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2017
10.27

聖杯と少女。『Fate/stay night[Heavens Feel] I. presage flower』感想。

Fate_stay_night_HF_1
2017年 日本 /監督:

あらすじ
麻婆豆腐は飲み物です。



魔術師(マスター)と英霊(サーヴァント)があらゆる願いをかなえる「聖杯」をめぐり戦う「聖杯戦争」から10年、再び聖杯戦争が冬木市で始まった。前回の参加者、衛宮切嗣の養子・衛宮士郎は切嗣の遺志を継ぎ戦うことを決意する。そんな士郎のそばには、彼を慕う少女、間桐桜の姿があった……。『Fate/stay night Heaven's Feel』の劇場版、第一章。

TYPE-MOONの人気ゲーム『Fate/stay night』、その「Heaven's Feel」ルートを3部作でアニメ映画化した第一弾です。現代の魔術師と呼び出された過去の英霊が七組、彼らが戦い最後に残った者があらゆる願いを叶えるという願望機「聖杯」を手にすることができるという聖杯戦争。(広義での)歴史上の有名な人物を使役して戦うという設定や複雑に絡む人物関係、サーヴァントの宝具を使った派手なアクションが面白くて、近年ではスマホゲームの『Fate/Grand Order』も人気のようですね(やってないんですが)。このルート(一本のゲームで複数のルート=シナリオがある)のメインとなるのは、テレビアニメ化された『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』ではほとんど出番がなかったヒロインのひとり、間桐桜となります。

再び冬木市で始まる聖杯戦争に身を投じることになった衛宮士郎とそのサーヴァントのセイバーは、暗躍する謎のサーヴァントに翻弄されていき、一方で士郎の家に通うようになった桜の周囲も徐々に不穏さを表していきます。正直『Fate/stay night』のあらすじとキャラ設定くらいは知っておかないと、一見さんにはかなり厳しいです。同キャラ&設定で展開が異なるシリーズも三度目ともなると、まさかそこをはしょりますか!という構成になっているので。ただその分じっくり描くところは描き、テンポがよいところはよく、会話劇という印象だったけどセリフもわりと少なめで映像で丁寧に見せる作りになっています。モノローグも説明的というよりは詩的なのがイイ。

作画はレベルが高く、サーヴァント戦などのアクションは迫力十分。夏の日の弓道場、夕陽の照る校庭、雪の降る夜空といった映像も美麗です。このルートは話をちゃんと知らなかったので、こいつがやられちゃうの!?みたいな予想外の展開が新鮮でした。三部作の第一弾ながら早くも混沌とした展開で、この先どうなるのか気になるところ。あとエンディング曲のAimerの『花の唄』も良かったです。

↓以下、ネタバレ含む。








30分くらいある長いアバンタイトルで丁寧に描かれる士郎と桜との月日。最初に士郎の家に来たときは目に光がなかった桜も、士郎たちとの日々に徐々に生気が戻ってきます。この嵐の前の静けさが心地よいわけですが、桜の兄である間桐慎二が醸す不穏さというのもあったりして引き込まれます。と思ったら、やがて始まるオープニングのまさかのバックで、士郎はランサーに殺され遠坂凛に救われあまつさえセイバーとの出会いまで済ませてしまう、という簡略化にぶっ飛びました。思いきってます。

思いきりという点では、まさかのライダーがワンパン退場とか、まさかのアサシンが開きにされて脱落とか、マスターが速効死んでゾンビ化するキャスターとか、ガンガンけりがついていく展開には唖然。謎のサーヴァントは真アサシンと呼ばれ、さらに謎は深まる一方。ランサーvs真アサシンのカーキャリアでの戦いはエキサイティングですが、最後にお待ちかねゲイボルグ発動かと思いきや「ゲイ!ボル!」で「グ」を言わせてもらえないというのも歯がゆいうえに、心臓を取られるという『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』みたいな目にあうランサー。そして真アサシンは砂漠に関係あるらしく、風に耐性があるということでセイバーとの相性が最悪というのが今までにない危機感。ついには虚無に囚われ己の影と対峙するセイバー。カオスです。

切嗣の影響で正義の味方に憧れる士郎は、正義のために聖杯戦争への参加を決めます。が、個人的には士郎のイイ人ぶった態度と煮え切らない行動にはイライラするんですけどね。桜が「早く帰って」と言ってたのにクズ慎二の嫌がらせをわざわざ聞いたりするし、桜を殴った慎二にグーパンかますくらいの気概を見せて欲しいもんです。まあ『UBW』よりは幾分マシかも。桜みたいな可愛い女子が毎日ご飯作りに通ってくるとかけしからんですが(朝からブリ照りとか!)、今作の士郎は淫夢を見るという正常な高校生男子でもあって少し安心しました。今作はちょっと性的なニュアンスが多いですかね。Eカップはともかく「首はねてから犯せ」とか「まだヤりたりないか」とか色々と。『Fate/stay night』が元々エロゲーであることを思い出しましたが、これがトータルでどういう意味合いを持ってくるのかはまだわからないですね。

あっという間に聖杯戦争脱落した慎二は、桜いわく嫌いな人が好きという難儀な奴。現時点では非常にいらない存在ですが今後も絡んでくるのか。そして桜は今後おぞましい目にあっていくのか(たぶん蟲系)。今後の見せ場が気になる凛とアーチャー、イリヤとバーサーカー。なぜかまたいやがるクソ野郎こと鬼神ギルガメッシュの目的は何か。言峰綺礼はなぜ汗だくで麻婆豆腐(単品)を食らうのか(しかもおかわり)。そして復活するライダー、真アサシンのデカい手のような宝具や真名、といった謎の数々。三部作の一発目ということで、色々ブッ込んでの引きがなかなか後を引きます。早く続き観たいぞ。

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