2018
05.09

最高な点をひたすら上げていこう。『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』感想(その2)。

Avengers_Infinity_War_02
Avengers: Infinity War / 2018年 アメリカ / 監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ

あらすじ
フラッシュ・ゴードンはホメ言葉。



もう少し細かい点にも言及したいので感想2回目です!

前回の総括的な感想はこちら。
衝撃に備えろ。『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』感想(その1)。

言及というかまあちょっと言い足りない分の補足をツラツラと。感想2回目となるといつもは「最高!フー!」みたいな戯言になるところですが、今回は「最高!しかしツラい……」という相反する感情のせめぎあいがあったりするのが何ともスッキリしないですね。展開上しょうがないんですけど……。それでも「ここがアガるよアベンジャーズ」という点は山ほどあるのがスゴいなーと思うわけです。

ちなみに小ネタを全部拾うとか詳細に考察したりとかしてるわけではなく、個人的に気付いたとか気になったとかを時系列関係なく思いつくまま綴ってるだけです。観賞後に飲みながらダベってるような感じでいきましょう。あと、むっちゃ長いです。三次会くらいまでもつれ込んでます。ネタバレ全開なのでご注意を。

↓以下、ネタバレ含む。








・MCU10周年!ということで最初の「MARVEL STUDIOS」ロゴの「IO」が「10」に変化します。気付きました?

・冒頭はいきなりサノスが暴れた後なわけですが、サノスの足元に転がってるボロ雑巾みたいなのがまさかソーだとは。『マイティ・ソー バトルロイヤル』で雷神の力に目覚めたソーでさえあっけなくやられているという見せ方でサノスの強さを示しているのが上手い(そしてツラい)。そんな絶望的な場面でのロキの「こっちにはハルクがいる」にはガンアガりですよ。ところがサノスのほうがパワーもスピードも上、しかも格闘がスゴいシャープで、あのハルクを簡単にブチのめすということでさらにサノスの強さを補強します(そしてツラい)。今回ハルクは「ノー!」と言って出てきませんが、これはサノスにビビってるということなんでしょうかね。予告ではハルクが皆と共に走ってるシーンがありましたが、イメージショットでしかなかったようです。おかげでまたバナーに戻れましたが。

・今まで散々裏切ってきたロキが、この期に及んでまた裏切るのかと思わせて最後にサノスに一刺ししようとするのが胸熱。スペース・ストーンを渡すのもソーを救うためだし、もう『アベンジャーズ』でヴィランだった頃とは違うという姿を見せてくれるんですね。ソーとロキの視線でのやり取りにはそれぞれの言葉が聞こえてくるかのようです。しかしそんな奇襲がサノスに通じるはずもなく、これまたボロ雑巾のように……(ツラい)。さらにはヘイムダルまでがハルクを地球へ逃がした後で殺られてしまいます(ツラい)。トム・ヒドルストンとイドリス・エルバはこれにて退場なのか?サノスはソーにはトドメを刺さずに去りますが、これは半数は生かすというサノスルールに則ったものでしょうね。監督の話によればアスガルド民も半数は脱出したようで、姿が見えないヴァルキリーも生きているようです。よかった。

・地球で最初に登場するのは『ドクター・ストレンジ』にも登場したニューヨークのストレンジの拠点。兄弟子ウォンと、なんか飯を食う金がないとか言っててなかなか世知辛いです(そういや魔術師の収入源って何だ?)。ヘイムダルのビフレストがちょうどストレンジのところへ通じたのが狙ったのかどうかはわかりませんが、すぐにトニーを迎えに行ける人物だったので結果オーライ。トニー合流後はヴィジョンの不在が明かされますが、この時にトニーがキャップの連絡先を古いケータイに入れたまま持っていて、でもなかなか電話できないという、なんでしょうかこの昔の彼女に対する複雑な気持ちみたいなのは。トニーは本作では結局キャップには会えないまま終わっているので、次作で久々の邂逅を果たすんでしょうかね。ドキドキしますね!ちょっと気まずいですね!あ、そう言えば今回マーティン・フリーマン演じるエヴェレット・ロスが出てこないので『SHERLOCK』コンビもまた邂逅ならずでした。

・ストレンジの家で外の様子がおかしいことに気付き、様子を見に出てからの長回しワンカット、これが非常にスリリング。逃げ惑う人々と逆行しつつ、女性が転んだり車が事故ったりしてパニックが広がり、通りの向こうの角から風を感じるもののまだ見えず、振り返るとストレンジが臨戦態勢、角を曲がって見上げると巨大な物体がそびえている。侵略SFものの見せ方になっていて面白いです。地球に異星人が攻め入るのは『マイティ・ソー ダーク・ワールド』以来かな?

