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2018
09.28

家族を救え、炎の摩天楼!『スカイスクレイパー』感想。

Skyscraper
Skyscraper / 2018年 アメリカ / 監督:ローソン・マーシャル・サーバー

あらすじ
天国に近いビル(落ちたら地獄)。



元FBIの人質救出部隊で、今は危機管理コンサルタントをして働くウィルは、香港に建設された地上最大の高層ビル「ザ・パール」の安全管理チェックを任され、家族でビルに滞在していた。しかしウィルの不在中にビルオーナーのジャオを狙う犯罪組織が侵入してビル内に火をつけ……。ドウェイン・ジョンソン主演のパニック・アクション。

高さ1066メートルという、ドバイのブルジュ・ハリファ(828メートル)より高い超高層ビル「ザ・パール」を舞台に、犯罪組織によって起こされた火災から家族を救おうとする男を描きます。ある事件で左脚を失って10年、今は義足を付け危機管理コンサルタント会社を経営し妻と子供二人の家族も得たウィルは、かつての同僚経由でザ・パールの安全監査を依頼されるものの、そこで家族共々未曾有の危機に巻き込まれ孤軍奮闘することに。見どころとしては、舞台が技術の粋を集めた超高層ハイテクビルであること、そして主演がロック様ことドウェイン・ジョンソンであることですが、この2大要素を余すところなくパニック・アクションに落とし込んでいてしっかり面白い。予告で観た「パパ飛びまーす」はまだ序の口、あまりに高すぎてキューッとなる高所での無茶すぎる対応の数々には手に汗ですよ。またこの高層ビル、下半分が商業エリア、上半分が居住エリアなんですが、空調やら防災やらのハイテク管理や、近未来一歩手前くらいの斬新なデザインが予想以上に手が込んでいて楽しいです。

『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』『ランペイジ 巨獣大乱闘』と主演作が立て続けのロック様が演じる主人公のウィル・ソーヤーですが、今回のロック様は元救出部隊リーダーとは言えもう10年も銃に触っておらず一般人と化していること、左足が義足という設定であることが思った以上に無双感を奪うハンデになっていて、そこがさらにスリルです。またウィルの妻サラ役、どこかで見覚えが……と思ったら『スクリーム』『ワイルドシングス』のネーブ・キャンベルじゃないですか!強いわけだ!ほか、ビルオーナーのジャオ役に『ゴースト・イン・ザ・シェル』のチン・ハン、敵となるコレス・ボタ役にローランド・ムーラーといった面子も良い感じです。監督のローソン・マーシャル・サーバーは脚本も担当、『セントラル・インテリジェンス』でもロック様と組んでるんですね……と思ったらこの人、『ドッジボール』の脚本・監督なのか!どこか軽妙な感じがするのはコメディ畑出身だからかも。

ビル火災のパニックものと言えば『タワーリング・インフェルノ』ですが、他にも色んな映画を思い出すシーンが見られるのも愉快。子供たちまで巻き込まれてそれを救う父、という家族ものでもありますね。パパ大変なのにむっちゃ中継されてるのにはちょっと笑うし、なんでそこにそれが?みたいなのもありますが、思わぬところまで伏線として回収していくのは粋だし、スリリングな見せ場の連続がとにかく楽しい。高所恐怖症の人は気合い入れて観ましょう。だって高さ1066メートルって1キロ超ですよ?ほぼマクロスと同じですよ?

↓以下、ネタバレ含む。








舞台となるザ・パールがとにかくデカくて、香港の街ににょっきりそびえる威容にはちょっとした恐怖感さえ感じます。タイトルの『Skyscraper』はズバリ「超高層ビル」の意味ですが、むしろ「摩天楼」の方がしっくりきますね。ビル名の由来と思われるてっぺんの真珠のような球体とか、ねじれたようなデザインなどの奇抜さもありつつ、設備としては最新のテクノロジーを駆使しているというのが現実感あります。火災の時も自動で消火設備が働きますが、ジャオ社長が「火事なのはそのフロアであってこのビルではない」と言うように、フロアごとに切り離して管理できるのでしょう。数階層ブチ抜いた緑いっぱいの公園というのが未来的だし、球部屋の全視界透明化ではキューッとなるし、色々と凄いですね。住みたくはないが泊まってはみたい。しかしこのデカさ、ハイテク、特異な作りの全てが、家族を助けたいウィルにとっては脅威となります。

