2017
02.12

最高な点をひたすら上げていこう。『マグニフィセント・セブン』感想(その2)。

Magnificent_Seven_02
The Magnificent Seven / 2016年 アメリカ / 監督:アントワン・フークア

あらすじ
赤い風車はデッドライン。



前回の感想はこちら。
死に場所は自分で選べ。『マグニフィセント・セブン』感想(その1)。

前回は各キャラクターへの言及をあまりしてなかったんですが、この作品はそもそもキャラ燃え(萌え)がスゴいんですよ。それだけで長くなっちゃうので、結局別エントリーにしちゃいました。とは言え、例の如く「最高!フォー!」という個人的に好きな点を、時系列も関係なくダラダラ書いているだけです。まあこの作品がこんなに好きなんです、という意思表明みたいなものなので、気になったら読んでいただければと思います。

公開からそれなりに経ってるので、既に多くの人が言ってることとカブってるかもしれませんがご容赦を。公開規模も縮小されてきているようですが、これが劇場で観るべき映画である、ということは断言しておきますよ。観れば観るほどまた観たくなる魅力が満載です。最高!フォー!

↓以下、ネタバレ含む。








★サム・チザム

・陽炎に揺れる地平から馬に乗ってこちらへ向かってくる、という登場シーンからしてカッコいいデンゼル・ワシントンのサム・チザム。黒人で黒ずくめの衣装、愛馬まで黒なので、シルエットが真っ暗になるのが死神のよう。帽子から僅かに覗かせる眼光は鋭く、でも話し方は柔らかく、常に冷静沈着。堂々たるリーダー役として抜群の存在感です。銃の腕前もピカ一。アマドール・シティでパウダー・ダンに「ここに傷がある」と言ってその場所をグイッと押してダンをこわばらせる、という追い詰め方も容赦ないです。

・デンゼルはとにかくカッコよく撮られてるので、フークアはホントにデンゼルが好きなんでしょうね。『イコライザー』からしてそうだったし、この企画が上がった際も「まずデンゼルが馬に乗った姿が浮かんだんだ」みたいなこと言ってるし。ブラックストーンの連中と対峙したとき、チザムが「どいてろ」って誰に言ったのかと思ったら馬で、馬もそれに従う、というのが最高です。ビーストテイマーか。作戦会議で「あんたが撃たれたらどうする」と問うファラデーに「仇をとれよ当然だろ」と返す軽妙さも持ってます。あと走る馬に横乗りになって撃つとか、後ろ足で立つ馬から撃つ、みたいな曲芸までこなすので死角なしですよ。彼を苛むのは唯一過去の恨みだけなのです。

・グッドナイトに「無私のわけがない」と言われ、牧師には「戦う理由がある」と漏らす。焚き火の前でグッディに妹のことを言われた際の、どこか懐かしんでるような、それでいて寂しげな表情。そんなチザムの戦う理由は、無私の行動ではなく復讐だったわけです。無欲で助ける流れ者という『荒野の七人』の構図から変更されているわけですが、ここはむしろチザムに人間味を感じるところでもあります。その復讐心が悪党への怒りとなって、彼を法の執行官へと誘ったとも思えるのですよ。だからエマが「目的は正義、そして復讐も」と言って両方が揃ったからチザムは引き受けたのだろうし、何度も「自分は複数の州の執行官だ」みたいなことを言うのもあるいは己の正統性を表す建て前として必要なのかもしれません。悪党を追うも決して聖人君子ではない、そういう意味では彼もまたアウトローです。それでも「リンカーン、大統領と同じ名前」と言ったあとに私怨を出しすぎた自分に苛ついた顔を見せたり、決戦前夜に「去りたい者は去っていい」と言ったり、己の復讐に皆を巻き込んでしまった罪悪感に教会で一人項垂れたりする描写に、チザムが血の通った人物であることを感じさせてくれます。


★ジョシュ・ファラデー

・ちょっとイーストウッド的な風貌にニヒルな笑みのファラデー。クリス・プラットの軽妙ながらパワフルな感じが実に良いです。クリプラは何だか『ジュラシック・ワールド』のときよりさらにガタイが良くなったような……。二丁拳銃を使い率先して敵陣に乗り込んでいくような攻めの姿勢がギャンブラーっぽかったり、爆薬ドカーンってするたびに嬉しそうな顔をする稚気があったりと「陽」の魅力に溢れています。適当そうに見えて、二丁拳銃のビリーに「(弟を)殺したくはなかった」と言ったり、火の上がった隠れ場所から子供たちを避難させようとしたりと、意外と優しげな面も見られます。序盤にチザムがバーにやってきたとき銃を抜こうとしたギャンブル相手を銃で制するのも、ひょっとしたら無駄死にさせないためだったのかも(流れ弾がイヤだっただけかもですが)。

