけでなく現世でも繰り広げられ、瞬間移動のように現れては消える超絶スピード感から、怨霊を追ってビル街を縦横無尽に飛び回るなどダイナミック。赤いエネルギーが走る刀やムチ、両刃の短槍などの個性的な武器もアガるんですよねえ。カンニムはいちいちカッコいいし、ヘウォンメクはボヤきながらも強いし、ドクチュンは弁護姿が頼もしくサムズアップが可愛らしい。彼等の目的は弁護を成功させて自分たちが転生することですが、そのわりに熱くなったりのめり込んだりするお人好し感があるのが受け入れやすいところです。あと最初の登場時はホームレスみたいなのに最後はビシッとキメてくる閻魔大王は、威厳も強さも感じさせる佇まいが地獄のボス感ありますよ。閻魔の両脇に控えるのは鬼的なお付きの者ですかね、腕が鎖になってるのが獄卒っぽくてイカします。

貴人として召されたジャホンを何とか無罪にしようとする使者三人。貴人というのは死に方だけで決まるものなのかよくわかりませんが、それを覆すかのようにジャホンの隠された過去が明らかになっていきます。人助けではなく金のために働くと言うジャホンの真意。暴力は振るわないと言うジャホンが殴り付けた人物。そして口のきけない母に行おうとした恐ろしい愚行。そんな事実の開示に驚く一方で、現世に残された母の悲しみ、さらに弟のスホンが行方不明になるというサスペンスが展開し、怨霊化したスホンの恨めし攻撃で大騒動にまで発展。本来は霊の力なのでホラーなんだけど、見えてないからむしろパニックムービーですね。兄を恨む弟の話が一段落したと思ったら、今度はスホン脱走説に抗議する母の姿に心を痛め、ジャホンが母親を殺そうとしたとき実は起きていたという衝撃の事実に心を抉られ、互いを思いながらすれ違ってしまった親子の悲しみに泣かされまくることに。前半のカラッとした雰囲気からウェットすぎる終盤への移行はちょっと重いですが、人の死というものを思いがけずしっかり描くのは良かったし、「過去のことで新しい涙を無駄にするな」という台詞と共に悲しみを受け入れんとする家族に幸あれですよ。プレゼントのおこげができる炊飯器でだめ押しです。

一応ジャホンは許されて完結するのでキリのいいところで終わってはいますが、スホンを殺した中尉はそのままだし、なぜ閻魔がスホンの死体の位置をカンニムに教えたのかも謎。そしてカンニムの1000年前の記憶という話も宙に浮いており、しっかり引きのある終わり方で続きが気になるったら。そもそもなぜ『神と共に』というタイトルなのかもハッキリしてませんが、その辺りも明確になるんだろうか?などと思っていたら、エンドタイトル後に『新感染 ファイナル・エクスプレス』『犯罪都市』のマ・ドンソクが登場!劇場にちょっと笑いが起こりましたが、もちろん期待を込めたものでしょう!そしてエンドロール後に流れる第二章の予告編では、スホンの死にさらなる謎が?あとアレ、恐竜、だよね??となんだかスゴいことに。早く観たいぞ。

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