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2018
04.14

ここから始まるお宝ハント。『トゥームレイダー ファースト・ミッション』感想。

Tomb_Raider
Tomb Raider / 2018年 アメリカ / 監督:ローアル・ユートハウグ

あらすじ
祝!ヒミコ、ハリウッドデビュー。



自転車便で働くララ・クロフトは、7年前に行方不明になった資産家で冒険家の父リチャードが残した秘密の暗号を解き、父が日本の古代の女王ヒミコが葬られたという島に向かったことを知る。ヒミコが持っていたという力を悪用しようとする組織の存在を知ったララは、父の意思を継ぎそれを阻止しようと島に向かうが……。同名アクションゲームの実写映画化。

トレジャーハンター、ララ・クロフトを主人公としたアクションアドベンチャーゲーム『トゥームレイダー』。かつてアンジェリーナ・ジョリー主演でも映画化されましたが、本作はそのリブートということで、まだ若い頃のララ・クロフトがトレジャーハンターとなる前の冒険が描かれます。7年前に姿を消した父親が世界を危機に陥れるヒミコの呪いを悪党から守ろうとしていたのを知ったララが、ヒミコが眠る島へと向かうというのが主なあらすじ。アンジー版の『トゥームレイダー』が大好きなのでどうなるかなあとは思ったんですが、アクションはシチュエーションによる面白さで魅せるし、意外と凝った謎解きもある秘境アドベンチャーとして悪くないです。思いのほか日本がフィーチャーされていたのもちょっと驚き。ただそのわりには日本っぽさはほとんどないし、さらに色々と引っ掛かる点もあります。

しかしそれらの不満点をチャラにするのが、ララ・クロフトを演じる『リリーのすべて』『エクス・マキナ』のアリシア・ヴィキャンデル。アンジーに続きアカデミー俳優がララを演じるということになるわけですが、引き締まった美しい筋肉と、作中7割はあるタンクトップ姿、そしてハスキーな叫び声が魅力的で、体を張ったアクションに加え元々の演技力によってキャラに深みが増していて良いです。またララに協力する香港の船乗りルー・レン役に『ウォークラフト』『ジオストーム』のダニエル・ウー、父リチャード役に『マネーモンスター』のドミニク・ウェスト、クロフト親子と敵対するヴォーゲル役に『ヘイトフル・エイト』『エージェント・ウルトラ』でも強烈な印象を残すウォルトン・ゴギンズ、ララの庇護者であるアナ・ミラー役に『オンリー・ゴッド』のクリスティン・スコット・トーマスといった布陣。あと質屋役でニック・フロストが出てて驚きました(たぶんノンクレジット)。

「ファースト・ミッション」と言うだけあってララがまだ強さや余裕には欠けるというのがフレッシュな印象。アリシアのコケティッシュというよりはスポーティーでフレンドリーという役作りもあって、何と言うか若いな!って感じです。ただ初期のゲーム版にもハマっていた身としては、これが『トゥームレイダー』と言われるとちょっと抵抗が……でもラストショットは最高。

↓以下、ネタバレ含む。








序盤でララが格闘技をやったり「狐狩り」と称した自転車レースをやったりすることで身体性の高さを見せると同時に、最後は負けたり失敗したりというところでまだまだ未熟さがあるということを表しています。シリーズをリブートするにあたってララがトレジャーハンターとなる切っ掛けや経緯を丁寧に描いておこうということなんでしょう。ただそのために冒険に出るまでがどうしても長くなってしまうというのが正直ちょっと難点。ララが遺産の受け取りにサインしないのは父の死を認めたくないからというのはわからなくはないですが、いや遺産受け取って財力使って探した方がよいのでは?と思うんですよ。その方が話も早いし。

そういう引っ掛かりはあちこちにあって、幼いララが父と別れるシーンであれが父との最後のひとときなのか可哀想に……とか思ってたらその後ちょっと成長したララが矢を射つシーンで拍子抜けしたり(確かに7年という月日を考えるとそのくらいの年なんですが)、その中学生くらいのララと別れるときは父が口に触れた指を額に触れるという動作をしないんですよ。後に父へ娘だとわからせる重要なアクションなのでそこは統一しとかないと。他にも、嵐で船から脱出するとき取り忘れたカラクリが映ってこれで後で困るのかと思ったら特に何もないとか、なんとか島に上陸したララが誰かに昏倒させられるんですがなぜあれだけの嵐の砂浜に人がいたのか?とか、捕まったララが逃げ出して結構な距離を移動してしかも夜中の森のなかに潜んでるのになぜ居場所がわかるのか?など、雑な点も多いです。あの大して大きそうに見えない島で7年も墓所を探し回ってるというのも少々マヌケ。

でもアクションはなかなかイイと思うんですよ。対人アクションはアリシアの頑張りがスゴく感じられるし、少女時代に描いた弓矢が得意というのを活かした弓矢アクションで魅せたりもします。舞台がジャングルなのもあってちょっとランボーっぽいですが。あと極限シチュエーションでのギリギリ脱出的なのがとても良いですよ。嵐の海で船から脱出するシーンでは岩礁に乗り上げたり船が裂けたりしつつ大量の水に飲まれたりとなかなかの追い込まれ方。そして白眉は滝の上の朽ちた飛行機でのシーケンス。両手を縛られた状態で滝に落ちそうになるのを逃れてからの次々襲い掛かるピンチ、高所であるというスリル、最後のパラシュートでの脱出に至るまで畳み掛け方が凄まじくて手に汗。ここはとても良かったです。ラストの崖に渡した梯子を落としてララも脱出できないというのを、向こう岸が崩れて低くなることでなんとか届く、というのも何気にイイ。なんかやけに飛びおりるシーンが多いなーとは思いますが、そのぶんアクションに立体感が出てきますね。

あと謎解き部分がわりとしっかり描かれていたのも好印象。「終着駅の最初のレター」という"レター"が手紙ではなく文字の意味であるというのは良かったし、ヒミコの伝説の文章が墓所に入ってから何度も一致するあたりもちゃんとしてます。特に「命の色」というのが黄色い光に青い石で「緑」を表していたというのにはなるほど感。棺を開けて現れたヒミコの遺体がやけに瑞々しい不気味さや、空気に触れたせいか一気に崩れていく様などの薄気味悪さも秀逸。遺体が起き上がってビビらせるという仕掛けの意味がよくわかりませんが、ヒミコは島流しになったのではなく疫病から人々を守るため自らこもったのだ、という善の真相が、この病原菌で世界を脅かそうとする組織トリニティの悪の側面を際立たせるのも面白いです。なぜヒミコの時代にあれだけのギミックが……という気もしますが、まあそれを言ったら『レイダース 失われたアーク』もそうですかね。ただ日本のカラクリっぽさが全くないというのがちょっと残念。

再会した父リチャードが奇人すぎてヤバイとか、ヴォーゲルが7年家族に会えてない悲愴感が微妙に薄いとか、ルー・レンは撃たれたわりに元気だなとか、実はトリニティであったアナはなぜ父の側近になったのかとか、もう少しフォローした方がよかったのではという点も多々あります。個人的には「ララ・クロフトじゃない感」がずっと付きまとっていたのがちょっと厳しい……。ただ最後にタイトルが出たあと、髪を後ろで一本に結い二丁拳銃を手にした、よく知るララ・クロフトの姿がようやく出るところで一気にアガるんですよ。アガるんだけどそれがラスト・ショットという……観たかったのはそこから先なんですよねえ。だからもし続編があればもっと『トゥームレイダー』になると思うし、アリシア・ヴィキャンデルのララももっと見たいので、なんとか続編作ってほしいところです。

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