・ファラデーは自身の銃を「正妻のエセル、愛人のマリア」と女に例えてジャックにたしなめられますが、ビリー弟を撃った理由として「俺の銃に触ったからだ」と言う辺り心底銃が好きなのか、あるいは何か女性絡みの過去があるのかもしれません。バスケスが「俺のマリア?」と言ったとき、一瞬顔がマジだったぞ。あとファラデーと言えば銃の他にもトランプさばきが印象的。「お前なんかイカサマしなくても勝てる」と言うくらいだから実際イカサマもお手のものなんでしょう。この騙しのテクニックによりガトリング爆破をも成し遂げるわけです。ラスト、ファラデーの墓に挟まれた一枚のカードが風に飛んで行くのが、彼の軽妙な面影を思わせてくれます。

・合流したチザムに「もう貸し借りなしだ」と言われてファラデーが返す言葉が「頼みがある。援護してくれ」というのは、もう損得ではないからこその「頼み」であり、仲間への信頼があるからこその「援護」ということなのです。泣けます。このときと、その前に脇腹を撃たれたときの二度、ファラデーが「まだイケる(So far, So good)」という台詞を言うのは偶然なのか故意なのか。言うまでもなくこの台詞はファラデー自身が話した「5階から落ちた男の話」のもので、この話の結末は「死」であるため不吉でしかありません。しかし序盤のカード勝負で「ツキを変えたいんだ」と言っていたファラデーが、散り行く前に言うのが「ツキが回ってきた」なのが、彼が満足いく死に場所を見つけられたということでもあるのでしょう。あるいは、上手く出し抜いてやった、というギャンブラーらしい矜持なのかもしれません。


★バスケス

・メキシコ人のバスケスもファラデーと同じく二丁拳銃を操るガンマン。最初にチザムと会ったときに、死体と過ごしてるのかと言われ「静かでいいぜ」と返したり、エマを投げ縄でひっくり返したりとなかなかの傑物ぶりを見せます(投げ縄の見せ場はもっと欲しかった)。ニヤケ顔や食い方が汚いなど若干粗野な部分もありますが、よく笑う陽気さが好ましい。葉巻をかみかみするのは癖なんですかね。あとボーグを迎え討つときの準備を率先して色々やる働き者。ブラックストーン戦で、建物内に突入する際、息を整えニヤリと笑ってから中に入るシーンが超イカす!あとレッドハーベストが登場したとき最後までぐっすり寝てたので、本当に死体があっても平気で寝てた可能性が……。よく笑い、よく食べ、よく寝る、健康優良アウトローです。

・バスケスは賞金首ですが、「騎兵隊員を殺した」と言うチザムに「自業自得だ」と返す辺り、そこに殺らねばならなかった何らかの理由を感じさせます。最後の戦いには「他に行くところもない」と言って臨みますが、メキシコを追われて流れ者となっていたバスケスにとっては仲間がいるその場所が新たなホームだったのかもしれません。


★ファラデー&バスケス

・バスケスとファラデーのコンビ、最初はメキシコ人ネタでからかうファラデーと憮然とするバスケスは犬猿の仲なのかとも思われますが、戦いのときはお互い背中を合わせて戦うのが熱い。で、終わったら「もう一人死人を増やそうか」とか口喧嘩するのです。ファラデーに対して使う「グエロ」が最初は白人への蔑称だったのに、ファラデーが「陽気な二枚目ってことか」と言ってからは愛称として使うようになるんですね。ケンカするほど仲がいい、それはファラデーを撃った相手を棺桶にブチ込むまで何発も撃ち込むところにも見られます。最後、チザムに「ファラデーは」と聞かれて黙って首を振る表情が悲しい。テディに「ファラデーの馬を頼む」と言い置いて去るのも泣けます。


★グッドナイト・ロビショー

ケイジャン(フランス系カナダ人)のグッドナイトは、南北戦争では23人を狙撃し「死の天使」と称された伝説的スナイパーにして伊達男。レッドハーベストが現れたとき、「他にもいるかも」とすかさず高台に登るのがベテランっぽい。しかし彼はブラックストーンとの戦いで引き金を引けません。「多くの死を見すぎた」ために引き金を引けなくなっている、つまりPTSDを抱えているわけです。無機物なら百発百中でありながら人を撃てない、ビリーに「フクロウが追ってきた」と言って死の影に怯える。この「撃てない」というのが不安要素としてわだかまる複雑な人物として、イーサン・ホークのキャスティングは絶妙。イーサンはこの企画の話を聞いたとき、フークア監督を取っ捕まえて壁ドンしながら「何の役でもいいから自分を出せ」と言ったそうですが、その熱意を見事に具現化したと言えます。

