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2019
01.09

超絶バトル!サイヤ人の神髄。『ドラゴンボール超 ブロリー』感想。

dradonball_blory
2018年 日本 / 監督:長峯達也

あらすじ
おらワクワクすっぞ(いつも通り)。



さらに強さを求めて修行に明け暮れる孫悟空とベジータ。ある日そんな彼らの前に地獄から舞い戻ったフリーザと、見たことのないサイヤ人ブロリーが現れる。悟空、ベジータ、ブロリーという3人のサイヤ人の壮絶な戦いがいま始まる!鳥山明原作のアニメ『ドラゴンボール』シリーズ、劇場版20作目。

国民的コミックの枠を越えてもはや世界的とも言うべき人気の『ドラゴンボール』、その劇場版が1986年の1作目から足掛け32年で20作目となりました。いやスゴい。1作目の年に産まれた子ももうすっかりおっさんですよ。本作は2015~18年に放送されたテレビアニメ『ドラゴンボール超(スーパー)』の名を映画版として初めて冠してますね。『超』は観てなかったんですが、どうやら8つの宇宙の代表戦士たちがそれぞれの宇宙の存亡を賭けて闘う「力の大会」というのをやってたそうで、強さのインフレは相変わらずのようです。で、その後に続くのが本作。

天然格闘バカ・孫悟空と、恐妻ツンデレ王子・ベジータの前に、またも現れた殺戮宇宙狂人・フリーザが連れてきたのは、ナチュラルボーンファイター・ブロリー!ブロリー自体は過去の映画でも何度も登場してるようですが今回改めてリブートされているようで、このブロリーの出生の秘密に加えベジータ、悟空の幼少期も同時に描かれます。そしてそんな経緯を経て出会った三人のサイヤ人のとんでもない超スピードバトルをひたすら描く後半、これが太い線画も相まって怒涛の迫力!

2015年の『ドラゴンボールZ 復活の「F」』同様に、原作者の鳥山明が自ら原作・脚本・キャラクターデザインを担当している、というのも予想以上の安心感。ドラゴンボール映画は『神と神』『復活の「F」』くらいしか観てないので赤とか青のサイヤ人はよく知らないんですが、まあ順番にパワーアップしてるのはわかるし、明らかに今までとは違うレベルのハイパーバトルなのでこれは燃えますよ。キャラを絞ってバトルに特化したのは英断だし、チライとレモのコンビが思いのほか良いし、フリーザがおいしい。ちなみに予告編で悟空が言う「おめえまだ上があんのか」という台詞は本編にはなかった気がします。

↓以下、ネタバレ含む。








■サイヤ人を描く物語

本作はまさに「サイヤ人を描く物語」と言っていいでしょう。メインとなるのがブロリーを中心としたサイヤ人たちであり、その歴史や生活、子育てに至るまでが描かれていて、こういうバックボーンを丹念に描くというのはドラゴンボールでは珍しいので非常に興味深くて面白いです。始まりはフリーザに破壊される前の惑星ベジータ。ここでフリーザの父親コルド大王が登場してフリーザへの代替わりを行い、同時に赤子であるベジータと悟空も描かれ、彼らの因縁めいた関係がクローズアップされます。ベジータの本名ってベジータ四世だったのか!とか、悟空の父バーダックってもっと悪党っぽかった印象だけどカカロットを逃がす親心を見せるのね!とか、悟空の母ギネが初映像化!と言うか女性サイヤ人って初めて?(知らないだけかもですが)など、なかなかの見せ場の連続。サイヤ人滅亡の瞬間などは『スター・ウォーズ』で惑星アルデラーンがデス・スターに破壊されたやるせなさに匹敵しますよ。これらのエピソードは短編コミックとしても描かれているらしいので、まさに原作準拠。うーん、ドラマチック。

さらにドラマチックなのがブロリーです。ベジータを越える天賦の才を持ちながらその力を不安視された王に追放され、復讐に燃える父パラガスにより殺人マシンにされたブロリー。死の星で生き延び、大猿の力を変身せずに使えて、唯一の友達だった巨大生物バアを父に追い払われて、バアの千切れた耳を腰の毛皮として大切に巻いている、と結構な盛りようで、その強さと裏腹な純粋さが好ましいキャラとなっています。あと父パラガスに戦わされるという哀しさだけでなく、チライとレモによって精神的に救われるという優しさがある展開も良いですね。フリーザを裏切ってまでブロリーを助けようとする、いやあイイですよあのコンビは。


