2017
04.20

その名を高らかに叫べ!『バーフバリ 伝説誕生』感想。

Baahubali_1
Baahubali: The Beginning / 2015年 インド / 監督:S・S・ラージャマウリ

あらすじ
バーフバリ!バーフバリ!(リピート)



巨大な滝の下で育った青年シブドゥ。滝の上の世界に興味を持つシブドゥはある日ついに滝の上へとたどり着き、そこで出会った女戦士アバンティカと恋に落ちる。彼女が暴君バラーラデーバの治める王国と戦っていることを知ったシブドゥは自らも王国へ乗り込むが、そこで彼は自身の出生の秘密を知ることに……。インド発のアクション大作。監督は『マッキー』のS・S・ラージャマウリ。

インドで『きっと、うまくいく』『PK(ピーケイ)』を越える大ヒット、インド映画として初めて全米映画興収トップ10入りを果たしたという本作。テルグ語映画は初めてですが、さてどうかなーと思って観たら、驚きました。なんだこの超絶バトルアクション歴史スペクタクル巨編なインド映画は!これは『グラディエーター』や『ヘラクレス』のような英雄を描く歴史ものであり、凄まじいスケールに彩られた一大叙事詩なのです。

遥かなる大滝を越えて若者シバドゥが向かった先、そこに待ち受ける数奇な運命、そして戦うべき宿命といったドラマには思わず前のめり!剣と盾と馬とがぶつかり合う大合戦シーンは怒涛の大迫力!無双の強さを見せるシバドゥの徹底されたヒロイックさと、悪逆非道の国王バラーラデーバの鬼強さ、美しく強いヒロイン・アヴァンシカの艶やかさと、キャラも立ちまくり。そしていちいち仰々しい、でもカッコいい、最高すぎるキメ絵の連続に激燃え!

観終わったあとは「バーフバリ!バーフバリ!」とコールしたくなるほどふるえるぞハート状態です。歌う代わりに叫び、踊る代わりに戦う!でもヒロインを口説くときはインド映画らしく歌い踊るぞ。壮大なるビジュアルに酔い、荘厳なる音楽にアガります。上映館が異常に少ない上に一週間限定公開だったため観れなかった人も多いかと思いますが、超面白いので機会があればぜひ。まさかの終わり方には「えええ!?」って声が出そうでした。

↓以下、ネタバレ含む。








■バーフバリ!

確かに「The Beginning」というサブタイトルは引っ掛かってましたが、いやまさかね、二部作の前編だったとはね!単に知らなかっただけですが「そこで終わるのかよォォッ!」ってなりましたね。もう終盤なのに過去編長くない?と思ってたらまだ中盤だったというね。

とにかく映像がダイナミック。冒頭の広大な3Dマップからクローズアップされる舞台。あまりにも雄大な滝の風景は、見上げたり見下ろしたりのアングルも凄い。あの滝から何度も落ちて平気な時点でシブドゥは只者ではないです。つーか頑丈だな!荘厳な王宮や超巨大な黄金像といった王国のスケールもかなり魅せるし、国王バラーラデーバの強さを「素手で巨大な猛牛を止める」というこれ以上ないわかりやすさでアピール。

そして後半の敵部族との戦闘シーンはこれでもかというほどの大軍同士の激突!しかも陣形を駆使して戦うという『レッド・クリフ』のような集団戦がまた熱い!バラーラデーバ(昔)の武器がデカい鉄球であるとか、回転ギロチンを付けた馬車で敵をスパスパ切り裂きながら突っ込んでいくなど、戦い方のバリエーションも豊富で楽しいです。この一大バトルシーンのスペクタクルが素晴らしいので、この前編だけでも結構な満足感があります。


■バーフバリ!バーフバリ!

そしてキメキメのショットが笑っちゃうほどカッコよくて笑ってしまう(笑うんかい)主人公シブドゥ。演じるブラバースは最初こそラジニカーントにちょっと似てるなーとか思いますが、脱げばマッチョ、剣を持てば無双、シヴァ神のデカい御神体を単独で持ち運び、とんでもない距離の崖の間を飛んで渡り、倒れそうになった黄金像を一人で引っ張ったりと、もうカッコよさがとどまることを知らない!(ラジニももちろんカッコいいよ!)滝登りの途中で作った弓矢でロープを渡して進むとか『ロード・オブ・ザ・リング』のレゴラスかと思いますよ。さらに泥のついた髪をドギャァァン!って振り乱したり、顔の布が取れてバァァァン!って素顔を晒したり、いちいちスローで見せるのがもう素敵すぎ!