・決戦前夜、耐えきれなくなったグッドナイトは「俺の行くところ彼も行く」と言ったビリーまでも置いて去っていきます。引き止めるチザムの「お前が必要だ」に対し「俺は卑怯者で臆病者だ」と期待に応えられないグッディ。「昔の俺を覚えていてくれ」の台詞が悲しくて泣きそうになります。しかし馬に乗りながらの狙撃で戻ってくる姿に、予想通りとは言え喝采。決してトラウマを克服したわけではなく、戻ってきたときも何かを振り払うような苦しげな顔を見せますが、チザムが言った「逃げたら自分に失望する」という言葉に死と向き合う覚悟を決めたのでしょう。そのためにビリーからも離れ、一旦一人になる必要があったのかもしれません。


★ビリー・ロックス

・東洋人のビリー・ロックスは早撃ちの腕もあり、ナイフの達人でもあり、総じて戦闘力が高いです。西部劇らしい向かい合っての決闘シーンがあるのはチザム以外ではビリーだけですね。銃よりも早くヘアピンで倒すのがシビれます。イ・ビョンホンは立ち姿がスッとしていて実にカッコいいんですよ。チザムと共にローズ・クリークにやって来るときの歩く姿もシャキッとしてます(チザムに「召使いだ」と言われて「は?」って顔するのが可笑しい)。銀メッキのナイフを腰に何本もぶら下げてるのがまたクール。えーと、パンフによると9本だそうです。9本!?ナイフさばきがスゴすぎて、その演武を見てナイフを習おうとしてた町民たちが「ムリムリ」って帰っちゃうのもしょうがない。

・ブラックストーンとの戦いでは、前回りで弾を避けながら距離を詰めて相手をナイフで柱に張り付け、そのまま建物内に入り、次に映ったときは建物を出てきながら銃撃、柱に張り付けた男のナイフを抜く、という一連のアクションがアホみたいにカッコいい。ラストバトルでも、ジャンプしながら振り向いて撃つなど、これまたアホみたいにカッコよくて最高です。また、終盤にはグッディに負けないほどの狙撃能力があることも見せてくれます。金鉱でボーグの手下を長距離射撃で始末したのは最初はグッディかと思いましたが、あの時点ではまだグッディは撃てなかったことを考えると、ビリーが狙撃をやったのかもしれません。思えば直後にダイナマイト倉庫の扉を率先して蹴破ったのもビリーでした。


★グッドナイト&ビリー

・グッドナイトとビリーの関係は、決闘で稼いだ金は「折半だ」とは言うものの、「俺は彼を雇い、彼は俺を真っ当にする」というグッディの台詞からも、ビリーがグッディの精神的拠り所であるのは明らか。一方でビリーはグッディに拾われた恩だけでなく「彼には白人の偏見について色々教わった」と言うように何かと学ぶところもあったのでしょう。それにしてもタバコもいちいち火をつけて渡したり、死の影におびえるたびに「大丈夫だ」となだめたり、グッディが撃てなかった時にライフルを取って「弾詰まりだ」と取り繕ったりと、ビリーの過保護ぶりは並大抵ではないです。相棒が去って一人酒をあおるビリーの姿が超寂しげ。そんな二人にブロマンスの匂いを感じるのも致し方なく、実際ジャックが「ソドムとゴモラ」を口にした時に顔を合わせるのも怪しいんですが(ソドムとゴモラは同性愛の禁忌を表すエピソード)、直後にグッディが渡した水筒が空で憮然として返すビリー、みたいなのを見ると、ブロマンスよりは馬の合う相棒という方が個人的にはしっくりきます。

・戻って来たグッディと教会の塔に登ったビリーが「戻ってくると思ってた。これを忘れたろ」とグッディのスキットルを見せるのが粋でイイ。それを見て「おっほほぅ」と笑うグッディ、そしてそのスキットルを返さず自分の胸にしまうビリー、「ハデにやろうぜ!」で二人同時に撃ち始める、の流れがたまりません。「俺の親父がこう言っていたよ」「なんて言ったんだ」「親父は色んなことを言っていた」と笑い合うのも、死を前にしながらお互いへの信頼感が溢れていて泣けます。悪魔の銃を目指すファラデーに気付き、「走れ、ファラデー、走れ!」と叫びながら(ここでも泣きそうになる)、すぐさまファラデーを追う敵を撃ち落としていくグッディとビリー。追っ手を全員倒したところでガトリングによって倒され最期は離れ離れになりますが、死にゆくビリーのそばにはグッディのスキットルがあるのです。このスキットルは最後にグッディの墓に下げられています。