侵入するのも一苦労なんですが、隣のクレーンをエレベーター使わずよじ登っていくロック様にはいきなり面食らいます。伸びきらなかったクレーンの腕を走るのだけでもキューッとなるのに飛ぶというのがね、正気じゃないですね。と言うかこのクレーンも何気に世界最大なのでは。侵入してからも一苦労、火で分断された家族を救うため、燃える公園の高所での橋渡し。あの重そうな板を人力で支えるロック様にまたもや面食らいますが、いやもうちょいちゃんと架けて!あと板細いな!そして妻と息子はエレベーターという名のフリーフォール!取っ捕まったロック様は娘を人質にされた挙句、ビル壁をつたって回転する風力ファンの隙間を飛ぶ!キューッとなる!なぜそんなところに社長部屋も開けられるブレーカーのスイッチがあるのかわかりませんが、外はやめて!落ちたら死ぬから!と当たり前のことを声高に言いたくなります。終盤のヘリのクラッシュなどは、高いし狭いし爆発するしでもう勘弁してください。息子が喘息持ちというのも何気に不安を煽ります。それにしてもビルを見上げる人たち、あんな高所じゃ何も見えない気もしますが相当目が良いんだろうか?

義足設定によりあまり早く走れない、踏ん張りが効かないなどのハンデになるわけですが、ロープに引っ掛けたり扉が閉まるのを防いだりと物理的にも利用しているのが上手い。あと裏切った元同僚との争いを何とかギリで制するとか、コレス・ボタたちに取り押さえられたときの無力さとか、FBIを引退して10年経つという「動けなさ」を演技で感じさせるロック様はやはり大したものです。それでいて「ダクトテープがあれば何でも直せる(あと壁も移動できる)」と『ダイ・ハード』のようなタフさもあって、それらを両立できるというのがさすが。そういえば最後に警察の人が「やっと会えた」とか言うのも『ダイ・ハード』っぽいですね。高層ビルの壁面をつたうのは『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』を思わせるし、球体部屋の300枚以上ある画面が鏡のようになるのは『燃えよドラゴン』のようだし、色んな映画の面白さを取り込んでます。

ビルのセキュリティがタブレット一枚に集約されてるというのはかえって危ういし、あれでは遠隔管理室が意味がないのでは、というのは気になります。そもそも犯人側が動機に対してリスク高すぎると思うんですよね、目立つし。ジャオがヘリの前でいきなり裏切ったように見せるというのは即興なのかな?あれウィルは本気で戸惑ってたように見えたけど、よくわかんないですね。でもそんなことはどうでもよくなるクライマックスが実に熱い。冒頭と同じ爆弾を持った犯人が子供を人質にとるという状況、しかも今度は自分の娘。これを覆す見事な逆転劇にはすっかり騙されて、おおおッと震えましたよ。あと奥さんが女殺し屋に蹴りをかましてノシちゃうのも痛快。序盤の「大抵は再起動すれば直る」というのがまさかの伏線だったというのも気持ちいいですねえ。システムのリブートでドラゴンの模様が怪しく光る、というのも個人的にカッコよかったです。

なぜこんな超高層ビルを建てようとしたのか、劇中で何か説明があったような気はしますが、少なくとも栄光の象徴という意味合いは感じさせます。現代のバベルの塔とも言うべき存在感ですね。しかしこの塔は神に崩されるのではなく、同じ人間によって大きな損傷を受けます。それでもまた再建すると言うジャオ社長。この社長が悪人としては描かれていないため、こんなビルを建てるとは……というような傲慢さではなく、人間の飽くなき挑戦!みたいなニュアンスを感じさせるんですよ。いいのか?まあビル自体はセキュリティの穴はあっても悪ではないしなあ。でも散々な目に遭ったウィルたちソーヤー一家は怒ってもいいと思うんですけどね。いや怒るべき相手は犯罪者たちでもう亡き者だからどうしようもないんですが、とりあえずジャオには慰謝料もドカンと上乗せして請求してもいいんじゃないですかね?

まあそんなことはともかく、わかりやすい展開とスリルに満ちたアクション、工夫を施した見せ場の数々で、そこまで新鮮味のない題材でも新たな極限パニックものが作れる、というのを本作は示してくれたと思います。ロック様ありきの展開ではあってもそれも込みで、と言うかそれだからこそ面白いです。

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