2018
06.04

巨大な野生が暴れ出す!『ランペイジ 巨獣大乱闘』感想。

rampage
Rampage / 2018年 アメリカ / 監督:ブラッド・オペイトン

あらすじ
おっきくなっちゃった!



遺伝子実験により製造された特殊なガスが事故によって一部にばらまかれ、これにより動物が巨大化、凶暴化してしまう。動物学者のデイビス・オコイエは巨獣と化したゴリラを止めようとするが……。ドウェイン・ジョンソン主演のモンスター・アクション。

巨大化した動物たちが暴れまわってさあ大変!という、楽しむポイントが実にわかりやすい娯楽作。原作と言うか元ネタは1986年のアーケードゲーム『RAMPAGE』とのことですが、画的にはまあほぼ別物です。様々な生物の特徴を取り込んだ遺伝子によって巨獣と化した動物たちには軍による攻撃さえも効きません。そんなデカい生物が街をブチ壊す大暴れ、主演のロック様も巨獣に負けず大暴れ、という2点で突き進む大暴れムービーです。話は巨獣大乱闘までいかに持っていくかを逆算したかのような粗さで、最近のジャンル映画の中でも群を抜く偏差値の低さですが、悪役には死を、筋肉には勝利を、ゴリラとは友情を、と実に明快なのは好ましいです。そして話の出来と反比例するように映像はサービス満点のド迫力。暴れる!壊す!もうダメだ!みたいなのが続くので何も考えずに楽しめます。

主人公デイビス・オコイエを演じるは『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』に続きゲーム的作品の主人公となる我らがロック様ことドウェイン・ジョンソン。動物学者という意外な設定に一瞬驚きますが、ほどなく元特殊部隊員であるという設定を上乗せしてくるので安心。他のキャラも意外と濃くて、『007 スペクター』『ムーンライト』のナオミ・ハリスが演じるケイト・コールドウェル博士は真実を知る人物としてデイビスと行動を共にし、『ノー・エスケープ 自由への国境』のジェフリー・ディーン・モーガンが演じるハーベイ・ラッセルがCIAという立場をフルに活かしてくれます(職権乱用とも言う)。騒ぎの元凶であるエナジー社の姉弟クレアとブレット役のマリン・アッカーマンとジェイク・レイシーも実にいい塩梅の悪党っぷり。あと私設軍隊の隊長バーク役が『マジック・マイクXXL』のジョー・マンガニエロだったりします。

監督のブラッド・オペイトンは『カリフォルニア・ダウン』でもロック様と組んでおり、事態の悲壮感よりスペクタクルと熱さを描くという点ではテイストは近いですね。ゴリラなみの強さを誇るロック様がゴリラとの友情を育むというのも愉快で、ゴリラと手話で会話したりそのゴリラがニヤリと笑ったり色々とスゴいんですが、それを言ったら巨大化するくだりからツッコまなければいけないのでまあいいじゃないですか。怪獣映画としてもロック様映画としてもしっかり満たしてくれます。ただ何となく予感はしてたけど、予告で見せすぎだなあとは思いました。

↓以下、ネタバレ含む。








最初はハッキリ姿を見せないことで引っ張ったり、ビルを破壊する暴れっぷりがバラエティに富んでたり、巨大さを煽る見せ方があったりと、怪獣映画としての味わいが随所にあります。引きの画と寄りの画とのバランスがよいし、モノを掴めるという類人猿、素早さの高いオオカミ、凶暴さと巨大さで抜きん出たワニという三者三様な巨獣の組み合わせもちょうどいい。『キングコング 髑髏島の巨神』と『もののけ姫』と『ゴジラ』が合わさったみたい、という感じでしょうか。正直言うともっと数は出てくるのかなと思ってたので、3頭だけというのは若干肩透かしではあるんですけどね。てっきりムササビのように膜を広げるバランみたいなヤツも出るかと思ってたらオオカミだったし。ただこれは色んな生物のDNAが入ることで個体数ではなく各個体に複数の特徴を持たせるという方向性なわけで、それはそれでありと思えます。

オオカミはさらに尻尾のトゲを飛ばすという能力まであるし、三体めに至ってはワニなの?アンギラスなの?と元がわからないくらいの変体っぷり。それに比べるとアルビノゴリラのジョージは変化は少なめですね。でも暴れるのがそんな巨獣たちだけではなくロック様も込みだというのが最高です。どう考えても敵わないはずなのに、ロック様なら何とかできるんじゃないかと思わせるタフネスぶりが度を越してて凄い。普通に拘束具をぶっちぎるし、乗ってるヘリが落ちても生きてるし、遠慮なく破壊されるシカゴのクライマックスでも倒れるビルから飛び出して無事だし、いくらロック様でも何度か死んでないとおかしいんですが、そこは動物学者で元特殊部隊なだけあって生存能力が高い……いや理由になってないが……でもロック様と正気に戻ったジョージが共闘する、というのが最高に熱いので良しとしましょう。最後にはロック様も巨大化するんじゃないかとちょっとドキドキしましたがさすがにそれはなかったですね。

序盤が宇宙から始まるというのは意外性とスケール感のあるハッタリという感じで面白いです。ただそれ以外で展開的に驚くのはジョージとの共闘くらいで、他はわりとありがちな感じで進むので新鮮味は薄いです。と言うか細かい点が粗だらけなのでそこが気になります。避難完了したとか言ってるのにいっぱい人が残ってるし、巨獣たちをおびきよせる低周波装置のまさにその場所に脱出用のヘリがあってピンチになるとか、解毒剤は効かないと言ってたのに解毒剤を求めるとか(巨大化が治せないということだったのかな?)。ナオミ・ハリスの弟が死んだという過去も、その後特に活かされないため取って付けた感がスゴい。巨獣たちは重火器もミサイルも効かないのに鉄骨でブッ刺すのは可能というのもどうなんだろう。まあそれを言ったらそもそもガスを吸っただけであんなに変異するというのも都合がいいわけですが。予定調和が多すぎて途中はちょっとばかり退屈でもあります。

まあでも科学的根拠とか論理的帰結とかを求める類いの作品ではないのでね、いいんじゃないですかね。軍隊は多少マヌケじゃないと勝ってしまいかねないし、CIAのラッセルが命を救われたことでデイビスを信頼する流れもチーム感があるし。ラッセルのしたたかさとダンディさはイイですね。人の命を軽視する悪徳社長は最期は人ではなくエサとなり(ジョージがあそこだけ人を食うのはどうかとは思いますが)、姉のせいにして逃げようとする社長弟にはギャグのような天罰が下りと、悪い奴らはわかりやすく報いを受けます。そして死んだと思ったジョージが生きてた上にとんでもない下品なハンドサインをかますという、実に平和的と言うか呑気なハッピーエンド(結構人は死んでるけど)。当初ジョージは死ぬ予定だったそうですが後味の悪さを廃したわけですね。シリアスさは減るものの、すんなり面白かったと思わせてくれます。

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