・ここでピーター・パーカー登場、なんですが、それより『スパイダーマン ホームカミング』の友人ネッドが出てきたのが嬉しい。ピーターが「わざと騒いで」と言ってるのに素で騒ぎを起こしててイイですねーネッド。MCUのピーターはさすがにまだ小僧感が抜けきってないですが、危機を感じてすかさず駆け付ける行動力、トニーに帰れと言われても放っておけない正義感、強敵にも物怖じしない勇気とポテンシャル抜群なところがイイ。あと『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』での『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』ネタに続き『エイリアン』ネタをブッ込んできたり、『フットルース』でクイルと通じちゃったりと、映画好きなのが好感度高いですね。さらに『帝国の逆襲』もそうでしたが『エイリアン』も映画のなかの撃退法を取り込むことでエボニー・マウを撃退しており、映画って実生活でも役に立つ、と思わせてくれます。敵を宇宙に放り出すシチュエーションがなかなかないのが難点ですが。

・スタン・リー御大はピーターの乗るスクールバスの運転手として登場。「宇宙船見たことないのか」って言ってます。さすがは銀河を駆け巡る御年95歳。お元気そうでなにより。

・最初の山場となるアイアンマン、ストレンジ、スパイディによるバトル。ストレンジとウォンによる空間穴開け連携や、スパイディの頑張ってる感、あとバナーの役立たず感など、敵がかなりチートなわりにはコミカルな掛け合いもあって愉快。ストレンジが寝ころんだまま飛んでいく姿はちょっと笑えます。ちなみにウォンによって片腕を切断された敵のデカブツ、カル・オブシディアンはワカンダ戦では義肢を付けて登場してます。

・ここから一気に宇宙まで行っちゃうのがダイナミック。そして登場するアイアン・スパイダースーツ!アニメの『アルティメット・スパイダーマン』で好きだったんでアガったんですが、その質感や色味もあってアイアンマンとのコンビっぽさがむしろウォーマシンより増す感じがします。「君もアベンジャーズだ」とトニーに言われたときの「嬉しいけど気が引き締まるゥゥ!」みたいなトム・ホランドの表情も良いです。

・今回のアイアンマン・スーツはマーク50。キリがいいので覚えやすいです。胸にあるのはリアクターではなくナノテク格納ユニットで、そこからジワジワとナノ粒子が展開されスーツを形成します。今までの装着シーンを思えばギミック感に欠けててちょっと地味なんですが、トニーの行き着いた答えがナノテクというのは納得できるし、破損部分も他のパーツから移動して使えるというのが便利。あと今回のアイアンマンは装備がスゴいですね。ジェットエンジンのようなブースターもあったりするし、ファンネルみたいな広範囲ビーム攻撃などはソーの雷撃のよう。ハルクのようにハンマーみたいなパンチでどついたりもするし、盾まで構えるところにはキャップの姿が重なります。まるでソーとハルクとキャップの不在を一人で何とかしようとしていたようにも思えて、そう考えるとペッパーに「胸にこんなの付けて」と言われながらもそれをやめないのも一人背負った責任感からなのでしょう。

・ロケーションをデカいフォントで表示するという『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』方式の演出を逆手に取って「SPACE」の文字だけで一気にガーディアンズの世界に切り替わる、この「キター!」感がスゴい。救難信号を受けての救出ながら謝礼のことで頭いっぱいなところや、皆すっかりグルートの言葉を理解しているというのがイイですね。まさかソーまでがグルートの言葉がわかるとは思わなかったですが。助け出したソーを「天使」と言うドラックスの相変わらず独特な美意識から「海賊天使」って呼ばれちゃうソーが可笑しい。あとクイルが「マジ顔で行こう」と言った時に後ろに座るマンティスが精一杯スゴんだ顔をするのが笑えます。そしてとうとうケビン・ベーコンもアベンジャーズのメンバーということになりました。次作で出てくるかも!(出ない)

・父と母が死に、弟も殺され、姉は殺したと語るソー。確かに家族を全員失ったわけです。対するクイルも父親を手にかけており、そこはツラい立場を共有するところなのに、ガモーラに気安く触るソーに対抗して張り合おうとしてるのが笑えます。なんかソーの真似してツッコまれてるし(しかもドラックスに)。あと散々デブったと言われてて確かにそうなんですが、あれは役作りなのか、『ジュラシック・ワールド』続編と撮影が被ったのか?トニーに「ミスター・ロード」って言われちゃうのも体型からくる貫禄か?