シブドゥの育ての母(薬師丸ひろ子似)が謎の洞窟を閉じたせいで25年の月日が流れ、そこが開いてれば滝を登らなくてよかったのに、とは思うものの、おかげでシブドゥはヒロインのアヴァンシカと出会います。滝で見かける彼女は幻ですが、近付いたと思ったら無数の蝶になって消えていくというのがミステリアスで、大いなる存在を感じさせます。シヴァ神が彼女の姿を借りてシブドゥを真実へ導いているということでしょうか。

現実のアヴァンシカは敵から逃げながら飛んできた剣で振り向き様貫くというワンダーウーマンばりの女戦士ですが、川に映る自分のワイルドさにちょっとヘコむ乙女でもあります。そんなときにシブドゥに躍りながらどんどんドレスアップさせられ、滝に映る自分に「これが……私!?」みたいになったらね、いくら相手が少しヘラヘラした謎の男でもそりゃホレますよ。仕上げにザッと濡らすというのがエロいです。シブドゥわかってます。王妃を助けにいくぞーつってんのに水の中でいつの間にか手にタトゥ入れられるし(気付けよ)、蛇のせいで動けないあいだにいつの間にか肩にタトゥ入れられるし(スゲーな)、しかもそれらのタトゥがシブドゥのタトゥと繋がるとかね、ロマンチックにもほどがありますが、演じるタマンナーちゃんの美女っぷりもそれによってガンガン際立ちます。


■バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!

しかしインド映画らしい歌と躍りはこの二人のラブラブシーンのみ。本来の目的に立ち返るアヴァンシカに、だったら俺がとシブドゥが王国に向かうことで、以降はシリアスな物語が展開します。人々がシブドゥを見て口にする名前、それこそがかつての王・バーフバリ。そのバーフバリにクリソツなシブドゥこそが正統なる王子!どれくらい似ているかと言えば、同じ人が演じるくらいクリソツ!そしてシブドゥが宮廷内に足を踏み入れただけでその存在を察知する(スゲーな)囚われの女性こそが実の母である王妃!王妃を連れ出したシブドゥに襲い掛かるは、剣で剣を切り裂く(スゲーな)稀代の剣士、カッタッパ!やがてバーフバリを巡る壮絶な過去が語られることで、この大河ドラマはより神話的になっていきます。

素晴らしい存在感を見せるのが女王シヴァカミです。息子のバラーラデーバではなく、よりふさわしいと思ういとこのバーフバリを王に選ぶ、国の行く末を考えた判断。自分が障害者であることをひがみ歪んでしまったバラーラデーバ父に比べ、「百人殺せば英雄、一人の命を守れば神」と言い放つ気高き女王。なぜ彼女が追われることになったのか、そしてなぜ彼女は命を賭してまでバーフバリ(息子)を救ったのか。この辺りは後編で語られることになるのでしょう。さらに明かされる、バーフバリ(父)が家臣の裏切りによって絶命したという真相、カッタッパがなぜにバラーラデーバに忠誠を誓うのかという謎など、後編への引きは十分すぎるほど。

カッタッパに「いつでも頼れ」と言う商人の男がどう絡んでくるのかも気になるし(絡むのか?)、何よりバーフバリ(息子)と、彼に息子を殺されたバラーラデーバとの因縁の対決は、そして王の子であることを知って崇め奉っちゃったアヴァンシカとの恋の行方は一体!果たしてバーフバリ・コールは巻き起こるのか!(たぶん起こる)後編が待ち遠しい!

 ※

その前に続編はちゃんと公開されるのか、という心配もあったんですが……しかし、配給のツインが続編『Baahubali 2: The Conclusion』を買い付けたことを発表したそうです!予告編も観ましたが、激アツです!ぜひ今作と合わせて全国拡大公開してほしい!バーフバリ!バーフバリ!

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