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2019
02.26

破られた平和、蘇る伝説。『コードギアス 復活のルルーシュ』感想。

CODE_GEASS_hukkatsu
2019年 日本 / 監督:谷口悟朗

あらすじ
命じる!



世界に平和が訪れて一年が経った光和2年。難民キャンプ慰問中だったナナリーと同行していた仮面の男「ゼロ」ことスザクが何者かに連れ去れられる。事件解明のため「戦士の国」ジルクスタン王国に潜入していたカレンたちは謎のギアス使いに襲われるが、そこで世界中を旅していたC.C.と再会する……。『コードギアス 反逆のルルーシュ』の続編となる完全新作劇場版。

「ギアス」と呼ばれる特殊な力を手にし、世界を統べる神聖ブリタニア帝国に反旗を翻した青年ルルーシュを描いたアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』。2006~08年にかけてテレビ放送されましたが、それが10年の時を経てその先の物語を描く続編として登場です。正確にはテレビシリーズを再構成した2017年の劇場版『コードギアス 反逆のルルーシュ I 興道』、2018年の『II 叛道』『III 皇道』の劇場版三部作の続編なんですね。僕はテレビ版を観ておらず『I 興道』から入ったんですが、その後テレビ版を観ようと思いつつも間に合わず、本作前に慌てて『II 叛道』『III 皇道』を観たもんでテレビ版との比較はできませんが(一部変更点もあるようですね)、本作はその劇場版の続編という位置付けのようです。ゼロレクイエムから一年が経ちようやく皆が平和を噛み締めるなか、突如起こったナナリー&ゼロ拉致事件。シュナイゼルの命で、超合集国に与しない傭兵業で成り立つ国家、ジルクスタン王国に潜入してナナリーの行方を探るカレン、ロイド、咲世子らは、そこで謎の勢力に襲われます。一体彼らの目的は何か、そして単独で放浪するC.C.は何を目指すのか。そして再び戦いが始まることに。

生存するほぼ全キャラが登場し、その全員に見せ場があるというのがスゴい。意外と活躍する玉城やおっぱい増量してない?というカレン、ほぼ忍者な咲世子さん、やたら頼もしいオレンジさんとか、それぞれ味わい深くて良かったです。新キャラに戸田恵子、大塚明夫、高木渉といった大物を起用したのもハマってます。またコードギアスと言えば緻密な戦略とそれが崩れたときの大ピンチ、そこからの逆転劇というのがスゴいんですが、その辺りは盛り盛り入っていて期待を裏切りません。加えてとんでもないギアスの登場、激熱いナイトメア戦、そしてファン狂喜の人間ドラマが展開。それらの濃い要素が一本の続編としてしっかりまとまっているのは驚異的です。ちょっとジョジョっぽさもあったりして、これは面白い。

綺麗に終わったから蛇足だと言われるのもわかるんだけど、素直に楽しめましたよ。もちろん都合のいい部分もあるし同窓会感も否定できないけど、あの世界のもう少し先を観たいという思いを十分満たしてくれます。最低でも劇場版三部作の鑑賞は必須ですが、スリルもサスペンスもバトルも満足です。

↓以下、ネタバレ含む。








■その後の世界

タイトルで示しているので出てくるのだろうとは思いつつ、その意思を受け継いだことが復活という意味かもしれないよなあとも予想できて、本当に出てくるのか半信半疑だったルルーシュですが、わりと序盤からサラッと出てきて拍子抜け。と言ってもC.C.がルルーシュと呼び掛けるまで誰だこの少年は?と思ってたので驚いたんですが。この別人のようになったルルーシュはCの世界から復活させて、でもCの世界が閉ざされて精神が不完全な状態になってしまいあんなふうになった、でいいんですかね?都合がいいと言うならこの時点から既にそうなんですが、ルルーシュあってのシリーズだからしょうがない。むしろそんな半端な状態のルルーシュが子犬みたいで萌える、みたいなサービスとも見れますよ。それだけにC.C.らのピンチにCの世界から完全復活で登場するルルーシュのケレン味溢れるカッコよさには震えが。いよ、待ってました!って感じです。

悪逆皇帝ルルーシュの死後、他のキャラたちがどうしていたか、そして今回どう動くのかというのも各人がしっかり描かれていて、よく全員を上手いところに落とし込んだなと感心。シュナイゼルがちゃんと取り仕切り、その命でジルクスタンに潜入したのがカレン、ロイド、咲世子という組み合わせなのは面白いし、色々成長したカレンが犬みたいに見上げるルルーシュに思わず泣いちゃうの可愛いし、戦うメイドさん咲世子はもはや忍者。扇は子持ちでパパキャラを一手に引き受けてる感じですが、裏切りを死んで詫びようとする男気を見せたりします。勢いだけのムードメーカーかと思ってた玉城が意外な商才とか敵無線利用というアイデアとか活躍するのが愉快。ジェレミアさんがオレンジ差し入れつつ相変わらずルルーシュに忠実なのも微笑ましい。シャーリーはチョイ役感強いのは仕方ないのかな。会長の方が出番多いですね。