・ソーが単なる脳筋じゃないと思えるのが、ロケットを「船長」と呼ぶことで話に乗ってくると見抜いてるように見えるところですね。なんか知的な交渉術まで身に付けてソーがどんどん賢くなっていく……(ロケットもあえて乗ってやってるようにも見えますが)。でもニダベリアで壊れた絞りの代わりに星のエネルギーを通そうとするときに、エイトリが「死ぬぞ」と言うのに「死ぬのならな」とか返してて「いやだから死ぬって……」とエイトリが困惑するという、やはり脳筋かな?というところもあるので一安心です。

・そのドワーフのエイトリ、この顔は、と思ったら演じるのが『ピクセル』『スリー・ビルボード』のピーター・ディンクレイジじゃないですか!小人症の彼をデカい人役で使うという発想の転換にはシビれます。ピーター・ディンクレイジ好きなんですよ、表情の作り方とか上手いですよねー。『X-MEN:フューチャー&パスト』に続くアメコミ映画出演ということになりますね。

・エイトリはサノスに騙されてインフィニティ・ガントレットを作り出したわけですが、触れたら体が砕けるインフィニティ・ストーンを6つも装着できる装備を作るというのがスゴい。まあサノスは素手で石を触ってた気がしますが……ニダベリアは伝説の星であり、ムジョルニアを作ったのもそのドワーフたちなんですね。そして生まれる新たな武器、ストームブレイカー!名前はロケットが揶揄するほど大げさですが、ハンマーの次が両刃の斧というのがイカす!『マイティ・ソー バトルロイヤル』でハンマーへの依存を断ち切ったソーがまた武器に頼るのはどうなんだという気もしますが、ガントレットを着けたサノスに一度負けてるのだからそれに勝てる武器を求めるのは自然ですね。しかも柄はグルート製。「俺関係ねーし」みたいな冷めた態度を貫きながらもチラチラとソーのことを気にして見ていたグルートが、ここで自らの腕を切り取って柄を作るというのが激熱です。

・ヴィジョンとスカーレット・ウィッチことワンダの愛の逃避行はロマンティック・ドラマのワンシーンのようですが、何か違和感が……と思ったらヴィジョンに髪がある!あと赤くない!分子構成を自由に変えられるんだからできて当然なんですが、ポール・ベタニーそのまんまで出てくるとちょっと別物みたいですね。しかし敵のコーヴァス・グレイヴの武器がその能力を殺してしまうため、チートな強さを持つはずのヴィジョンが今回は何もできません。ハルクに続き役立たず感がスゴいです。代わりにワンダが頑張るしかないという、もはやヒモ状態。さらに額のマインド・ストーンのせいで狙われるので踏んだり蹴ったりです。ちなみにストーンは同質のエネルギーを持つワンダになら破壊できるという話が出ますが、それだけワンダの秘める力は強力ってことですね。

・ワンダとヴィジョンが追い詰められて絶体絶命、そのとき走る列車の向こうに浮かぶ影。投げられた槍を掴み、投げ返すあの男は誰だ……キャップだー!!いやもうこのシーンはあまりのカッコよさに泣きそうになります。さらに投げ返した槍を滑り込みながら受け取ってすかさず攻撃に転じるのはブラックウィドウことナターシャ!そして闇を切り裂き飛んでくるファルコンことサム!チーム・キャップのコンビネーションはコーヴァス・グレイヴとプロキシマ・ミッドナイトの二人を退けるという見事な結果を見せてくれます。このとき傷を負ったコーヴァス・グレイヴが死んだためにワカンダ戦開始時には不在だった、と見せかけることで密かにシュリのところまで潜入できたんでしょう。どこから入ったんだ、とは思いますが……。