★ジャック・ホーン

・山男のジャック・ホーンは、かつて原住民のクロウ族を300人殺したという伝説を持ち、頭を殴られ崖から落とされてそれでも追いかけてくるタフな男(字幕で「頭を打たれて」というのを「撃たれて」と勘違いして不死身すぎると震えました)。ジャックは銃の他にも斧を投げたり、体当たりで馬ごと倒したり、聖書の言葉を叫びながらナイフで何度もブッ刺しておまけに最後に捻るなど、かなりの狂気じみた戦闘スタイル。あの巨体が走ってきたらそりゃビビりますよ。建物に飛び込んだと思ったら窓から敵が投げ飛ばされてくるとか最高です。ヴィンセント・ドノフリオの熊のような見た目で甲高い震え声、という演技は実に面白い。あの殺戮ぶりでありながら敬虔なクリスチャンというのも特徴的です。ちょっとアブない人なのかとも思いますが、「ここに側溝を掘って迎え討とう」などアイデアも豊富だし、測量したり穴掘ったり鐘を吊るしたりとかなりの働き者だし、町の女に服を繕ってもらうほど母性本能をくすぐるクマさんでもあって憎めません。

・ジャックが最初に出会ったときに「色々と事情がある」と言うのを聞いて、察するかのような顔をするグッディやチザム。ジャックは多くのインディアンを殺して頭の皮を剝いだと言いますが、その裏に何か理由があったことが察せられます。「昔は妻もいた、子供も」とだけ語られた過去にそれは関係しているのでしょう。「もっとケチな正義で死ぬ奴もいる」みたいなことを言うのも意味深。そして「人の役に立てる、尊敬できるお前たちと戦える」という言葉に、彼の本当の人と成りが垣間見えます(前の夜には「なんて奴らだ」と言ってたのに)。ジャックはかつて散々狩ったインディアンに殺られるわけですが、死に際の一瞬虚空を見上げて何かを悟ったかのように息絶える姿がたまらなく悲しい。彼がそこで思ったのは因果応報という言葉か、あるいは家族の元へ行けるという安堵か。何も出来ずにジャックが死にゆくのを見ているしかなかったテディQにも涙します。


★レッドハーベスト

・コマンチ族のインディアン、「赤い狩人」ことレッドハーベスト。彼は部族の長老に「お前の道は皆とは違う」と言われて追い出されたと言いますが、多くは語られません。彼もまたアウトローであり、ガンマンたちにも怯まず堂々と現れる姿に只者ではない感が漲ります。レッドの武器は百発百中の弓と、二刀流のナイフ、でも銃もしっかり扱えてこれまた戦闘能力が高いです。出会ったときは顔にペイントをしていましたが、町で過ごすときにそれを落として素顔を見せてくれるのが何かイイ。そして最終決戦ではさらにガン決まりの戦闘用ペイントを施して挑むのがなおイイです。

・出会ったとき、レッドは「皆と違う」と言われた自分の道を探してさまよっていたのでしょう。チザムの示した「悪い奴を倒しに行く」というシンプルながら揺るがない目的=正義に自分の道を見出だしたんですね。だから「多分みんな死ぬだろう」という言葉にも怯まず仲間になる。その意思表示が「鹿のキモを食べ合う」というのがチザムにとっては災難ですが、それでも一口食べるチザムが男前。「朝飯にしよう、俺はもう食べた」には笑います。この時チザムがさりげなく砂をすくって手の血を取るのがちょっとイイです。


★ジャック&レッドハーベスト

・レッドは偵察に出たりしていたため他のメンバーとの親交はちょい薄めですが、決戦前夜に「腹減った」と英語を話せることを明かしたのは、皆が町のために戦おうとする姿に心打たれたからでしょう。おかげでその後「話したいことが山ほどあるぞ」と言うジャックに捕まって散々付き合わされたことが想像されます。インディアンを殺しまくった男がインディアンと友情を深めようとするのは、ジャックの心境の変化でもありますね。レッドが最後に戦うのは同じく原住民(恐らく部族は別)のデナリですが、白人に迎合して殺戮を繰り返すインディアンと、部族から追われた型破りなインディアンの対決は、崇高な目的を持つレッドが「インディアンの恥」を倒すことで決着が付きます。それは奇しくも、前夜に自分を歓迎してくれたジャックの仇を取ることにもなったのです。馬の背にジャックの死体を運んできたレッドの顔が、チザムと会って微かに歪むのが悲しいです。ちなみにジャックの墓には赤い風車が飾られていました。


