2017
08.21

メタルに宿る騎士道精神!『トランスフォーマー 最後の騎士王』感想。

Transformers_5
Transformers: The Last Knight / 2017年 アメリカ / 監督:マイケル・ベイ

あらすじ
ターザンが暴れてる!



「創造主」による地球侵略を阻止するため、故郷の惑星サイバトロンに旅立ったオプティマス・プライムだったが、捕えられて洗脳されてしまう。一方の地球では、ディセプティコンやトランスフォーマーを敵視する人間たちと戦うバンブルビーらオートボットとケイド・イェーガーが、謎の英国紳士バートンからトランスフォーマーの隠されていた真実を明かされる……。マイケル・ベイ監督によるSFアクション『トランスフォーマー』シリーズ第5弾。

車や色んなメカに変形できる、おなじみ金属生命体トランスフォーマー。オプティマス・プライムをはじめイイもんのトランスフォーマーであるオートボットたちはなぜか相変わらず虐げられてるんですが、彼らが実は人間の歴史に古くから関わってきたという、新たな真実が明かされます。タイトルの「最後の騎士王」ってなに?って感じですが、意外とそのまんま中世?の騎士が絡んでくるんですね。まあ前作の『トランスフォーマー ロストエイジ』では恐竜時代まで遡ってるのでそれよりは近い時代ですが、いや驚きますよ。あれ、おれ『キング・アーサー』観にきたんだっけ?と序盤はわりと本気で混乱しました。

映像は相変わらずスゴい!炎渦巻く大爆発!部品飛び散る大破壊!空に浮かぶ巨大な何か!舞台が後半イギリスに移るんですが、そこに漂う優雅さもちょっとイイ。そしていつにも増して話のグダグダさがスゴい!なぜそうなる、なぜここでそれが、という連続は予想の遥か斜め上へと観る者を誘います。あまりに滅茶苦茶で、そこが逆にだんだん面白く感じてくるという想定外の事態に。ソシオパスなロボの登場とか、変形ではなく分離とか、もうトランスフォーマーって何だっけ?となるほどやりたい放題。もう良し悪しとかよくわかんないッス!

我らが司令官オプティマスは前作に続きずーっとプンプン怒ってますね。情緒不安定なんでしょうか。そのぶんバンブルビーが頑張ってます。今回ビーがかなりカッコいい。前作に引き続き人間代表のケイド役は『パトリオット・デイ』マーク・ウォールバーグ、娘を守るために奮闘した結果犯罪者扱いされてる自称発明家です。そういえばそんな設定だった。ローラ・ハドックの演じるヒロインのヴィヴィアンは大学教授で、ケイドとは格差カップルという感じでしょうか。もう一人のヒロインとも言うべき少女イザベラを演じるイザベラ・モナーが可愛くも精悍。そして謎のイギリス紳士バートン卿を演じるアンソニー・ホプキンスがとても楽しそうなのが良いです。他『ダークサイド・ムーン』まで出ていた軍人レノックスのジョシュ・デュアメルや、シモンズのジョン・タトゥーロが再登場してますね。おかげでシャイア・ラブーフのサムはどこいった?というのが余計際立ちますが……。

タイトルの出方がスゴいあっさりなので不安になるんですが、さすがマイケル・ベイ、そんなのは杞憂でしたよ。宇宙から海の中からストーンヘンジまで実に様々な場所に行き、破壊したりされたり爆発したりのオンパレード。あらゆる疑問を吹き飛ばす男気と、敵に回ると怖いオプティマスのヤバさ、そして何かもうよくわかんないスゴさに圧倒されます。あとエンドロールが「流れない」というドラマ方式なので超早く終わります。

↓以下、ネタバレ含む。








物語の整合性みたいなのをこのシリーズにあまり求めてもしょうがないかな、とは思いつつ、さすがに色々と飛躍しすぎではあります。オプティマスが母星サイバトロンに行くのが宇宙を漂いながら、というところからして「よく着いたな!」って思うんですけど、そんなのは序の口。あっけなく洗脳されて「俺は悪のネメシスプライムだ~(大意)」とか言ってるし、地球ではオートボットたちがまだ人間と戦ってるし、ケイドは歴戦の戦士みたいになってるし、ナチスを叩いたのもオートボットだし、メガトロンはさりげなく復活してるし、何が何やらわかりませんがとりあえず皆さん暴れます。アーサー王を救ったのは魔術師を名乗る詐欺師のマーリンが連れてきたトランスフォーマーで、そのマーリンの子孫がヴィヴィアンで、バートン卿はその秘密を受け継いできた貴族で、創造主は地球を侵略するためにサイバトロン星を移動させて、ケイドはタリスマンを引き継ぎ地球を救う、というわけですね。こうやって並べただけだとワケがわかりません。いやちょっと待って、最後の騎士ってお前かい!その前にアーサー王伝説ってフィクションですけど!