・どこへ行くかと聞かれて「故郷(Home)」と答えるキャップ、やってきたのはアベンジャーズ基地のローディの元という、ホームどころかアウェイですが、これはバナーが連絡したからなんでしょう。ローディは『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』でキャップたちと戦って大ケガを負い下半身がメカメカしくなってますが、それでもキャップを受け入れるのは、ロス将軍とのやり取りにも見られるようにソコヴィア協定に歪みを感じてきたからなんでしょう。「地球を守る者が消えた、だから来た」というキャップのブレなさ、バナーとナターシャの久々の(気まずい)再会、ビビるサム。バナーとナターシャの関係が深掘りされなかったのはちょっと残念ですが、地球サイドのロマンスはワンダとヴィジョン一組に絞ってるということですかね(宇宙サイドはクイルとガモーラ)。

・ここでホークアイことバートンと、アントマンことスコットは司法取引で自宅軟禁状態であることが明かされます。特にバートンは『アベンジャーズ』シリーズでは大きな役割を担ってきただけに出番なしは寂しいところですが、次作で復活なるでしょうか。ヒーローのなかでは唯一の家族持ちという観点でも戻ってきてほしいですが、実は最後でひっそり塵になってたりしてないかちょっと心配。

・自身のマインド・ストーンが狙われていることを知り、石を破壊してくれと言うヴィジョン。「命に大小はない」と拒否するキャップに「あなたもかつて自分を犠牲にしたではないか」と詰め寄ります。ここでバナーが「君は多くの要素でできている」と言うので流されちゃうんですが、キャップがこのヴィジョンの問いかけに答えないところには「アレ?」と引っかかりました。ただ、確かにキャップは『キャプテン・アメリカ ファースト・アベンジャー』で身を挺して世界を救いますが、『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』で親友バッキーを相手にしたとき以外は、死んでもいいと思って戦っていたことはないはずなんですよ。死んだら守れないからです。だからヴィジョンの自己犠牲案には頷かないのでしょう。その前にワンダとヴィジョンのやり取りも見ているからなおさらでしょうね。

・ヴィジョンから石を取り除くにはここじゃダメだし自分にはできないと言うバナーに、いいところがあると言うキャップ。ここで被さるワカンダのテーマ!はい陛下きた!オコエさんも一緒です。ナキアがいませんがまた出張中ですかね。ここでバッキー登場、おそらくヴィブラニウム製であろう新たな左腕を受け取ります。バッキーは『ブラックパンサー』のエンドロール後から「ホワイトウルフ」と呼ばれていますが、「ウィンター・ソルジャー」という忌まわしき呼称を封印するためですかね。キャップとガッチリ握手する姿にやっとここまできたねーと感慨深いです。あとMCUの新たな天才シュリちゃんも登場、ヴィジョンのニューロンについてバナーと会話するときの試すようなイタズラっぽい顔がキュートです。そう言えばオコエが開国のイメージはオリンピックやスターバックスと言ってましたが、オコエさんがやり投げとかやったら余裕で金メダルでしょうな。

・サノスに捕まったときは殺してくれとクイルに頼むガモーラ。クイルの母親への心情を知るガモーラが「母親に誓って」とまで言うのもそれだけ事態が深刻だからですね。それでもあくまでファミリーとしての距離感を保っていた二人が急接近するのは、ようやくといった感じでちょっと泣けます。会話の始まりが「手榴弾を腰にブラ下げてチンチン大丈夫かな」であるのは置いといて。しかしそこには気配を消して透明になるという秘技を身に着けたドラックスが!(爆笑)1時間も前からその場にいて気付かれなかったくらいなので意外とマジかもしれませんが、ナッツ食ったらバレるよ。

・ノーウェアではサノスによりドラックスはバラバラに、マンティスもベロベロにされますが、ガモーラはなんとサノスを倒してしまう!これはリアリティ・ストーンによる幻だったわけですが、倒したと思ったガモーラは今まで見たことがないほど泣きじゃくります。心底憎んでいたはずなのに、やはりどこかでサノスを父として見ていたのか、通り一遍ではない複雑な心情を見ることができます。ところで本物のコレクターはどこ行っちゃったんでしょう。殺られちゃったんでしょうか。ハワード・ザ・ダックに助けられてたりして。

