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2019
02.13

時を駆ける宇宙の勇者!『アイスマン 宇宙最速の戦士』感想。

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氷封侠 時空行者 Iceman: The Time Traveller / 2018年 中国、香港 / 監督:イップ・ワイマン

あらすじ
今度は凍りません。



1624年の明朝末期に無実の罪で追われた際に氷漬けになり、400年後の現代に甦ったホー・イン。同じく現代に甦った義兄弟たちと戦ったインだったが、時空を移動する装置を使い、元の時代へとタイムスリップする。自身の冤罪を晴らすため歴史を変えようとするインだったが……。ドニー・イェン主演のSF歴史アクション『アイスマン』の続編。

明朝の秘密警察である錦衣衛の武将でありながら、陰謀に巻き込まれ雪崩にも巻き込まれて消息不明となったホー・イン。それから400年、氷漬けの状態から現代に復活!わりとすぐ現代にも馴染むなか、同じく現代に復活した義兄弟たちと戦うことになる、というのが前作のお話で、半端なところで終わった前作の続きが本作。正直前作の内容はかなり忘れてましたが、冒頭10分くらい前作のあらすじなので初見でも大丈夫です。冷凍状態から目覚めたがゆえに「アイスマン」なんですが本作ではもはやアイスマンでも何でもなく、時空を越えることができる秘宝「天竹の皿」を使って自身の時代である明へと戻ることになるホー・イン。無実の罪を晴らすため、裏切った義兄弟たちと合間見えることになります。前作に比べるとユルいコメディ感は抑えて悲壮なドラマが増える展開。アクションは控えめながら、魅せるところは魅せてくれます。時間を越えた戦いには哲学さえ感じさせる、気がしなくもないですよ。

キャストは前作から続投。ホー・イン役は『イップ・マン 継承』『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』の我らがドニー・イェン。前作でインを助け、今作でも行動を共にするメイ役は『白蛇伝説 ホワイト・スネイク』ホアン・シェンイー。今回のメイは、なんとインの幼なじみであるユーナンと三角関係に!?どうなっちゃうの~!?(そんな感じではない)そのユーナンを演じる『コール・オブ・ヒーローズ 武勇伝』ジャン・シューインは武田梨奈似で可愛いです。また義兄弟の3人、ユン・ロン役は『ドラゴン×マッハ!』など多くの出演作を持つサイモン・ヤム。サッ・ゴウ役のワン・バオチャン、ニッ・フウ役のユー・カンは『カンフー・ジャングル』でもドニーさんと共演してますね。また敵役が日本から参戦の北条将軍、演じるは『狂獣 欲望の海域』の御大、倉田保昭!がっつり剣技を見せてくれます。日本刀すげー!となりますよ。

SFとして見ると非常に雑で、タイムスリップは使い方や規則性がよくわからず戸惑うし、ヒロインのメイが躊躇なく過去に行くうえにその時代に普通に馴染むのもよくわからんですが、まあタイムパラドックスとかは気にしなくていいのは気楽。ドラマ的にはなかなかシビアさを増してくるし、なによりドニーさんがむっちゃ頑張るので良いのです。肝心の兄弟分との話がどこか行っちゃうけど、時の狭間みたいなシーンまであるのは驚き。

↓以下、ネタバレ含む。








前作と合わせた2部構成で一本という感じなので、現代パートは前作でやりきったのか今作では過去がメイン。主軸はインを陥れる義兄弟たちとの戦いで、それが現代から時代を越えて過去にまで遡る、というのがポイント。ただ前作で死んだはずのフウが今回は味方として過去に存在するのがよくわからんです。また兄貴分のロンと普通に行動してるのも不自然ですが、インを狙撃したのがロンだったというのはインは知らないんだったっけ?ちょっとうろ覚えのため混乱しました。それはともかく、インと義兄弟たちの子供時代が映されるのがせつないところ。仲のよかった彼らが争うことになるのが野心や権力のためというのが悲劇です。特にインに村のことを頼まれたフウがゴウと戦い散っていくのは、前作とは異なる死に様としてやるせないです。もう少し戦う際の躊躇とか、義兄弟の間で通じる符合みたいな描写があればさらにせつなくなりそうなところですが、そこら辺ちょっとあっさりめなのは残念。

アクションは思ったより少なめですが、ロケーションが一風変わっていてそれぞれテイストが異なるのが面白い。最初にタイムスリップするのは明朝ではなくあれは清の時代でしょうか、日本軍が反乱分子を探す電車のなかへ。なぜこの時代が出てくるのかがよくわかりませんが(北条との日本繋がり?)、狭い電車の通路でのメイとの共同バトルがコミカル。偉い人への謁見では大軍に囲まれてのピンチ。ここでロンの「未来で何を学んだ?」に対し、中指立てるドニーさんが最高。またクライマックスでは倉田保昭の北条将軍とのバトル、ここでは日本刀の刃こぼれしない切れ味の凄まじさにシビれる!悪役もカッコよく描くのは好感です。その後なぜかまた電車のなかで戦うのが不可解ですが、時間旅行は電車というイメージなんでしょうか?

タイムスリップを実現する「天竺の皿」については、皿から出てくる球とリンガがあればいいのか、一体どれが本体なのかがよくわからないし、どの時代に行くかはどう決めるのか、場所も移動するのかなど色々とぼんやりしすぎ。誰が呪文を唱えても発動するというお手軽すぎる仕様も雑ですが、どうもただ時空を越えるというだけではなく「人生の選択」という視点が色濃くあるようです。あの長老がインに問う右と左のどちらの道を選ぶか、それによって人生が大きく変わるということなんですね。インは「男には守るべき4つのものがある、国と両親と仲間と妻子」と言いますが、その全てを守れず失うことになります。そんな彼が再び立ち上がり新たな戦いへと赴くのが熱い。時空のトンネルに迷い込み、最後はお白砂みたいな地で空中に石のリングが舞うという時の狭間のような異世界にまでやって来るのは驚き。もはや時空を越える能力を自分のものにしたということなんですかね。北条との最後の戦いで首をはねて決着というところまで魅せてくれます。

やたら過去に馴染み、インのことをなぜか「イン兄さん」と呼びだすメイはそれでいいのかとか、結局インはメイとユーナンどっちを選ぶのかとか、最後はフーがロンを裏切って射殺しますがいつショットガンを持ってきたのかとか、そもそも時空越えと北条戦に焦点が当たって義兄弟との対立のことが宙に浮いちゃうとか、色々ぼんやりしてるところは多いです。最後に時間を遡って全てを戻す、というのをやるかと思ったらやらないんかい!というのも肩透かし。でも最後は「天竺の皿を使ってはならない、時間を越えてはならない」「だから私は宇宙唯一の時空の旅人となったのだ」とキメてくれるのがシビれます。意味は全くわかりませんがなんかカッコいい!「死んで甦り、三世を生きる」というので既に二度死んだインにはもう後がないということなのでしょうが、それでも時空の旅人として歴史を救っていくのでしょう。たぶん。いやどうなんだ。またもや宙ぶらりんな感じで終わるのでわかんないんですけどね。なかなかわからない点だらけの出来ですが、それでもドニーさんに引っ張られて楽しみました。続編やるならどんとこい!という感じです。

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