肝心のトランスフォーマーたちは、どれが仲間なのか、どれが機械生命体なんだかわかりにくいです。前作に出たハウンドは判別できますが、同じく続投のクロスヘアーズ、ドリフトあたりはカラーリングが変わってて識別しにくいし、他にもドンドン出てきてガンガンやられていくし、ダイナボットのグリムロックはなんか廃車場で暴れてるし、子供のダイナボットってなんだ?う、産まれたの?キングギドラみたいなスゴいのは一体なんだ?など結構置いてきぼり食らいます。あとトランスフォーマーの変形メカとしてのカッコよさ、みたいなのもいまいち目立たないような。見慣れたというのもあるかもですが、変形ロボットのロマンみたいなのは興味薄れたんですかねマイケル・ベイ。

というか飽きたのかな。イザベラちゃんの相棒スクィークスは本来ベスパに変形するらしいですが壊れててできないって言うし、ビーがバラバラに分離するという反則技もブッ込んでるし。でもその分離のおかげで壊れたと思っても復活できるので便利(都合がいいとも言う)。あと車のときに一部だけ腕に戻して撃つというのがイカしてます(&イカれてます)。ビーは相変わらず声ネタがありますが、今回はsiriですかね。フランスかぶれのホット・ロッド(声がフランス人のオマール・シー)がトランスフォームして乗客を吐き出すところも面白い。特異なところではニンジャ執事ロボのコグマンが自らソシオパス(社会病質者)を名乗るだけあってクレイジー。コグマンは本来頭部に変形して、胴体に変形するビークルと合体して一体のロボットとなるらしいです、ってグレンラガンじゃないか!それは見たかった。オプティマスはあっさり洗脳されてたくせに終盤の大暴れで美味しいとこは持っていきますね。「私を誰だと思ってる!」ってスゴい偉そうです。さすが司令官。つーかあんたが王様でいいよ。

そんなこんなで振り回されまくるし、オプティマスの洗脳と騎士の物語は上手くリンクもしてないしで、物語としてはどうにもちぐはぐではあります。ただ、散漫ながらそれをカバーするだけの熱いドラマがあって、そこが嫌いになれないんですよ。ケイドが「おれ以外は誰もわかろうとしなかった」と不満を言うかと思いきや「一緒に来てくれてありがとう」ですよ。でTRF(非テツヤコムロ)のサントスが腕のマークを外すとか。首相を脅したり中指立てたりと飄々としたやんちゃぶりで魅せていたアンソニー・ホプキンスのバートン卿が、爆発で吹っ飛ばされながらも役目を果たし、毒舌コグマンに「歴代の主人で一番クールだった」と言わせたり。ビーが本当の声でオプティマスに告げる「あなたの一番古い友人だ」には泣けますね。そりゃあ司令官も「アイ、アム オプティマス・プライム!」って奮起しますよ。あとビーは「ハチのように刺す(Sting Like a Bee)」って台詞が超カッコいい。ポンコツのスクィークスが最後に役に立つのも良いですね。

そんなのもあって、いやこれはこれでスゴいんじゃなかろうか、と思っちゃうんですよ。潜水艦で海を行ったり、クライマックスでは宙を飛んだり、あげく地球自体がユニクロンという機械生命体だ、までくるとお腹いっぱいですが、そんなヤケクソな展開でも求められるスケールとクラッシュと火薬量はしっかり出してくる。一本の映画としてどうかという疑問はあっても、トランスフォーマーシリーズとしては不思議と成り立っている、ように思える。この謎の説得力がマイケル・ベイです。しかし続編やる気満々の終わり方ですが大丈夫なんでしょうか。ベイは今度こそ監督やらないと言ってるしなあ。でも地球とサイバトロン星はほぼ合体状態なので、オプティマスが最後「故郷に帰ろう」って言っててもご近所さんなのですぐに来れるから安心です。

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