・マウによって拷問を受けるストレンジ。先端恐怖症には震えがきそうな、なかなかのエグさです。拷問といえばネビュラが受けるシーンもありますが、正面から見たときは普通なのに横から見たら引きちぎられそうになっているという、これも結構なエグさ。どちらも3Dで映える画になっていますが、ここまで立体感を意識した拷問シーンというのも珍しい。しかしなぜサノスはネビュラには厳しいんでしょうね。ネビュラを殺さなかったことに対し「部品がムダになる」とまで言うし、ガモーラへの態度とは雲泥の差です。ガモーラには愛情を示しつつも「銀河一残虐な女になれたじゃないか」と言うことからも、弱い者には興味がないということなんでしょうかね。

・ヴォーミアでソウル・ストーンを手に入れるためにガモーラを犠牲にするサノス(ツラい)。涙を流しながらの苦しみに引き裂かれそうな表情には思わず心揺さぶられます。演じるジョシュ・ブローリンの演技もあるでしょうが、ここまで情感豊かなヴィランになっているとは予想外でした。クイルに「タマ袋みたいなアゴ」とか言われたくらいでは怒りませんが、ニダベリアのドワーフたちはエイトリ以外は皆殺しだし(余計な武器を作らせないためか?)、マウの死は本当に残念そうだし、むやみに暴れないというところに貫録もあります。でも「虐殺」を「慈悲」と言うところに狂人めいたところもあったり。ガモーラを落とす前に「一度運命に逆らった、二度と同じ過ちはしない」と言うのはなんだろう、ガモーラを救ったことなのか、または別の何かなのか?あとあんな手袋してて手が蒸れないんだろうか……。サノスが石の力を使うときはその石が光るので、何の石の力を使ってその現象が起きているのか見てみるのも面白いです。

・ヴォーミアで現れたソウル・ストーンへの案内人、何かの高次元生命体みたいなやつかと思ったら、ドクロのような赤い顔……なんとレッドスカルじゃないですか!『キャプテン・アメリカ ファースト・アベンジャー』のヴィランであり、四次元キューブ(スペース・ストーン)の力で消えてしまった元ヒドラです。どこへ行ったのかは語られないままでしたが、ヴォーミアに飛ばされていたわけですね。ここでまさかの7年越しの伏線回収とは恐れ入ります。

・タイタンでクイルらと共闘することになったトニーたちはサノスを迎え撃つために作戦を練ろうとしますが、マンティスは変になった引力でトランポリンみたいにして遊んでるし、ドラックスは即寝るし、「本番に強いんだ」とか「キックかませばいい」とか自由すぎるガーディアンズの面々に、あの饒舌なトニーが言葉を失い、心底途方に暮れた表情をする、というのが爆笑です。間の取り方が最高。

・ハルクことバナーがハルクバスターに!というのはなかなかに逆転の発想ですが、「こりゃいいやー!ハルクにならなくてもいけるぞー!」とはしゃぐバナーが地面を削りながら盛大にコケて、そのコケたバナーをこれ以上ないほど冷ややかに見下ろすオコエさんが最高です。別人格に悩む悲壮感はどこへやら、バナーはすっかり地球サイドのコメディリリーフになってますな。

・ワカンダ決戦、他国の軍隊などが応援に来ないのは敵の行動が早すぎてワカンダにいた者でしか対応できないということなのか、とは言え技術と戦闘力の両方を兼ね備えたワカンダが迎え撃つのは『ブラックパンサー』の直後だけに自然に映ります。ウカビのサイ軍団はいないものの、偉大なるゴリラことエムバクさんとジャバリ族もいるので安心だ!陛下とエムバクがガッチリ握手するのが熱いです。しかもバリアがある!バリアすげー!ワカンダ・フォーエバー!ここで戦闘前にティ・チャラとキャップがバリア越しにミッドナイト、オブシディアンと話すの、中世の合戦シーンとかでよく見るやつで、戦いが始まる感が盛り上がりますね。陛下の「血を流し、塵とする」という宣言は勇ましいですが、まさか塵になるのが陛下の方とは……(ツラい)。

