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2017
10.31

超能力者も楽じゃない。『斉木楠雄のψ難』感想。

saiki_kusuo
2017年 日本 / 監督:福田雄一

あらすじ
おっふ。


とんでもない超能力を持つ高校生の斉木楠雄は、普通の生活を送りたいという意思の元、ひたすら能力を隠し目立たないように生活しようとしていた。しかしそんな斉木の思いも空しく、毎年恒例の文化祭では次々とトラブルに見舞われることに……。麻生周一の同名コミックを、『銀魂』の福田雄一監督で実写映画化した超能力コメディ。

ジャンプ連載中のギャグ漫画がまさかの実写化。あらゆる超能力を持つ高校生、斉木楠雄と、彼を取り巻くバカ、もとい個性的な面々を描くドタバタギャグコメディです。原作は確か5、6巻くらいまで読んだんですが、どう考えても実写化には無理があるというか「なぜ実写化しようと思った?」という作品なので、かなり心配しつつ観たんですが、これが思ったより大丈夫でした。いや大丈夫と言っていいのかはアレですが、変にまじめなドラマに走らずひたすらギャグに徹するという作りにすることで原作を再現してるのが好印象。同じ福田監督の『銀魂』と違いバトルもないので若干盛り上がりには欠けるけど、何も考えず笑えます。

キャラの再現度も気合い入ってます。と言うかそこまで原作に寄せるか、というのがそれだけでギャグ。主人公・斉木楠雄役の山崎賢人は『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』で仗助を演じたことなど忘れたかのように、頭に何か刺さってる変なヤツを演じてます。照橋心美役の橋本環奈は相変わらず可愛いというのに『銀魂』の神楽より酷い、もとい開き直った怪演。もうね、環奈ちゃんはこのままコメディエンヌとして突っ走ってほしいですね。同じく『銀魂』では沖田役だった吉沢亮は海藤瞬役で中二魂全開。そしてこれまた『銀魂』(多いな)で似蔵役だった新井浩文の燃堂力、ケツアゴの造形がまさにプロの仕事。あと内田有紀が可愛いです。

コスプレ感はありますが、そこは織り込み済みだろうからまあいいでしょう。キャラ同士の繋がり方がそこまでスムーズではなかったり、単調さを感じるところもなくはないですが、気軽に観るぶんにはいいんじゃないでしょうか。たまにはこういう、観た後に何も残らないけど楽しかった、というのもありだと思います。

↓以下、ネタバレ含む。








オープニングがカラフルで賑やかなのが楽しいですが、ここでもうキャラ重視ですよと宣言してるようなもんで、その後に主要キャラの登場が一人ずつ語られていきます。髪の色がビビッドだったりメッシュが入ってたりと明確に分けられてるのでわかりやすい。また舞台をほぼ学園祭だけに絞ることでメンバー全員が無理なく出れるようになっているし、かつ突飛な展開も学園祭の出し物とすることで許容させる、というのが(無理やり感もあるけど)上手いところ。ただ演出的には上手いところと微妙なところもあって、体育館の準備室に二回も来たり、車を超能力でぽよんと浮かせるのも二回あったりとあうのは冗長。逆に尻出しや白目を剥いたりというのを繰り返すのは笑いの重ねとしてありでしょう。「おっふ」は重ねるほど面白いですね、というかズルいわあれ。新井浩文のおっふがイイ。

メインキャラにまともなヤツが一人もいない、というのが意外と特殊じゃないですかね。それはつまりツッコミがいないということで、正確には斉木がいちいちツッコミは入れているわけですが、全て心の声なので現場では誰もツッコまれてないんですね。しかもそのツッコミ役が実は最も普通ではないという矛盾が味でもあり、そんなボケと心の声との掛け合いはテンポがよくて楽しい点でもあります。橋本環奈ちゃんの可愛さと変顔のギャップはアイドルであることを忘れそうだし、吉沢亮はやたらハイテンションで漆黒の翼だし、新井浩文は一人高校生に見えませんがバカなので大丈夫!窪谷須亜蓮役の賀来賢人と山崎賢人のW賢人による顔近いやり取りなどは、窪谷須のメンチ切りにいちいちメガネ直す斉木がバカすぎて笑います。

内田有紀が可愛くてバカとか、田辺誠一が天然でバカとかもイイ。イリュージョニストのムロツヨシは置いといて、そのアシ役のジェシー(母親)がだんだんテンション上がっていくのはちょっと面白いです。ただ佐藤二朗の見せ場が「欲情します」だけで、あまり見せ場がないのは個人的には残念。残念という点では、全てを照橋さんやココミンズの仕込みにするというのは少し無理やり感が過ぎるし、複数のキャラがそれぞれで動きながら最後に集結する、というような群像劇的な語り方があまり上手くない、などはありますかね。まさかの地球滅亡の危機、というのも全く危機感はないし、いやまあ危機感あっても困るんですが。

とは言え笑いに終始した作りはある意味潔いし、稲川淳二の登場には笑うし、壁ドンで校舎崩壊とか無駄に気合いの入った場面もあったりするので、やはり何も考えず楽しんだ者勝ちという気はします。作者もちゃっかり出演、というのもこの作風ならでは。きっと作者は環奈ちゃんに「おっふ」しまくったことでしょう。羨ましいな!

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