■キャラを絞った潔さ

一方でまたもや復活するフリーザ様ですが、ブロリーを引き入れたことで調子こいて、また懲りもせず地球にやってきます。目的はドラゴンボール!しかし今回のフリーザ様は一味違う、なんと驚きのコメディリリーフだ!ブルマの望みが「悟られないように5歳若返る」なのに対しフリーザは「悟られないように身長5センチ伸ばす」ですよ。それをさも緊急度が高いかのように汗まで滲ませながら力説するという、今までとは全く異なる緊張感を見せるフリーザ様!フリーザでさえコンプレックスというものがあるのだ、という勇気の出る話です、と言えなくもない!あと「過酷」と言われて意味がわからず聞いてくる悟空に親切に教えてやるフリーザ様ね!自分はこんなバカと張り合ってたのか、という気持ちが滲み出ていて最高。こんなのフリーザ様じゃない!という声も上がりそうですが、個人的にはキャラの幅が広がってるのが愉快です。

そして始まる怒濤のバトル。いやホントに後半はバトルしかしてないですからね。しかもそれを悟空、ベジータ、ブロリー、フリーザのみでもたせるというのがスゴい。ピッコロはフュージョン指南しかしないし、悟飯やクリリンは出てきさえしないしで、登場キャラの絞り方は本当に潔い。でも今までは悟空だけが強すぎてせいぜいベジータくらいしか追随できず、他は皆ザコキャラ扱いになってしまうというジレンマがあったので、これは英断でしょう。おかげで他のキャラを気にせず思う存分暴れられるわけです。ウイスがいますがこれは悟空たちより全然強いし基本中立なので邪魔にならず、ビルス様は最初から不参加なのでこれまた邪魔にはなりません。もしいたら「ビルス様よりつええ」とか言っちゃう悟空にブチ切れてめんどくさいことになってたかも。

あとブルマが現場にいますが、これはベジータがいるので何の問題もなし!ベジータは足場が崩れたときにはさりげなくブルマをかばうし、屈辱のフュージョンポーズも悟空の「愛するブルマを救うため」という台詞に赤くなりながら受け入れるし、ベジータをここまで虜にするブルマすげーな。悟空とベジータのフュージョンは過去作にもあったようですが、ちょっと指がズレるだけでも失敗して30分待たなきゃいけないとかタルいなあ、と思ったらこの時間をフリーザをブロリーにぶつけることでもたせるというのも上手い。逆に言えばフリーザはブロリー相手に1時間も粘ったということですよ、さすがフリーザ様!前作で出てきたゴールデンフリーザ姿も見せてくれて、笑いにバトルにとおいしいフリーザ様です。


■戦うことと生きること

バトルシーンが今までよりもスピードを増しつつダイナミックなアングルでも見せてくれて、とにかく工夫が盛り盛りで飽きさせません。悟空が太極拳みたいないなし方をしたり、背負い投げをかましたりするのも新鮮。スーパーサイヤ人、赤髪のスーパーサイヤ人ゴッド、青髪のスーパーサイヤ人ゴッドスーパーサイヤ人(もうよくわからん)、そしてゴジータと、レベルアップするたびにバトルもしっかり激しくなっていくのも楽しい。ゴジータについては、『復活の「F」』でお互いに「協力して戦うのはごめんだ」と言っていた二人が、「一人じゃ無理だ」と言って一体となるという経緯を考えると実に熱いです。舞台が北極ということで白い背景が破壊される様は綺麗だし、その氷の大地が灼熱のマグマに変わるというのも激しい。もはや異次元のようにその風景を変えていくのが楽しいです。また最近のアニメでよく見る劇画のように太い線で迫力を増す作画もイイ効果だし、バトル時の音楽ではブロリー!孫悟空!と名前を叫んでるのが格闘ゲームのBGMっぽくてアガります。

とりあえず気合い入れて叫べば強くなるので後半はほとんどずっと叫んでるようなイメージで、野沢雅子さん血管切れないかな大丈夫かな?と余計な心配をしてしまうんですが、そのかいあって、ただひたすら戦う男たちにただひたすら没入できるという快感。ラストは父を失ったブロリーにチライとレモが同行するというのがじんわりするし、その余韻をブチ壊して普通にテレポートしてくる悟空のデリカシーのなさに呆れつつも、生きていてこそ戦えるんだ、という結末は実に爽やか。いやあ楽しかった。節目に相応しい、それでいてドラゴンボールらしさを極限まで削りだした出来に拍手です。

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