・ナターシャとワンダとオコエの女傑トリオvsミッドナイトという女性陣のバトルが熱い。超人じゃないのに強すぎるナターシャとオコエはもはやなんと形容したらいいのか。ここにガモーラとネビュラが加わったら凄いことになりそうです。あ、ワンダが敵の巨大トゲトゲ車輪を持ち上げて「えいっ」と落とすときの動作が可愛いです。あと相変わらず釘付けになってしまうおっぱ(略)。

・地球サイドのピンチに現れる虹の道、そしてやってくるソー、ロケット、グルート!ここでアベンジャーズのテーマが流れるのが激熱です。強大な戦力であるソーの参線を後回しにするためにニダベリアへ向かわせ、最強の武器ストームブレイカーも手に入れて、ついでに片眼も取り戻して雷神復活、という流れにも見られるように、多数のキャラを取回しつつ徐々に盛り上げてなおかつ集結させるという構成は上手いと思うんですよ。これでタイタンと地球の二つに舞台が絞られてスッキリもします。

・キャップは今回マスクは被らず、ワイルドにヒゲを生やし、スーツから星マークも消えています。キャプテン・アメリカというよりスティーブという一人の男として戦ってるのかも。ティ・チャラの「盾をお渡ししろ」で盾キター!!と思ったら丸くないんですが、ヴィブラニウム製ではあるだろうし、両手にナックルのように装着しててアグレッシブ。久しぶりに会ったソーとの会話が「髪切った?」とか「ヒゲは真似か?」とか久々すぎて何話そうみたいな感じが微笑ましい(絶賛戦闘中)。グルートの「アイ・アム・グルート」を自己紹介かと思って「スティーブ・ロジャース」と返すキャップのマジメさも愉快です(絶賛戦闘中)。

・ロケットがバッキーにつかまれてグルグル射撃するという意外なコンビは新鮮。冷徹だったウィンター・ソルジャーともふもふ動物の組合せ、和みます。ロケットはソーに目玉をあげたり、バッキーの左腕を欲しがったりとまさかの義肢集め趣味が活かされてて、過去作からの拾い方が上手いです。ソーに対して「船長の仕事をするか」と言うときの意外な包容力、「俺には失うものがいっぱいあるけどな」という一昔前のロケットでは考えられない仲間意識に、思わずヨンドゥの姿が思い浮かびます。

・タイタンでのサノス戦はストレンジがスター・ロードの足場を作ったり、スパイディを異次元穴でワープさせたりしつつ、光のムチで縛ったりマントくんが頑張ったり、サノスの攻撃を蝶に変えるというファンタジックさから分身の術での全方位攻撃など多彩なバトルを見せてくれて、さすが最強の魔術師。星かと思ったらつまんでタイム・ストーンというのはロマンチックでさえあります。トニーもあらゆる武器を使っているし、スパイディはそもそもトリッキーだし、ガーディアンズも皆独自の見せ場があって、地球チームが集団戦と体技で魅せる戦いなら、宇宙チームはイマジネーションで魅せる戦いという感じです。サノスの「月をブン投げる」というのも強烈。クイルの(?)作戦が見事にハマってもうすぐガントレットが取れる!というシーンもスリリング。ガモーラの死にクイルが逆上するのは戦犯と言われかねないですが、あれはしょうがないです怒ります。あとサノスの頭を挟むマンティスの手によって、サノスの顔面がどれだけデカいかがわかります。

・怒濤の攻めでサノスを追い詰め、初めてサノスに血を流させるアイアンマン!トニーの戦闘経験が存分に活かされた素晴らしいバトルシーンですが、しかしあと一歩で腹を刺され、まさかトニーが死ぬのかというショッキングなシーンでもあります。加えてサノスがトニーの名を知っていたという驚きも。『アベンジャーズ』でチタウリを最後に退けたことを覚えていたのでしょうか。「知識に囚われている」という台詞が意味ありげですが意図はちょっとわからないなあ、なんだろう。ナノ粒子で傷をふさぐという、ここでも今回のスーツがナノテクであることが活かされていて感心します。

・タイタンでは奇襲作戦でサノス相手にもう少しというところまで行きましたが、地球でのサノス戦は真正面からのぶつかり合いとなり、既に5つの石を手に入れたサノスには歯が立ちません。音楽が止み不穏な風の音だけになってのサノス登場の絶望感、間髪入れずに立ち向かうも次々と倒れていくヒーローたち。キャップのみがサノスのガントレットを止める奮闘を見せますが、そんなキャップに不可解な表情をするサノスの胸中は、なぜそこまで?という疑念なのか、名も知らぬ強敵への驚きなのか。ストーンと同質の力を持つワンダはサノスの歩みを止めてヴィジョンの石を破壊しますが、サノスがタイム・ストーンを手にした時点で手遅れ。ヴィジョンは二度死ぬことになります(ツラい)。