★エマ・カレン

・エマ・カレンが自ら助っ人を探しにくるのは夫の敵を討つためではありますが、その夫が殺された理由が正義を主張したためであったことを忘れていません。かつて父親に習ったらしき銃の腕前がなかなかのもので、最終決戦時でもかなりの働きを見せます。前夜に「私がグッドナイトの代わりになる」と言うところに強気さが伺えますが、決戦前に夫の墓の前で泣いていた姿が痛ましく、敵インディアンのデナリに追いつめられてもう弾がないのに引き金を引き続けるところにギリギリでやっていた感があります。演じるヘイリー・ベネットは実に毅然としていて美しい。カウボーイハットを被った姿、髪を下ろしたときのウェービーなロング、あるいは後ろで結わえるなど、結構お色直しがあるのがまた素敵すぎます。特にカウボーイハット姿は絶品。ちなみにエマの旦那マシューがやけに色男だと思ったら『マジック・マイク』シリーズのケン役、マット・ボマーでしたね。


★バーソロミュー・ボーグ

・ボーグは採鉱会社、運送会社などを営む実業家でありながら、欲しいものは自分で奪い取って来た「略奪男爵」でもあります。演じるピーター・サースガードの、頭のイイ狂犬みたいな雰囲気が素晴らしい。盾突くヤツも失敗した仲間も平気で自ら殺す。ガトリングを撃つときに「まだ仲間がいる」と言われても何も言わない。しかも率いるのは一個中隊なみの人数です。チザムたち七人が騎乗した姿を横から映したり、七人が揃って土煙を上げながら走る姿を斜め後ろから前方に動きつつ撮ったりする映像がカッコいいんですが、ほぼ同じアングルでボーグの軍勢を映すシーンもあって、これにより絶望的な人数比が強調されています。それでも最後にボーグ自ら町に乗り込んでくるというのは大したもんですが。ボーグ以外にも、座ってたら他の用心棒に足蹴にされる立場の弱いシェリフとか、ブラックストーンの余裕こいてるリーダー格とか、ガトリングのところでファラデーに火を付けてやるアイパッチの男などはなかなか印象深いです。ガトリング部隊の連中は、どう考えても殺られるのに単身ここまで来たファラデーを見る目に、若干の畏怖が混じってるのがイイです。

・かつて牧師に「教会に背を向けないでくれ」と言われたボーグが、チザムと対峙するときに教会に背を向けているのは象徴的です。しかしチザムに追いつめられて命乞いしていたのに(油断させるため?)、チザムに「祈れ」と繰り返されても決して祈らず、憤怒の表情で睨み返すところに悪党のプライドが伺えるのが最高。首の縄の跡を見てチザムのことを思い出す、という因果関係を明確にした上で決着付けるのも良いですね。教会を燃やす時点で明らかですが、ボーグは神など信じていないわけです。そして神に背を向けるなと牧師に言われたボーグは、神を燃やした教会で息絶えるのです。


★マグニフィセント・セブン

・最終決戦では町の人々にも多くの犠牲が出ます。しかし彼らは自らの意思で町を守るため戦い、結果それは守られたのです。酒場で飲み食いするファラデーやバスケスらの笑い声が外まで響くなか、町の人々の談笑も混じっていた前夜。そのとき笑っていた者でこの世にもういない者たちもいます。それでも戦いが終わって外に出てきた人々の間に、徐々に戻ってくる活気。去ってゆくチザム、バスケス、レッドハーベストに別れを告げ、町はこれから復興していくのでしょう。序盤でビンに手を突っ込まされていた少年が、最後に去り行く三人を見やる表情に、七人の成し遂げたものがハッキリと見て取れます。

・劇中の音楽が、荒野の静けさ、男たちの熱さ、戦いの緊張感などがあってとても良かったです。音楽のジェームズ・ホーナーは事故により急逝してこれが遺作となりましたが、良い作品を残してくれました。そしてエンディングに流れるのが、エルマー・バーンスタインの『荒野の七人』テーマ曲!最後にさらに爆アゲされて、「ああ面白かった!」と思わせてくれる、これぞ娯楽映画の醍醐味ってもんです。最高!フォーーー!

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