2017
07.04

復讐は相棒と共に。『リベンジ・リスト』感想。

I_Am_Wrath
I Am Wrath / 2016年 アメリカ / 監督:チャック・ラッセル

あらすじ
我は怒りなり。



目の前で強盗に妻を殺された修理工のスタンリー・ヒル。容疑者は逮捕されるが、裏社会と繋がる悪徳警官により釈放されてしまう。復讐のため銃を取るスタンリー。彼はかつて数々の作戦に参加してきた元特殊部隊の工作員だったのだ!ジョン・トラボルタ主演のリベンジ・アクション。監督は『イレイザー』『スコーピオン・キング』のチャック・ラッセル。

妻を殺された男の復讐譚、そして男は元秘密工作員、しかも演じるは『フェイス/オフ』『パニッシャー』のジョン・トラボルタ!一般人かと思いきや殺人のプロだった、という主人公を往年のスターが演じるという意味では、『イコライザー』『ジョン・ウィック』『96時間』など、どうしても期待する方向性というのがあるわけですね。その期待に応えてくれる、かと思いきや、アレ?何か変だぞ?実は凄腕、にしてはそこまで無双ではないし、復讐劇もなんだかまどろっこしい。

というわけで本作の方向性はちょっと予想と違い、主人公スタンリーとその相棒であるデニスという、二人のおっさんによるバディムービーと見るのが正しいようです。お、おうそうなのか。肝心のトラボルタが動きにいまひとつキレが足りない気もしますが、デニス役のクリストファー・メローニがなかなかイイ味を出しているのが救い。奥さん役は『ゆりかごを揺らす手』のレベッカ・デモーネイですね。

相手がただのチンピラかと思いきや思いがけない背景も見えてきて、復讐劇は意外な方向へ。元プロにしては仕事が雑だなあとか、敵のやることも雑だなあとか、まあ色々と難はありますが、怒れるトラボルタを堪能できます。

↓以下、ネタバレ含む。








トヨタの就職口を蹴って復讐に挑むスタンリー。彼が元特殊部隊工作員であり、怒らせてはいけないプロである、というのがキモなわけですが、そんな秘密が明かされるのは元相棒で今は床屋の親父デニスによる髭剃り時の会話。自分たちで滞りなく説明してくれるし、奥さんのために生き方を変えたのだというのも判明する……せっかく銃を壁から取り出すところで「きたきた!」となるのに、その辺りがスマートじゃないですね。あと最初にスタンリーの強さというのを映像で見せてほしかった。スタンリーは結構やられるので、先に強さを見せておかないと「ピンチだ!」と思う以前に「意外と弱いな」という印象を持っちゃうんですよ。

あと手下を痛め付けるところを写真に取られて追っ手がかかるなど脇が甘すぎます。面が割れたなら敵地に乗り込む前にまず家族の安全確保だろうに、何も手を打たないからあっけなく人質に取られるし、その間何をしてるかといえば無防備に寝転がって背中にガッツリとタトゥーを彫ってもらってるという。え、何してんの?感がスゴい。彼の追うのがハエのタトゥーの男ですが、小物に時間かけすぎてギャングボスのレミKや悪徳刑事や黒幕への報復が若干駆け足。かと思えば、教会でいきなり「たくさん人を殺した」と涙ながらの告解を始めて呆気に取られます。しっかりしてくださいスタンリーさん!

なぜ敵が床屋の場所がわかったのか謎だし、バーでデニスに女が言い寄ってくるのは全く意味がないし、娘の家で撃たれた女性が誰だかよくわかんないし(ベビーシッター?)、不足と無駄が交互にくる感じです。黒幕もね、調査結果がマズいから調査した人を殺すとか、最後は自ら手を下そうとするとか、リスク高すぎですね。と言うかあの黒幕に負けそうになるとか、しっかりしてくださいスタンリーさん!刑事が最後に報復にきて返り討ちというのも頭悪いです。

その点、相棒のデニスはいざというとき不意に現れて助けてくれるのでナイスです。しかも三人に襲われても追い払えるほどちゃんと強い。スタンリー一人だとハラハラしますが二人揃うと途端に安心感が増してコミカルなバディものの趣が出てくるので、いっそその方向に振り切った方が面白かったんじゃないかな。それなら「向けられた銃を手で払って反撃」というのがまさかの三回もあるのも重ねのギャグになろうというもの。ただ、やはり原題通り「我は怒り」という話なので、そうもいかないんですよねえ。難しいものです。

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