ちょっと引っ掛かるとすれば、コーネリア殿下が部下のメガネ君と共に出てきた際に、ルルーシュに部下になれと言われて従うのはものわかりいいなとは思うんですよね。あとルルーシュが生きてるって皆に教えちゃうのはいいんだっけ?ゼロの正体がルルーシュで今はスザクが担ってるのは周知の事実だっけ?ここは僕がちょっと把握しきれてないだけかもですが、まあ多少の駆け足はやむを得ないですかね。それでも関係性の描写は手を抜いてる感じがしないのが見事で、特にルルーシュとスザクのやり取り、復活したルルーシュを見たスザクが思わずボコボコにしちゃったり、かと思えば鉄塔の上で「二人が揃えば救える」と協力し合おうとするのが熱かったり、二人がかつての親友同士だったのが思い出されます。スザクの「生きててくれて嬉しい」という言葉にはじんわりしますよ。あとスザクにかけたギアスの「生きろ」が最後にまた効いてきたりと、過去のギアスの影響がよい方向で働いているのにはニヤリとします。C.C.とカレンとの三角関係な会話にもニヤリです。


■新たな脅威

対するジルクスタン王国、これだけ新キャラ入れながらよく個性を出していて、物語のスリリングな部分だけでなく個々のドラマまで描いているのが良かったです。刑務所で追い詰めてくるシェスタールとルルーシュとの頭脳戦は、先手の取り合い合戦で徐々にズレが生じてルルーシュがリードしていくところが痛快。ジルクスタンの忍者担当クジャパットの敵味方が入れ替わって見えるというギアスは、ネタバレすればどうってことないはずなのに戦闘時はどうしても惑わされるというのが面白いです。ゲス担当のビトゥルは意外と最後まで粘りますね。王族のシャリオは足が不自由でそれでも姉のシャムナのために戦おうとするのがナナリーに重なります。共に国を守るために戦う両者が、国が違うからこそ争う羽目に陥るというのが悲劇。

そしてシャムナのギアスがシリーズ最高にヤバくて、6時間戻せるとかバイツァ・ダストより凄いし、死んだら発動するってノトーリアスB.I.G.ですか?このシャムナのギアスの真相を見抜くというのがキモになるわけで、さすがのルルーシュも打ちのめされるものの、C.C.の檄により再度の「復活」。今回のルルーシュは策や指示を出してと急かされまくって大変ですが、その際にC.C.が見せる彼への信頼度には泣けます。ロジックとしては、作戦がバレているのがギアスのせいであればそれは個人に作用するものではないと仮定、C.C.にギアスは効かないから彼女の記憶が消えないことから時間が戻ることを推測、それを防ぐ案をいくつも用意して実行し一つに絞った、ということなのかな?ひょっとしたら絞ってたのはギアスの能力だったかもしれませんが、それだと辻褄が合わないか?ともかく死んで戻るという選択肢も考慮に入れた、というのがさすがルルーシュ。最後にシャムナに対して遡る時間をも見極めて眠りにつかせ、死んで戻っても寝てて何もできないという、えげつない無限ループが鬼です。ディアボロっぽい(ジョジョ例えばかりですんません)。


■復活は別れの始まり

ナイトメア戦は、ランスロットとグレンがアーマーを付けて敵を一掃という一周目はカッコよすぎるし、一転大ピンチを迎える二周目も逆転劇で魅せます。何よりスザクとカレンの共闘というのが熱すぎる。アーマー脱いで飛び出る対ナイトメア仕様のランスロットには激アガり!ジルクスタンのナイトメアは人型というより戦車に近い武骨さで差別化してますが、シャリオの騎士っぽいデザインのナイトメアもイイ。アクションは見応えありです。結構人が死ぬのが戦争という面を強調していてヌルさを感じさせません。

最後はゼロとして復活するのかと思いきや、さすがにそれは辞退するルルーシュ。復活は彼の意思ではないし、今作で多くの人と関わったとは言え、彼がしでかした過去の行為には許されないものもあり、表舞台には戻れないと判断するわけです。ただ前作ではできなかった別れを告げることができたというのが大きく、特に成長したナナリーとの別れが描かれるのは重要でしょう。そしてC.C.と道を共にすることにしたルルーシュがL.L.(エルツー)と名乗ったときの10年越しの伏線が回収された気持ちよさと、C.C.の笑顔の眩しさにやられます。

シャーリーに電話するくだりや、ロイドと助手の関係の変化など、エンドロールまで抜かりなし。最後にルルーシュとC.C.の二人がギアスを奪う与えると言うのは今後の伏線なのか?これ以上続けると本当に蛇足になりかねない気もするし、それでいてもっと新しい物語を観てみたい気もして複雑ですが、ともあれ復活を果たし再度平和を取り戻して去り行くルルーシュには以前の追い詰められた感じにはなかった爽やかさがあります。確かにこれはルルーシュの物語、そしてC.C.の物語でもあったんですね。続編として十分以上に楽しめました。

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