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2018
06.24

王の中の王を称えよ!『バーフバリ 王の凱旋 完全版』感想。

Baahubali_2_2
Baahubali 2: The Conclusion / 2017年 インド / 監督:S・S・ラージャマウリ

あらすじ
ジャイ!マヒシュマティ!



架空の国マヒシュマティを舞台に伝説の王バーフバリを親子二代にわたって描く、愛とバトルと復讐の壮大な叙事詩『バーフバリ 王の凱旋』。2017年末に日本で公開されたインドの大ヒット映画であり、『バーフバリ 伝説誕生』に続く2部作の後編ながら驚異的なロングランとなった本作、あまりの人気にこのたび「完全版」が公開されることになったんですね。

これは日本公開された141分の「インターナショナル版」よりも26分長い、本国インドで公開された本編167分のオリジナル完全版です。本来インド映画は上映時間3時間くらいはざらなので短く編集されたバージョンが国際版として上映されるのはよくあるんですが、オリジナル版まで公開されるのは実に珍しい。口コミで人気が広がり、絶叫上映なども頻繁に行われ、観た人がマヒシュマティ国民を名乗ったり「王を称えよ」と連呼したり「バーフバリ!バーフバリ!」しか言えなくなるという現象を巻き起こし、ついには4月にラージャマウリ監督の来日まで果たされ、とうとう「完全版」上映となったわけです。いやスゴい。映画史に刻まれる出来事と言っていいでしょう。

完全版ということで、インターナショナル版になかったダンスシーンがまるっと1曲追加されていたり、ちょっとした繋ぎのシーンが加わっていたりして、より深みが増しています。そのぶん若干テンポが悪くなってる……かと思いきやそうでもないかなあ。少なくとも26分も長いのに全くダレてる感じはないですよ。もう何度観ても面白いし、熱いし、泣けるし、壮大でパワフル。あまりにカッコよすぎて泣くという奇跡の167分。配給のツインさんには感謝ですよ。もちろんインターナショナル版を観ずにこちらから観ても全く問題ないです。

本作の感想についてはインターナショナル版公開の際に書いてますのでそちらを。
その目に神話を焼き付けろ!『バーフバリ 王の凱旋』感想。

ここでは完全版ならではの良かったところ、というのを簡単にまとめておきます。

↓以下、ネタバレ含む。








・長い時間マヒシュマティの世界に浸っていられる!いやあ、好きな人にとってはあの世界にさらに長く浸れるというだけで「ああ、ありがてえ……」みたいになっちゃうのでね、長くなることで良いのか悪いのかと言われてもちょっと冷静に判断できないんですけどね。いやぁありがてえありがてえ……

・デーヴァセーナに比べてヘタレっぷりが目立つ初登場時のクマラですが、それを擁護するどころかさらにヘタレっぷりが際立つ「自分のまわりは護衛は10人」!

・祈りの時間と言いながら、なぜか歌とダンス!と言うわけで尺的に最も大きな変更点である「かわいいクリシュナ神よ」の曲に合わせたインド映画らしいゴージャスなダンスシーンが追加。クリシュナ神のかわいさを歌うと見せかけて気になるアイツへの想いが漏れちゃうデーヴァセーナ様、あなたがかわいいです。

・デーヴァセーナに名前を聞かれたアマレンドラが「シブドゥ」と名乗っていた!シブドゥと言えばアマレンドラの息子マヘンドラが幼少時に養父母に付けられていた名前。マヘンドラとの偶然の繋がりがドラマティック!普通に考えればさすがにちょっと出来すぎではあるんですが、運命の流転を描く本作であればこそ受け入れることも可能でしたよ。

・愚鈍な甥と調子のいい叔父という茶番を続けるバーフバリとカッタッパ。特にクマラにへいこらするカッタッパには笑いますが、肩に置かれたクマラの手からさりげなく逃げる、というシーンが追加されてますね。

・デーヴァセーナがこのままでは相手はクマラしかいなくなるぞ、みたいに言われますが、クマラの方は特に何も意識してないのかと思ったら、意外にも判明するデーヴァセーナへの想い!自分に実力があると勘違いしていたから思わず調子乗ったみたいな感じなのでどこまで本気かはわかりませんけどね。そんなデーヴァセーナへの淡い思いを抱いていたらしきクマラも、相手がバーフなら異論なし!

・夜に木の枝に止まるつがいの鳥を見て、恋を語るバーフ。さすが王はロマンチストであられる!対するカッタッパは鳥=食材としてしか見れません。あまりのデリカシーのなさにさすがのバーフも言葉をなくす、という貴重なシーンです。

・王宮を追放され野に下ったバーフバリは民と共に仕事をするなかで様々な工夫を凝らしますが、からくりを駆使した石砕きマシーンを設計・開発するという、物理とか科学の分野にも強いことを見せてくれます。王は頭脳もピカ一だった!

・クライマックスの王宮での一大戦闘、カッタッパがバラーラデーヴァの父ビッジャラデーヴァとやりとりするシーンが!王に仕えると言いながら現王に歯向かうカッタッパの行為は裏切りだと主張するビッジャラデーヴァに対し、マヘンドラこそ本来の王であることを突き付けるカッタッパ。このシーンはカッタッパがアマレンドラを殺しながら息子のマヘンドラには従うことの理由として、心情だけでなくロジカルに納得させられる場面になっています。

・インターナショナル版にはなかったエンドロールがある!あちらの終わり方はあまりにあっけなかったので、エンドロールがあるとたっぷり余韻に浸れていいですね。また途中で老人と子供らしき二人の会話が流れ、「マヘンドラが絶対とは限らない」というような会話がさりげなく流れてきて、たとえ正当な王であれ間違った治世を行えばその座を追われるのだ、と説いてるわけです。なんというフェアさ。脱帽です。

 ※

他にも細かい点で色々違いはあったかと思いますが、見比べないとちょっと断言できないのでこの辺で。また、あえてこの完全版の不満点を挙げるならば、

・製作やら協賛やらが多過ぎて、本編が始まるまでのロゴの表示がむっちゃ長い。それだけインドでも大作だということなんでしょうけどね。

・インターナショナル版公開時に冒頭で流れていた「前作のあらすじ」がないのはちょっと寂しい。あれ良くできてたんだけどなあ。

・指を切られるところに一部ボカシが入っていたりします。インドのレイティングは厳しいんですかね。

・上映時間が長い上に上映館も多くはないので、そうそう何度も観れない、というのが悲しい。

といったところでしょうか。不満と言っても本編に関わるところではないのでまあ些細なことですけどね。とにかく未公開だったシーンも観れるし、再び王を称える喜びも味わえるしで、この素晴らしい作品を観れたことに感謝です!

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