FC2ブログ
2018
07.26

雪山のバトル家族!『ワイルド・ブレイブ』感想。

braven
Braven / 2017年 カナダ / 監督:リン・オーディング

あらすじ
人の家は隠し場所には向きません。



妻と娘、父親と暮らし、材木店を営むジョー・ブレイブンは、父リンデンと向かったロッジで、そこに麻薬を隠していた麻薬組織の売人たちと鉢合わせをしてしまう。ジョーは自分たちを殺そうとする売人たちに対抗しようとするが……。ジェイソン・モモア主演のサバイバル・アクション。「カリコレ2018」上映作品。

季節は冬、舞台は山奥の山荘。認知症を患う父リンデンと今後を話し合うため、親子の思い出のロッジにやってきた材木屋のジョー。しかしタイミング悪く、たまたまその山荘に運搬途中の麻薬を隠した組織の連中が麻薬を取りに来てしまう!自分たちを殺そうとする奴らに対抗するため、親子は敵を迎え撃つことに、という『ホーム・アローン』や『パージ』のような迎撃ものです。ガタイはよくともジョーは一般人のため痛快一辺倒とは行きません。それでも武装したプロの悪党たちを相手に、地の理を活かし、山男スキルを駆使して奮闘するジョーと親父!タフだけど無双じゃないというバランスがスリルで、工夫を凝らした展開が面白いです。あと雪山の風景が寒そうなので夏に観るにはちょうどいいかも。

主人公ジョー・ブレイブン役は『ジャスティス・リーグ』のアクアマンことジェイソン・モモア。妻と娘を愛し父から継いだ材木屋を営む姿は、ワイルドでありながらイイ人感が溢れていて、今までにない役柄。製作にも名を連ねてます。また父リンデン役は『ドント・ブリーズ』の変態親父スティーヴン・ラングで、認知症を患いながらそれでも悪漢を迎え撃つ頑固老人として登場します。この材木屋親子に加え、ジョーの妻ステファニーや娘のシャーロットも巻き込まれていくんですね。また『チョコレートドーナツ』ギャレット・ディラハントが演じる敵ボスのカッセンが、非常にデキる強敵なのもイイ。

もう少しこうしてくれればという細かい不満や、カットされたのかやや唐突な点など気になるところはありますが、雪山ならではのアクションやトラップはなかなか面白いし、モモアの優しげな面がこれでもかと見られるのがお得感。普通なら死ぬけどアクアマンだから大丈夫!というシーンがあったり、人は銃で撃たれてもなかなか死なないという『フリー・ファイヤー』を思い出したりするのも愉快です。

↓以下、ネタバレ含む。








ジェイソン・モモアとスティーヴン・ラングが揃ってれば大抵の敵は蹴散らせるんじゃないかと思うんですが(まあ実際蹴散らすんですが)、でも全てが上手くいくというわけでもないバランスの取り方は良いです。ブレイブン親子はあくまで一般人ですが、リンデンが孫娘に「狩りをするか」と言うように武器となる猟銃や弓矢や斧はあるし、獲物を捕らえる罠もあるし、それらを使った山男らしい撃退法が面白い。猟銃による親父のスナイピングは敵を足止めし、ジョーの斧投げで敵を打ち倒し、スノーモービルで囮になったりもします。こっそり付いてきちゃったシャーロットちゃんがハラハラ要素となり、父リンデンが記憶をなくしちゃうのではというのもスリル。

一方で敵方は5、6人と人数が多く、当然銃も持っているし、山荘を囲みながらじわじわ追い込んでくる緊張感がヤバいです。撃たれても刺されてもなかなか死なないし諦めないというのがなかなかタフ。特にネイティブ・アメリカンのウザい男を「撃ち殺したい」と言ってた奴は、2発くらい撃たれた上に焼けたペンチで首を挟まれて、それでも火のついた小屋に乗り込んでくるという根性がスゴい。そして敵ボスのカッセン、ダイナーでいきなりブチ切れる暴力性がありつつも、部下への指示の出し方が的確かつ素早く、娘が電話連絡を取ろうとしているといち早く見抜いたりと洞察力もある実にデキる男。これが怖いですね。ナイフの扱いにも慣れてるようだし、元兵士とか傭兵とか何か設定があるのかも。

ただそうした設定が活かしきれてないとか、ちょっと説明が不足気味なところは色々あります。序盤に車で逃げようとするジョーが「何かがおかしい」と言って小屋に戻る根拠がよくわからないし(野生の勘か?)、リンデンが認知症という設定はそのためにピンチになるということも結局はないのであまり活きてこないです(朦朧としたりはするけど)。山荘での位置関係は内も外も把握しにくく、誰がどこにいるのか東側西側がどっちかがわかりにくいですね。ジョーとリンデンで舞台が分かれたあとは山のなかを追ってる間に小屋の方がほったらかしのようにも思えてしまいます。

嫁がなぜアーチェリーを持ってるのかもよくわかりませんが(趣味?)、ただその後の嫁の反撃が矢で撃つわ刺しまくるわと尋常ではないので、むしろオッケー。ジョーが真冬の海に落ちるという本来なら瀕死の目に遭いますが、まあ大丈夫ですアクアマンだから。ここで濡れた服を着替えるとき、ニット帽かぶってからシャツを脱ごうとして結局帽子が脱げちゃうという謎の行動がどうかしてますが、モモアが可愛いので許します。妻子が人質になるかと思ったら、嫁はアサシンだし娘も連絡取ったあとあっけなく警察に保護されるしで一安心。なんかもう家族総出です。

傷を負った父の、何も言い残すことさえできないという末路はショック。父リンデンを最後まで戦わせるという展開もありだったと思うんですが、そこはヒロイックな話にはせずリアリティを重視したということなのでしょう。それだけに怒りのジョーが最後にカッセンとの一騎討ちで見せる、追い詰められたと思わせての罠による命懸けの逆転劇にはシビれます。結局父との会話は成されないまま終わってしまうので喪失感が強いですが、家族3人が抱き合って幕というラストショットに、原題が「Braven」であることを思い出します。父がいなければ生き残ることができなかった、故にこれはジョーと妻子と、そして父も含めたブレイブン家の話なのだという、実は硬派な家族物語なのでした。

スポンサーサイト



トラックバックURL
http://cinemaisland.blog77.fc2.com/tb.php/1411-f2f9ccde
トラックバック
back-to-top