・ストームブレイカーでサノスに致命傷を与えるソーですが、一歩間に合わず地獄の指パッチンが発動してしまいます。ガントレットは半壊し、左腕は焼け焦げながらも姿を消すサノス。後に残る静寂。そして宇宙中の半数が消えるという悲劇は始まります。再びキャップの目の前から消えていくバッキー。オコエを助け起こそうとして消えるティ・チャラ。人知れず消えてしまうサム。またもやロケットの目の前で失われるグルート。ヴィジョンの亡骸を抱えて消えるワンダ。何かが起こっていると告げて消えるマンティス。クイルの名を呼び消えるドラックス。悔し気な表情で消えるクイル。覚悟の眼差しを向けて去り行くストレンジ。トニーの腕の中で謝りながら消えていくピーター。容赦なく一度にサラサラしていくのがツラい。本当に半数が消え失せるとは……。

・どこかの農村のような場所で、ストレンジに語ったように目的を遂げて満足げな笑みを浮かべるサノス。なんという有言実行の男。しかしこの場所がどこなのかはわかりません。さらにソーに食らった胸の傷が消えており、それが石の力なのかも不明。左腕の焼けたような傷は残っているようですが……よく考えたら全ての石を集めた今、これがいつなのかさえわからないんですね。ガントレットも壊れているように見えないし、ひょっとしたらさらに未来の姿なのかも?とにかくここで本作は幕を閉じ、とんでもない余韻に浸りながら呆然とすることになります。

・エンドロール後にはお久しぶりのニック・フューリーとマリア・ヒル。しかしそんな二人もサラサラしてしまいます(ツラい)。フューリーことサミュエル・L・ジャクソンの十八番の台詞も「マザファ……」で途切れるのがせつない。レイティングに引っ掛かるからかもしれませんが。

・果たして生き残ったヒーローたちは次作でどう動くのか、消えた面々は甦るのか。ストレンジが1400万605回のなかで見た一つだけの勝利の道、というのが鍵になるのでしょうが、それは一体どういう展開なのか。フューリーが最後に送信した相手、これは表示されたマークから、次作の前に公開予定の『キャプテン・マーベル』であることがわかっています。マーベル最強のヒロインと言われている(らしい)キャプテン・マーベルが重要な役割を果たすのか?あるいは『アントマン』で登場した亜原子世界が関わってくるのか?また指バッチン直後にサノスがいたオレンジ色の世界は監督によればソウル・ストーンのなかだそうで、そこにいる幼い頃のガモーラはまだ失われていない魂なのか?タイム・ストーンや、原作にあるスカーレット・ウィッチの現実改変能力などが使われるのか?ひょっとしたらホークアイが弓矢でなんとかするという可能性もなくはないです。ないか。ないな。

・ぶっちゃけ『アントマン&ワスプ』は既に予告も流れているので(本作以前の話でなければ)スコットは無事だし、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』3作目の脚本が完成したというニュースも出てるので甦りはするのでしょう(メンバー入替とかでなければ)。でも今までその活躍を観続けてきたキャラクターたちが消えるのはやっぱツラいわけですよ。そして残ったのが初期アベンジャーズの面々というのが、次作ではまた違う別れ(卒業)があるんじゃないかと予感させられてツラいです。それでもリアルタイムでこのMCU世界を追えたということは、新たな映画シリーズの在り方を見てきたということでもあり、なんとも感慨深いです。

・さて、次作はサブタイトルさえまだ発表されていません。内容を反映する名前になるからでしょうか、気になります。気になるといえば『アベンジャーズ』1作目からずっと気になっているアレはどうなるんでしょうか。アレです、キャップが皆を集めるときのキメ台詞でありながら、映画では未だ一度も発せられていないあの言葉。もしも、もしもですよ?次作のタイトルが『アベンジャーズ アッセンブル』だったら……そんなの発表と同時に泣くぞ……楽しみに待ちましょう!

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