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2018
07.30

振るえ腕力、閃け記憶力!『ガン・ドッグ』感想。

hot_dog
Hot Dog / 2018点 ドイツ / 監督:トーステン・クンストラー

あらすじ
上司が一番大変。



ドイツの特殊部隊GSG10に所属する、凄腕ながら命令を聞かずムチャばかりするルークと、抜群の記憶力を持ちながら武器庫の管理係としてくすぶるテオ。問題を起こし大統領官邸の警備係に異動させられた二人だったが、不意に突入してきた謎の武装集団により、官邸を訪れていたモルドバ国大統領の娘を目の前でさらわれてしまう……。ドイツ発のアクション・コメディ。「カリコレ2018」上映作品。

美術館に立てこもった武装集団に独断で突入し解決するも、美術品を派手にブッ破して大目玉を食らうルーク。一度見たものは忘れない記憶力を持ちながら、ヘタれさのせいで武器庫管理に回されているテオ。性格も見た目も正反対の二人が、閑職として異動させられた大統領官邸の警備で、赴任早々他国の大統領の娘マーシャをさらわれるという大失態。停職を言い渡された二人は、ルークは部隊に戻るため、テオはホレてしまったマーシャを救うために協力して捜査を始める、というバディもの。無愛想&暴力デカと写真記憶&口数デカによる珍騒動は、色々大味なところはあるものの、90年代バディアクションの趣と、軽い下ネタも込みのライトなテイストにより気軽に観れます。周囲に疎まれ、孤独を隠し、それでも悪党と戦うという熱さもあって愉快です。

ルーク役のティル・シュワイガーはハリウッド映画も結構出ており、『イングロリアス・バスターズ』とか近年では『アトミック・ブロンド』の時計屋とかの人ですね。豪胆で腕力が全てみたいなちょっと古風なキャラですが、よく喋りよくやらかすDT青年テオ役のマティアス・シュバイクホファーとのコンビが良い感じ。『48時間』とか『バッドボーイズ』なんかを思い出す系譜です。また二人と行動を共にするテオの同僚ニッキー役のアン・シェイファーが、コメディエンヌっぷりを出しつつ時々妙にエロいのもアクセント。

ちょいちょい差別的な発言が出るけど、相方が「それはよくない」みたいにカバーするというのが現代的ではありますかね。ブラックというほどではないけどちょっとギリな笑いで引っ張りつつ、なぜか国家規模の陰謀に立ち向かうことになるコンビの、アクションあり、ロマンスあり、荒唐無稽で波乱万丈な、ある意味王道なバディムービーです。

↓以下、ネタバレ含む。








威圧的で口数の少ないルークは特殊部隊員としてはピカ一で優秀なものの、勝手ばかりやってニュースになる問題児。そんなルークに対し、武器庫管理のテオは武器を勝手に使ったりするのを苦々しく思いつつも、第一線で活躍するルークに憧れも抱いているというところでしょうかね。しかしルークはテオが叔母のヘルガに似ていると言ってヘルガ呼ばわりして相手にしません。女みたいだなとか、小人が~とか、ルークはちょいちょい女性差別やら身体的差別な発言があり、その都度テオがフォローするような言動が続きますが、悪党なら小人症でも容赦なくぶん殴るので、差別してると言うよりは単に口が悪いんでしょう。そんなのもあって優秀な隊員のわりにはいまいちオツムがよろしくない印象。敵の潜む屋敷に乗り込み、敵ボスたちが会している場に一人で悠々と入っていって簡単に包囲されるとか、さすがに頭が悪いのでは……。

一方のテオは、敵の特徴であるタトゥーに気付いたりと最大の長所である写真記憶の才能はちょくちょく活かされるし、言語堪能という設定が意外と役立ったりしますが、大体はいちいち理屈っぽいしベラベラうるさいので周囲からナメられます。マックでの注文が超めんどくさい!大統領の娘なのに、髪を振るというベタ仕草とゼロ距離攻撃で童貞を殺しにかかるマーシャのエロさも大概ですが、即座にホレるテオもチョロすぎ。吸入器の代わりにゴム使ったり、ぬいぐるみ相手にケツ丸出しで練習(しかも寝落ち)したりと、なかなか酷くて面白い。バズーカを逆に撃つとかいつの時代のうっかりだよ久々に観たよ。そんなテオにグイグイ迫る女性ニッキーもこれまたアレで、なんだあのエロいアイスの食い方は。あとルークたちがあまりに無茶するから、上司が心労で幼児退行してドミノ倒しでワーイとかやってるのが笑えます。

ル-クとテオを捕まえたのにすぐには殺されずに逃げられ、終盤捕らわれたルークも殺さずにわざわざ飛行機に乗せたりと、敵テロリストたちがマヌケすぎるというのはありますけどね。クラブの小人のオーナーやルークの恋敵でもある連邦捜査局長まで、出てきたヤツが大体黒幕ってのもスゴいです。あの女性までグルだったというのを最後までとっておくとか、車椅子の敵が実は歩けるとかも特に必要性ないんですけどね。まあそんなこんなはありつつも、ピンチのルークがテオとの合言葉「ホットドッグ」を言ってテオ大喜びとか、飛行機へ助けにきたテオを「ヘルガ」ではなくちゃんと名前で呼んだりとか、二人のバディ感が増していく感じはしっかりあります。大爆発する洋館をバックにこっちに駆けてくる、みたいなキメ絵もあるし、ラストの砲撃が凄い方向に曲がっていくのはご愛敬ながら痛快ではあるのでいいんじゃないですかね。

別居した妻子に未練タラタラだったルークは家族の元へ戻るし(娘の彼氏への脅し方が直すぎて最高)、誰からも愛されないと泣いていたテオも彼女ができ、父親にも認められてめでたし。最後が表彰式というのも王道っぽいです。愛想をつかされた捨て犬と負け犬が猟犬=ガン・ドックになるということですね。原題の『ホットドッグ』はアメリカでは「やったー!」みたいなスラングでも使われるそうですが、ドイツではどうなんでしょう。少なくとも本作のイメージはそんな感じでした。ちなみにエンドロールでルークの叔母ヘルガが登場しますが、テオに似てないどころかDJとかやってて超ファンキーでした。

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